人の歴史は「香り」と共にある:「アロマテラピー」の歴史に触れる:イブン・シーナ
植物が放つ「香り」は、植物が生き延びていくために、自らの力で作り上げていった「有機化合物」です。
あるものは、昆虫たちを誘き寄せ受粉してもらうため、また、あるものは、害虫から身を守るため。
それぞれ工夫して、あみ出した配合で、必要な香りを作りました。
なので、同じ植物でも、土地や気候によって、香りが微妙に変わりますが、成分に関しては、似たり寄ったりといった感じです。
その香り成分と、心と体を共鳴させ、良い作用を起こそうとするのが「アロマテラピー」です。
「アロマテラピー」の歴史はとても古く、紀元前3000年ごろには、すでに「香り」が人々の生活に欠かせないものとして利用されていました。
現在のように、リラックス効果を求めるものではなく、当時は、悪魔払いや宗教的儀式に用いられていて、ミイラを作る時の「防腐剤」としてもフランキンセンス、ミルラなどが使用されていました。
これらの「香り」は、今でもアロマテラピーに良く使われています。
ミイラ作りと同じ「香り」が長い「時間」を超えて、今でも楽しめるなんて、ワクワクすると思いませんか?
「香り」はずっと人と一緒に、生き続けています。
今のように、心と身体に作用することを意識して、「香り」を使うことができるようになったのは、一人の「天才」のお陰です。
その人の名は「イブン・シーナ」ラテン語名は「アヴィケンナ」
980年、中央アジアの街ボカラで誕生したと言われています。(〜1039)
医学者でもあり哲学者でもあり、そして、科学者でもあった彼は
「人間の霊魂、神、天体の霊魂の間には、共感がある」(世界史と西洋占星術 ニコラス・キャンピオン著 鏡リュウジ監訳 宇佐和通・水野友美子訳 柏書房株式会社発行)と述べていて、医学を自然学から派生した学問とみなし、「医学典範」を書き残しました。
この頃から、医療は「呪術」ではなく、「医学」として捉えられるようになりました。
そして、植物の「香り」成分を抽出し、それを使って、「治療」をしていたと言われています。
彼が発見した「香り」成分の抽出法である、「水蒸気蒸留法」は、今でも使われていて、ほとんどの精油は、この方法で抽出されています。
また、占星術としての観点ではありませんが、天体が全ての自然物に影響を与えていると考えていて、植物の香り成分が最も良い役目を果たすために、植物の採取時期の、天体の配置や時間までも指示をしていました。
人だけでなく、植物にも「星占い」があるのかも。
改めて「全てはひとつ」なんだなと感じます。
自分の「気」が、なんだか最近元気ないかも・・・
そんな時は、自ら元気を出すだけの「エネルギー」が空っぽになってしまっているか、または、どこか詰まってしまって上手く外に「エネルギー」を出せなくなっている場合が考えられます。
自らの力で「修復」できない時には、周囲の「気」に手伝ってもらうのが手っ取り早く解決できます。
つまり、「環境」を作って、「環境」に外から力をもらう。
これがいわゆる環境学である「風水」の理論です。
運気の良い「場所」は、居心地の良い「場所」
よって、良い香りを感じる「場所」は
良い「気」がある「場所」です。
モヤモヤして気持ちがすっきりできない時には、ぜひ、「香りのある場所」を作ってみてくださいね。
『今週のアロマ』
・セージ
・ゼラニウム
・オレンジ
セージの英語名は「salvare」
これはラテン語で「救う・癒す」という意味です。
控えめなのにシャープでキリッとした香りは、不浄なものを取り去ってくれるよう。
タロットカードの「浄化」に、乾燥したセージの葉を燻して、その煙をカードに当てる方法があります。
それほど、セージの「浄化パワー」は凄いんです。
ゼラニウム は、別名「蚊除け草」とも言われ、手作り虫除けスプレーを作る時によく使われる精油です。
要らないものを寄せ付けない、頼りになるガードマンみたい。
オレンジはご存知柑橘系の香り。
強すぎず、弱すぎず、ほどほどに。気持ちに寄り添ってくれる。
落ち込んでいる時には穏やかな温かさを。頑張りたい時には熱い情熱を吹き込んでくれる。いつも寄り添ってくれるお友達のよう。
密になってしまいそうになった時
「密です!」ときっぱり言えるような
そんなブレンドです。
アロマスプレーはいろんな使い方ができますが
おすすめはハンカチにシュッとすること。
手を洗う回数が増えました
出先でお家でも、手を拭く時には、マイハンカチを使いたい。
ほんのり香るハンカチがあると、手を洗うのがちょっと楽しくなりますよ。
精油によっては色がついてしまい、シミになることもあります。
真っ白いハンカチの場合は、ティッシュなどで試してから、シュッとするのをおすすめします。
香りを感じ
五感を磨き
感性を意識して
「野生の勘」を目覚めさせましょう。
「野生の勘」があったから、人は生き延びて来られたのです。
植物パワーは「野生の勘」の塊です。