「秋分」から「陰」が勢力を増していきます:「陰陽理論」と「占い」との関係性
今日は「秋分」の日
「秋分」とは、二十四節気のひとつです。
二十四節気は、太陽の動きを24等分したもので、約15日間ごとに分け、その時の季節のシンボルを示しています。
その中で「秋分」は、昼間と夜の長さが同じになります。
そして、この日を境にして、これからは、夜が長くなっていきます。
全てのものは、「陰」と「陽」の要素があり、太陽が出ている昼は「陽」で、太陽が沈んでいる夜は「陰」です。
つまり、「秋分」の日は、「陰」と「陽」の長さが同じ。
ちょうどバランスが取れている状態の日となります。
「陰陽」は、相対的なものであって、どちらか一方だけでは、全体として構成できません。そして、気が常に動いているように、「陰陽」のバランスも、常に動いています。
ある一定の「全体」を保ちつつ、量的にまたは質的に、大きさを変えることで、両者はバランスをとっています。
この理論は、東洋思想の根本となる、とても大切な理論です。
四柱推命においても、まずは、この陰陽について学びます。
暦を解釈する時には、必ずこの「陰陽」のバランスを紐解いた上で、暦の解釈をしていきます。
右肩上がりに発展していくことが「吉」とされる昨今では、「陽」の方が人気があって、「陰」は残念な気だと感じておられる方がとても多いです。
「命式」の「日干支」が、「陰」の場合、「それって、良くないの?」とか「陽のほうが成功しそう」と言われてしまうことがあります。でも、全然そんなことはなくて、「陰」は「陰」なりの良い面とそうではない面があり、「陽」もまた同じです。
ここにも、「陰陽」の両方が存在しているのです。
「良い面」とは、ポジティブな化学反応が起こる時で、「悪い面」はネガティブな化学反応が起こる時なのですが、実は、ポジティブもネガティブも、化学反応を起こす「シンボル」は同じなのです。
ただし、「良い感じ」に、そのシンボルが発動した場合には、ポジティブに、逆に、強過ぎたり、偏り過ぎたり、良い感じに発動できないとネガティブとなります。
つまり、「長所」と「短所」は同じで、発動の方法が適切であるかどうかで、良し悪しが決まります。
なので、「短所」を封印しようと押さえ込むことは、せっかくの「長所」を否定していることです。
できれば、「長所」をのびのびと活かしていく方法を考えた方が、建設的なのです。
「陰」と「陽」の具体例を挙げてみますね。
<陽> <陰>
天 地
太陽 月
昼 夜
上 下
熱 寒
動 静
明 暗
春・夏 秋・冬
男 女
背部 腹部
皮膚 筋骨
表 裏
六腑 五臓
まだまだありますが、きりがないのでこの辺りで。
並べて比べると、イメージが捉えやすいかと思います。
もう少し、深く陰陽をイメージしやすいように、「五臓」と「六腑」について説明をしますね。
「五臓」とは
「肝・心・脾・肺・腎」のことで、西洋医学で言うところの「臓器」とは、ちょっとニュアンスが異なんですけど、まあ、似たようなものだと思ってくださいね。
五臓は、「陰」です。
五臓は、気を貯蔵してくれるので、気が詰まっていると考えられています。しっかりと中身が詰まっている状態が良い状態で、五臓が弱った時には、「虚」の状態。つまり、スカスカになってしまうと「病気」であるとなります。
「六腑」とは
「胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦」
(「三焦」は、東洋医学独特のもので、実際には、臓器としてはありません)
六腑は、「陽」です。
六腑は、中空です。そして、飲食物を受け入れて、六腑を通過することで消化し、栄養を吸収、排泄をします。つまり、「空」の状態が良い状態で、「実(じつ)」(中身が詰まった状態)を「病気」であるとなります。
「五臓」と「六腑」の関係性から、「陰陽」の関係性を紐解いてみると
「五臓」の中に詰まった「気」を、「六腑」が動かしていく。
つまり、「陰・物質」を「陽・機能」で、エネルギーへと変えていく、となります。
例えば、「陰」がなかったら、いくら「陽」が頑張ってみたことろで、そもそも動かす「気」がないために、空っぽのガソリンタンクのまま、車を走らせようとするようなものです。それは、無理。できません。
また、「陰」はあっても、「陽」が詰まっていた場合は、堰き止められた川に水が流れようとしてるようなものです。これも無理。川が氾濫してしまいます。
「陰」も「陽」も、どちらもなくてはならない。
そのどちらを、前面に押し出すのかは、その時によって「良い感じ」で操作していくために、暦を紐解いたり、流れる運気を観ていくのが「占い」です。
「秋分」からは、「陰」が充実していきます。
なので、ぜひ、「陰」を意識してみてくださいね。