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誰のために「書く」のか・何のために「書く」のか:「陰陽説」:陰陽のバランスを意識してみる

小野田サンパークには、本屋さんがあります。

 

お客様の列が途切れたり、昼食休憩の間に、いつもふらっと立ち寄って本を眺めます。

 

まずは「表紙」から。

売れ筋とか、人気の本のタイトルを眺めていると、「求められているジャンル」とか「みんなが気になっているキーワード」がわかります。

その中から、何となく気になった本を手にとって、「はじめに」にサラッと目を通します。

そして、面白そうと思ったら、「目次」を見て、その中で興味が湧いた箇所を読んでいます。

 

それで「気が済んだ」本は棚に戻し、「じっくり読みたい」と思った本は、購入します。

 

 

じっくりと読みたいと思う本は、自分が今気になっているテーマが書かれてあったり、必要な情報をとるためです。

そして、もう一つ、「これって何?」と思いがけず「ツボ」にハマって、手放せなくなってしまった本。これは、「思いがけない出会い」の本です。

 

ネットでも本は買えますが、「思いがけない出会い」は本屋さんでしかできません。

だから、私は、時間があると、いつもふらっと本屋さんに立ち寄ってみるのです。

 

 

「運」は「人」が運んできてくれます。

それは「出会う」から。

「出会い」は、自分の「気」に新しい風をふわっと起こしてくれて、そして、「気」を動かしてくれます。

「本」には「人の言葉」が詰まっています。著者の「思い」がぎゅっと詰まっています。人が発した言葉には、エネルギーが宿っていて、だから「本」も「人」との出会いと同じくらい、「運」に影響を与えてくれます。

 

 

だから、「出会い」をたくさんくれる本屋さんは、大好きです。

 

 

 

その、「思いがけない出会い」の本がこちら。

 

「読みたいことを書けばいい。人生が変わるシンプルな文章術」

 田中泰延 著  ダイヤモンド社

 

著者の田中泰延さんは、24年間電通でコピーライターとして活動をされ、2016年に退社。その後「青年失業家」として、インターネット上で執筆活動を開始されました。その後、コラムが評判を呼び、「明日のライターゼミ」の講師としても活躍されています。

今回が、初の著書だそうです。

 

 

彼は、とにかく「辛口」。そして、文章全てが潔く、曖昧さが全くありません。文章の句読点が、「。」ではなくて、「!」でもいいほど、きっぱりと言い切って、迷いがありません。

しかも、笑えるのです。最初から最後まで、笑えます。

 

 

彼の主張は、一貫しています。

なぜ、文章を書くのか。 「書きたいから」

誰のために書くのか。 「自分のため。自分が読みたいから」

それは、「その場限りの誠心誠意、短いけれど本気の恋」だそうです。

評価は「他人」がするので、それに振り回されるのは、「自分の人生を生きていない」と断言!

 

確かに。

それはそうなんですが。。。

 

「分かってもらいたいな」「理解してもらえるかな」

そんな気持ちでブログを書いている私に、「何やってんの?楽しい?」と、上から目線で、思いっきり呆れ果てて、田中さんに言われてしまった感じがしました。

 

それでも、最後まで笑いながら読めたのは、田中さんの「言葉に込めた厳しい愛」があるからだと思います。

 

この本は、攻撃的な「熱」がいっぱいの「陽」の本です。

心をガーッと燃やしてくれます。

 

 

こちらは、もう何度も繰り返し読んで、参考にしている本。

 

『東大作文 「伝える力」と「地頭力」が一気に高まる』

 現役東大生 西岡壱誠著 東洋経済新報社

 

この本は、2回の「失敗」を分析し、東大入試を突破するため彼が編み出した「受かるための作文」の書き方が紹介されています。

 

とにかく「伝わる」こと。

それは、採点する人に伝わらないと、「合格点」をもらえないから。

 

彼の主張も一貫しています。

相手のことを考えない「一方通行」の文章は、「自己満足」。

なので、相手が能動的になれるよう「双方向性」な文章でなければ意味がない。相手から、自分に向かう「矢印」を意識して書く。

 

相手に伝わらない文章は、書いても意味がない。

 

確かに。

それはそうなんですが。。。

 

書けば書くほど、「本当にこれで伝わるの?」「大丈夫かな・・・」

そんな気持ちがふつふつと湧き上がってきます。

そんな私に、西岡さんの文章は、「一つ一つ、順番にやって行けば、うまくできるようになるよ。」と、まるで、数学の苦手な生徒に、根気強く因数分解を教えてくれる、優しい予備校講師のよう。

 

だから、「よし、もう一度やってみよう」と、少し元気になれるのです。

それは彼の「包み込むような」優しい「言葉」が、本の中に溢れているからだと思います。

 

この本は、優しく降り注ぐ「霧雨」のような「陰」の本です。

心をほんのりふんわりと包み込んでくれます。

 

 

 

文章を書くときに、「陽派」でいくのか、「陰派」で行くのは悩みどころではありますが、実は、お二人の本には、「同じ根っこ」があります。

 

 

「読みたいことを書けばいい」の中に、とても素敵な言葉があります。

”自分のために書いたものが、だれかの目に触れて、その人とつながる。孤独な人生の中で、誰かとめぐりあうこと以上の奇跡なんてないとわたしは思う。”(本文より抜粋)

 

つまり、「書く」ことは出会うこと。

出会うことで、お互いの間で何かが変わり、そして、何かが始まります。

それは、「運」を動かすこと。

 

 

「東大作文」の中にも、とても素敵な「言葉」があります。

”目的を作る。それは「相手にどうなってほしいかを明確化すること」

それは、「相手がどうすれば成功なのか」という「意図」を考えること。”(本文より抜粋)

 

つまり、「書く」ことは相手の「成長のスイッチ」を押すこと。

自分の文章が、相手にとって、何かのきっかけになること。そしてそのきっかけは、「素敵な未来」につながっていくかもしれません。

それは、「運」を動かすこと。

 

 

「運」は人が運んできてくれますが、受け取るかどうかは、自分次第です。

自分も「運」を運びますが、どんな「運」を運ぶのかは、自分次第です。

 

 

「言葉」には、発する人の「思い」がいっぱい詰まっています。

「書く」ことは「言葉」を伝えることです。

伝えることは「出会う」こと。

「出会い」は「運」を運びます。

だから、「書く」ことは「運」を動かすことになるのです。

 

 

受け取るときには、自分の成長にとって「必要」な言葉を。

運ぶ時には、相手の素敵な未来に向けて「成長」するための言葉を。

 

 

「これって、必要?」

「これって素敵な未来が想像できそう?」

そんな風に、自分の「心」に尋ねながら書いていきたいと思っています。

 

 

全てのものは「陰」と「陽」の要素があります。

そして、安定しているものは、「陰」と「陽」の「根っこ」は一つです。

 

だから、「根っこ」がブレなければ、しっかりと、自信を持って、地に深く根を張っていれば、「陰」でも「陽」でも「自分らしい」と言えるのです。