<今週のアロマブレンド>ロマンティックな物語を届けてくれる香り:ネロリ:「庚」から「辛」へ
<今週のアロマブレンド>
・ネロリ
ネロリの精油は、ミカン科の木に咲く、白い可憐な花の花弁を集めて、香りを抽出します。
その可憐な花弁からは想像できないほど、力強い柑橘系の香りがします。
柑橘系といえば、軽やかでフルーティな香りを想像されるかもしれませんね。でも、ネロリはちょっと違うんです。
重く甘く深い香りです。でも、後を引くことなく、ゆっくりと流れる時間と共に、いつの間にか消えて無くなっていきます。(ミドルノート)
支配星は「太陽」です。
ネロリは、時間がたった「太陽」かもしれません。
無垢な子供ではなくて、様々な経験を経て、ある程度「わたし」が出来上がりつつあり、目指す方向が定まりつつある。でも時々迷って、失敗して、それから、仕切り直して、再び進んでいく「太陽」です。
「占星術」では、「太陽」を、外側の「わたし」の星と解釈をします。
外側の「わたし」とは、「わたし」に向かって進んでいき、外側の試練を乗り越えて、最後にたどり着く「わたし」。これが「太陽」のシンボルです。
明るく元気に、ではなくて、責任感のある態度で、前向きに。といった感じだと思います。
ネロリには、有名すぎるロマンティックな「逸話」が残されています。
17世紀イタリアのネロラ領主ドン・フラヴィオ公の妃であるアンナ・マリアは、自分が使っている手袋に、このネロリの香りを付けていました。
彼女は、この香りを愛用していて、手袋だけはなくて、沐浴にも使っていたそうです。
実は、ドン・フラヴィオ公は、どちらかと言うと、戦いよりも科学研究などに興味を持っていた方だったそうで、ビターオレンジの花から、芳しい香り成分を抽出する研究に取り組んでいました。そして、その香りを、愛する妻へのプレゼントにしていたんですね。
彼にとって、ネロリの香りは、最も大切な存在である妻への贈り物であり、彼女にとってものネロリは、自分の存在を大切に思ってくれる人からの、心のこもった贈り物というわけです。
素敵な「逸話」に想いを馳せながら、ネロリの香りを楽しみたいですね。
アロマテラピーでは、「精神を安定」させる目的で、このネロリの精油を使います。
心がほんわりと温かく、穏やかになる気分にしてくれますよ。
まるで、心の奥の「太陽」が、明るく心を照らしてくれているようです。
普段から「手指消毒用」のアルコールスプレーを持ち歩いています。
そのアルコールに、いつもネロリの精油を加えて使っています。
いつでもどこでも気になった時に、シュッと手に振りかけて、消毒をすると、ほんのりとネロリの香りが広がるんです。
なので、消毒するたびに、思わず深呼吸したくなります。
手指消毒は、指先がポイントなので、指先は特に念入りに消毒をします。
「指」は、外側からの「気」を取り入れるための「アンテナ」であり、自分の「気」を外に向かって差し出す「アンテナ」でもあると、「手相鑑定」では考えます。
指先に、ネロリの香りを纏うのは、穏やかで温かい「太陽」のエネルギーを味方につけること。きっと、「アンテナ」も元気になってくれるはずですね。
※精油についての情報や解釈は(「アロマテラピーのための84の精油」ワンダー・セラー著 高山林太郎訳 フレグランスジャーナル社)を参考にしています。
「アルコール消毒」は、五つの「気」の中で、「金」になると思います。
「金」の気は、塊の気で、「自分」と「自分以外」を、キッパリと分ける景色だからです。
また、「白」も「金」の気の色です。
なので、ネロリが香るアルコールスプレーは、「金」がいっぱい詰まっていますね。
2020年は「庚」(かのえ)の年で、「庚」は「金」の「陽」です。
「陽」は、外向きに勢いが流れていきます。
2021年は「辛」(かのと)の年で、「辛」は「金」の「陰」です。
「陰」は、内向きに勢いが流れていきます。
年の暦は「節分」で変わるので、まだ少し「庚」が続きますが
そろそろ「辛」を意識しながら、過ごしていきたいですよね。だって、これから向かう方向が、どんな感じなのか知っていた方が、何かとお得だから。
そもそも「辛」とは、どんな意味なのか考えてみましょう。
「常用字解・第二版」(白川静著 株式会社平凡社)の、「辛」の箇所には以下のような記述があります。
「辛」は把手のついている大きな針の形を、文字に現したものです。
その針は、入れ墨をするときに使われていた針です。
入れ墨を入れる時の痛みを、「辛」と言います。
つまり、この文字は「つらい・きびしい」という意味を持った文字です。
これだけ読むと、「来年はなんて年・・・つらそう・・・」とちょっと不安にありますよね。
でも、ご安心くださいね。
これはあくまでも「字」そのものが持っている「意味」で、「運気」の「意味」ではありません。
運気から捉えた「辛」は、「金」が内に向かって入ってくるので、自分の内なる「金」と外側の「金」とが、自らの中で交わることになります。
「金」は、「塊」、すなわち、自分の「こだわり」や「美意識」「理想」「譲れない想い」など、自分の中で輝く「宝石」です。
今年の「庚」とは、土の中から生まれたばかりの「金」なので、土の「汚れ」がついた「塊」です。それを、来年は、綺麗に自らの内なる力を使って磨いて輝かせていきます。
矛盾を抱えていたら、その矛盾を向き合って、不必要なものを排除する。そして、「宝石」の曇りがクリアになっていく。
研磨されると「痛い」かもしれません。
「精錬」するには時間がかかります。
それでも、コツコツと磨いていくと、輝きが内側から溢れてきます。
そして、「希少価値」が上がって、唯一無二の「宝石」となります。
「十二支」は、すでに今月11月から「冬」に入っています。
暦では、11月・12月・1月の3ヶ月が「冬」です。
「冬」は、決して華やかさはありませんが、じっくりと内側に「温存」するための「時」です。
そして、様々なことは、水に流してリセットする「時」でもあります。
2月から、「寅」がやってきて、「さあ、行こう」と、強引な「寅」は待ってはくれません。
だから、「冬」の間に、内なる「金」を、大切な「金」を、じっくりと味わいたいですね。
2022年からの2年間は、「水」の気が巡ります。
全ての人に、雨が降り注ぎます。
平等に、でも容赦無く。雨はいつ、どんな形で降ってくるのかは、お天気次第でわかりません。でも、「恵み」の雨も、降ってくれるはず。
雨が降ってきた時に、雨に濡れてそのままでいるのも良し、傘を差すのも良し、器にためて活用するのも良し、また、部屋で雨を眺めるのも良いかもしれません。
どれを選択するのかは、個人の自由に任されます。
来年は、それを決める年です。
迷った時には、「宝石」を磨くように、靴をピカピカにしたり、床をピカピカにしたり、普段使っている鏡をいつも綺麗にしたり、「キラキラ」がおすすめですよ。
ゆっくりと、時間をかけて、焦らずに諦めずに、磨きたいですね。
ちょっと早いけど、来年のイメージをお伝えしました。
良かったら参考にしてくださいね。