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<今週のアロマブレンド>ネロリ :シンプルの中にある「シンパシー」と「アンティパシー」を感じる

<今週のアロマブレンド>

・ネロリ 

 

今週は「シンプル・イズ・ベスト」に。

一種類だけのアロマの香りを、じっくりと楽しみたい。

 

シンプルな香りは、その精油の「物語」を、なんの影響もなく感じさせてくれます。

そのものの「物語」には、その精油の主張があり、他の香りの影響を受けないために、受け取る側も、思わず襟を正して向き合いたくなります。

 

「本質」をじっくりと見極める時には、とても大切な作業であり、ごまかしが効かないからこその緊張感があります。

一対一のよそ見ができない関係は、束縛を伴いますが、その束縛があるからこその気付きもありますね。

 

 

・ネロリ 

支配性は太陽

サインは水瓶座

17世期のイタリアで、ネローラと呼ばれていた公妃マリー・アンヌ・ド・ラ・トレモワイユが、自分の革手袋の香付けに、ビターオレンジの香を用いていました。ミカン科の花びらから採取した精油を、「ネロリ」と呼ぶのは、この逸話が元になっていると言われています。

また、ビクトリア王朝時代、女性が「美」を追求するあまり、コルセットをきつく絞めすぎて具合が悪くなってしまった時の「吸入剤」としても、この香りが活躍したそうです。

女性たちの、「美」を享受する覚悟と根性を応援してくれた香り。

それがネロリ の「物語」です。

 

重く苦味を感じる柑橘系の香りからは想像できないくらい、可憐で小さな白い花びらから、この香りが採取できます。ただし、大量に花びらが必要なため、この精油の価格も非常に高価です。

アロマ専門店での価格は、10mlのボトル価格が、3万円近くします。これは、「ローズ」「ジャスミン」と肩を並べる価格です。(画像は生活の木の商品で5mlです)

 

アロマオイルは、高価だから良いというわけではないのですが、高価なのには理由があって、やはり、「憧れ」の高価な香りは、非日常を感じさせてくれるほどの力強さを感じます。

 

 

中医学的には、ネロリ は「陰」の香りです。

気を巡らせてくれる効果が期待できると言われています。

「心」「肝」「脾」の3つの「気」に作用して、刺激してくれて、そのために、「深いストレスの軽減」には、この香りが良いと言われています。

 

 

東洋医学では、「気の作用により、人は生命活動を行っている」と言われます。

つまり、人が生きているのは、気があってこそ。気の巡りは、人の生の巡りであり、気がスムーズに巡れば、生もスムーズに巡り、そうでない場合は、生が不足したり滞る事で、「病」として現れる、という事です。

 

その中でも「肝」は、戦う「気」

東洋医学の古典「黄帝内経 素問」には、「肝は罷極(ひきょく)の本」との記述があります。

これは、「肝」とは、疲労に耐える根本となるという意味です。つまり、「肝」が元気にパワフルだったら、ストレスなんかへっちゃら!となるわけです。

 

ネロリ の香りは、その「肝」を落ち着かせてくれて、安定をさせてくれて、本来の力を発揮できるように後押しをしてくれるのです。

 

「肝」は血脈の血液量を調整して、また、それと同時に気の巡りを調整してくれます。気をのびやかに上に昇らせていき、全体に広げるベースを作るのです。

もしも、「肝」が頑張りすぎてしまったら、血脈も気も巡りすぎ上がり過ぎとなります。なので、情緒も上がりすぎ、イライラしたり、怒りっぽくなったり、限界に達した時には、まるで瞬間湯沸かし器の様に、「キレて」しまいます。

上昇もほどほどにしておかないと、プチっとなってしまうのです。

 

また、「肝」は「木」の気ですが、「木」は「土」を攻撃して、頑張るように圧力をかけます。なので、「土」は頑張って成長するのですが、それもほどほどにしないと、「土」も限界を超えると頑張れなくなって撃沈・・・・。

「土」の気は、「脾」の担当です。

「脾」は食物を取り入れて体内に吸収することに関わっている「気」です。なので、疲れてくると、食欲が無くなったり、消化できずに胃もたれを起こしたりしてしまいます。

 

 

つまり、イライラしすぎると、ご飯が食べられなくなる・・・・

というわけです。

 

ネロリ は、「肝」にも「脾」にも、そして、精神をコントロールすると言われる「心」にも、みんなまとめて応援してくれる、とっても頼もしい香りです。

 

 

 

全てはお互いに影響しあいながら、一つの「景色」を見せてくれます。

 

それは、共鳴して大きくなっていき、拮抗して小さく抑えられていき、その両方ともが、必要であり、その両方があるから、一つとして存在できます。

 

 

「対岸の火事」の中には、自分の中の「火事」が含まれていて、「自分事」の中には、「他人事」もあります。

 

つまり、たった一つに拘って、それを許せないと攻撃すると、「自分」にも刃を向けている事になっていき、自分が苦しくなってしまいます。

 

 

「有事」のとき

共鳴をネガティブに

拮抗をポジティブに

いつもと「真逆」の目を持つ経験をするチャンスなのかもしれませんね。