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「結界」を守る:「変わる」中で「変わらない」でいる方法:タロットカード:ウエイト版「ソードの4」

山口県立美術館では、7月7日まで、「下瀬信雄展・天地結界」が開催されています。

 

下瀬信雄さんは、山口県萩市在住の写真家で、ふるさとである山口県の風景や街の佇まいを、私的な視点でとらえた作品を撮られています。

 

近年は、大判カメラを用いたモノクローム撮影で、自然界の中に潜む境界にせまる、「結界」をテーマとするシリーズに取り組まれています。

 

今回の展示は、その「結界シリーズ」の作品も、数多く出展されています。

 

 

「写真」とは、「真実を写す」もの

Photographとは、「光を描く」もの

 

 

下瀬信雄さんは、Photographを意識されていて、自然の全ての「光」の中から発信されているメーセージを感じ取り、「一つのテーマ」を一枚の画像として切り取られています。

 

 

色彩のない「光」は、「光」と「影」の世界です。

 

つまり、「陰」と「陽」の「景色」です。

 

 

 

「陰」は「陽」によってのみ「存在」を知り

「陽」は「陰」によってのみ「存在」を知る事ができます。

 

 

「結界」とは

「内」と「外」との境界線。

「聖域」と「俗世」を分ける「仕切り」

 

 

「結界」があることによって、「内」は、「外」から、不要なものが流れ込んでくるのを防ぐ事ができます。

「結界」があると、「外」は、気軽な気持ちで「内」に入ることはできないので、「内」に入りたい時は、「お伺い」を立てて、「許可」をもらえた場合だけ、「お邪魔」する事ができます。

なので、「結界」は「内」を守り、「内」が「内」であるための「フィルター」の役割をしています。

 

 

神社でいうと、「鳥居」

家でいうと「門」

お店でいうと「のれん」

 

 

「結界」を乗り越えるには、襟を正して「お邪魔します」と入ります。

そして「内」の「しきたり」を守って、「内」の中で過ごさせてもらうのです。

 

 

「結界」シリーズでは、「深い森の入り口」や、「森の中の小さな池」、「うっそうと茂っている竹林」などの作品がありました。

 

「結界」は目には見えないけど、「外」とは全く「異質」なものが、奥底で潜んでいる気配が立ち上っていました。

見えないけど、確かに「結界」は、そこにしっかりと「存在」しています。

 

 

 

「人」は社会の中で生きています。

「社会」と「人」の間にも、見えない「結界」があります。

 

 

「人の結界」は、「社会目線の結界」と「自分目線の結界」の二つがあると思います。

「社会的な顔」を守るためにある「外」を基準にした「結界」と

「内なる心の声」を守るためにある「内」を基準にした「結界」です。

 

どちらが「メイン」なのかは、その人の立場や性格などで、優先順位は変わります。

 

 

 

天空の星からのメッセージを伝える「ホロスコープ」(星占い)は、「社会的な顔」に対しての「結界」を、こんな風にしたらあなたらしいよ、と教えてくれます。

 

一方、お誕生日から割り出される「四柱推命」の八文字(命式)は、「内なる心の声」を守るために、こんな風に表現してみたら理解してもらえるよ、と教えてくれます。

 

 

 

下瀬信雄さんの「結界」シリーズは、どの作品も、二つが仲良く「共存」してそこに存在しています。

自然はお互いを、侵食せず、でも、お互いを尊重しあって、ちょうど良い「距離感」を感じました。

 

「結界」の狭間は、「ふわっ」としていて、高く強固な感じではなく、そこにあることすら感じさせないくらいの「余裕」を感じます。

 

「社会」と「人」の「結界」も、そんな風に「ふわっ」としていたら、社会の中で過ごしやすのかもしれません。

 

 

 

タロットカード小アルカナの「ソードの4」は、「社会」の中で「人」はどのように賢く一線を引いていくと良いのかを、教えてくれます。

 

 

「剣」(ソード)は、「理性」「知性」を示しています。

「4」は「安定」の数字です。

 

 

ひっそりと、厳かな空気に包まれて、騎士が横たわっています。

両手は自分の胸の上で合わせていて、祈っているかのようにも見て取れます。

壁には、「キリスト」のステンドグラスが、「外」からの「光」から騎士を守り、見守ってくれています。

 

 

騎士の上には、3本の「剣」がぶら下がっています。

一本は「頭」(第3の目・直感)

一本は「喉」(言葉・コミュニケーション)

一本は「腹部(太陽神経叢)」(神経の源・知識の源)

3本の「剣」の解釈は、二通りあります。

まず、「外」から「攻撃」されている「場所」を示していると読む。

もう一つは、「剣」から「内」に向かってエネルギーを注入していると読む。

どちらを採用するのかは、「他のカード」と「運気の流れ」と一緒に、合わせて判断をします。

 

 

いずれにしても「ジタバタせずに静かに静観する」時期です。

 

 

そして、もう一本の「剣」は騎士から少し離れた「場所」で、騎士と同いように静かに横たわっています。

もう一本の「剣」は「俯瞰して見る、違う視点で見る」事が必要であると教えてくれています。

 

 

4本の「剣」に守られて、騎士は心の平和を感じているかのようです。

 

 

 

カードリィーディングでは

「正位置」の場合は、「(積極的な)休息」「精神的成長の過程」

「逆位置」の場合は、「準備が整い目が覚める」「活動再開」

 

 

「内なる自分」としっかりと向き合うには、「外側」からも観察する、「心の余裕」や「もう一人の自分の目」が必要です。