「陰の極み」は向かうところ敵なしの強さです:「今週のアロマブレンド」:陰陽説
「下」「裏」「影」「内」「暗い」「下降する」
これらのキーワードから、どんな感情を連想しますか?
きっと、ネガティブなものだと感じると思います
これらは、全て「陰」の気のキーワードです。
気は「陰」「陽」両方の資質があり、どちらか一方のみで存在することはありません。
紙に、「表」があり、同じ「面積」だけ、「裏」があるように
両者が一つのなって、一つの「形」として成り立ちます。
「気」は、「うねり」です。
絶えず動いています。
「ひとつ」の中での陰陽も、動いていて
どちらかが大きくなった時には、もう片方が小さくなり
でも、小さくなった方が次に大きくなり
それと同時に大きかった方が小さくなって
全体として、結局、「プラマイ・ゼロ」となります。
東洋占いで扱う「干支」にも陰陽があります。
生まれた日の干支が「陰」の人は
「陰ってなんだかダメって感じがする・・・・」
「陽の方が成功するイメージがある」
「陰って頑張れない人みたいで、残念」
最初は、同じ様な感想をもたれるのです。
「右肩上がり」が「吉」であると、発展していくことを目標にしていた「社会」では、その様に感じるのは致し方の無いことかもしれませんが。
でも、「陽」だって、「困った」こともあります。
「陽」は外に向かって、押し出す気です。
生まれた日の干支が「陽」の人は、いつも「前向き」なイメージですが、どんな時にもグイグイとかき分けて、傷だらけになってもなお、グイグイかき分けて・・・・
気付いた時には、大きな深い「傷」が心の中まで。
「陽」が強すぎるのも、大変なのです。
なので、やはり
ほどほどに
陰陽のバランスが大事です。
生まれた日の干支が「陰」の場合は
周囲を見渡して、助けてくれそうな人を発見し、その人に「課題」を代わりにやってもらったり、準備をしてから、なるべく「傷」を負わない様に、慎重に進む事ができます。
例えば
道の前に、いきなりライオンが登場したら
「陽」の人は、戦闘態勢スイッチが入り、グッと身体に力が入るので、前屈みになります。
「陰」の人は、他にライオンはいないか、強そうか弱そうか、視点を動かし観察するので、身体が後ろに傾きます。
まあ、ライオンに遭遇することは、人生の中でないとは思いますが
ライオン並みの何か起こった時に「前屈み」か「後ろ寄り」かで、日干支が「陰」なのか「陽」なのか、けっこうわかりますよ。
身近な人を、観察してみても、楽しいですね。
<今週のアロマブレンド>
・ベチバー
・フランキンセンス
・サンダルウッド
「ベチバー」
主な原産地はインドです。
イネ科の植物で、2mくらいの高さまで成長します。
香り成分は、地面から上ではなく、地の中に伸びている根っこから抽出されます。
まるで土?と感じるほど、重たい土を連想させる強い香りなので、この精油を初めて嗅いだ人は、たいていちょっと顔をしかめます。
でも、古代インドでは、宗教儀式に用いられていた「神聖な香り」です。また、心を「地に足を」つけてくれるほどの鎮静効果があると言われていて、思いっきり落ち着きたい時におすすめの香りです。
できれば「単体」ではなく「ブレンド」で使用をお勧めします。
ベチバーは「地の下」すなわち「陰」を強く感じる香りです。
「フランキンセンス」
主な原産国はインド・オーストラリアです。
カンラン科の低木です。
香り成分は、樹脂から抽出されます。
中医学では「乳香」と呼ばれていて、気血を巡らせると言われています。まろやかな明るさを感じる香りがします。
こちらも古代エジプトで宗教儀式に用いらていました。
それから、なんと言っても、フランキンセンと言えばこれでしょ!という逸話が。
イエス・キリストが誕生した際、東方三賢人がイエスに送った香りだと言われています。
当時は金と同じほど高価な価値があったそうです。
フランキンセンスは「罪をも受容」しようとした「陰」を感じる香りです。
「サンダルウッド 」
別名「白檀(びゃくだん)」と呼ばれます。「白檀」はお香やお線香などに日本ではよく使われているので、馴染みがあるかもしれません。
主な原産地はインド・インドネシアです。
「日本書紀」に、サンダルウッド の記載があります。淡路島にm漂着したサンダルウッド を、島民が焚いたところ、芳しい香りが遥か遠くまで広がったと記されてます。
ビャクダン科の木の「心材」から香り成分を抽出します。
「心材」とは、樹皮と辺材を除いた部分です。
スッと落ち着く木の香りがします。
サンダルウッドは、木材の中の「内なる」部分の「陰」を感じる香りです。
今週のブレンドは
題しまして、「陰の極み」
気が遠くなるくらい、遠い昔のまたその昔から、ずっと人が大切に守ってきた香り。
時代がどんなに変わろうとも、変わらせれてこようとも、人々が大切に守ってきた香りに、人々も、ずっと、癒され守られてきました。
それの精油をブレンドしたので、重くなりすぎるかなあとも思いましたが、最初は、フランキンセンスの軽さを感じ、最後にベチバーの深い気が残る、そんなブレンドになりました。
「陰」には
「内省」「受容」「潤う」「受け止める」「包み込む」
そして、全てを流して「浄化」する
そんな「景色」もあります。
「陽」は「傷」を負いますが
「陰」はその「傷」を癒します
全てのものが、予想だにしないほどの速さで「下降」している今
それは「陰」の「景色」です。
「陰」は「陽」と同じほど、とても強い。
「したたかさ」については、天下一品、敵なしです。