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「正義」とは何かを「裁判の女神」と「ゾンビ」に聞いてみた:タロットカード「正義」:ウエイト版とゾンビタロットを比べてみました

タロットカード占いは、とても人気があります。

なぜ、人気があるのか考えてみると、やはり、「わかりやすい」からではないかと思っています。

 

例えば、「四柱推命」では、「甲」とか「丑」とか、馴染みの薄い「漢字」が八文字の表になってたり、それから、運気も、馴染みの薄い「漢字」がつらつらと並んでいます。

その一つの「文字」は、「気」の象徴なので、限りなくイメージが広がっていきます。その限りないイメージが、共鳴しあう景色をまたまた広げていくために、受け取る人によって、感じるイメージが違っていきます。

 

だから、いかにわかりやすく、いかにシンプルに、伝えていくかが占い師の腕の見せ所になるのです。

 

 

その点、タロットカードは、「絵」が全てを物語ってくれます。

「絵」のどの部分が、特に惹かれるのかが、その時の「課題」です。

なので、「この部分が気になる」と、相手に伝え、相手も、「その部分ですね、では、その部分の説明を・・・・」と話をしていく事ができるために、お互いの「ズレ」を最小限に抑える事ができます。

 

 

なので、分かりやすいし、伝わりやすいし、納得しやすくなると思っています。

 

 

私が使っているのは、「ウエイト版」のタロットカードです。

このカードは、ほとんど人が目にした事があるほど、ポピュラーなカードです。

「絵」も、とても分かりやすいと思っています。

 

 

なので、もしも、タロットカードを学ぶとしたら、おすすめのカードです。

解説本も、たくさん出ているので、勉強もしやすいです。

 

 

 

でも、時には、「変わり種」のカードにも触れてみたいですよね。

 

と言うことで、ひょうんな事から、「ゾンビタロット」の事を知り、そのおどろおどろしいネーミングから、怖い気持ちもありましたが、勇気を出して、手に入れてみました。

 

 

「ゾンビタロット」はアメリカのカードです。

 

こちらが、外箱。

とっても立派な箱には、ど真ん中に「ガイコツ」のカードを持った「ガイコツ」の手が描かれていますね。

 

中身は、通常のタロットカードと全く同じです。

22枚の「大アルカナ」と、56枚の「小アルカナ」、合計78枚のカードから構成されています。

 

ただ違うところもあります。

「小アルカナ」は、通常では

・杯(カップ)・・・・・感情

・ソード(剣)・・・・・理性

・ペンタクル(コイン)・財 安定

・ワンド(棒)・・・・・行動

以上の4種類から構成されています。

 

「ゾンビタロット」では、「ペンタクル」がありません。「ペンタクル」の代わりに、「HAZARDS」となっています。

「HAZARS」とは、「危険」です。

 

「財」とは、時として、その奪い合いから争いを生み出してしまうこともあり、ネガティブな視点から見ると「危険」なのかもしれませんね。

「財」とは、「取り扱い注意」のエネルギーとも言えるのでしょう。

その点が、「財」を持つ者が「勝者」とされるアメリカの文化を反映している様な気がして、面白いなと感じました。

 

 

「ウエイト版」と「ゾンビタロット」を比較して見ると、違った方向から眺める事ができるので、より解釈を深める事ができそう。

このカードを使ってのセッションは、やはり、おどろおどろしい「絵」なので、万人向けではないだろうし、暗い気分になってしまう危険もありますが・・・。

でも、興味がある方は、ぜひ、鑑定の時に、「ゾンビタロットで!!!」とご要望くださいね!

 

 

 

相反する「二つ」の間で、それでも、容赦無く「決定」を下さないといけない時、「大アルカナ・正義」のカードが良く出ます。

 

こちらは、「ウエイト版」の「正義」です。

 

「裁判の女神」が、瞬きすることもせず、一心に遠くを見据えています。その表情は、頑なで、柔らかさや隙を全く感じとる事はできません。

女神の両サイドには、無機質な「灰色」の柱が立っています。

女神の右手には、鋭い「剣」が、真っ直ぐに上を向いて持っています。その「剣」を、ピクリとも動かさないように、女神は全神経を右手に注いでいる様にも見えます。

地面に対して「直角」に。女神は「剣」を持っています。

 

タロットカードでは、「剣」は「知性・理性・思考」の象徴です。

 

左手には、天秤を持っています。

天秤は、バランスが取れた状態で維持されています。

何も入っていない天秤に、これから何を入れようというのでしょう。何と何を天秤の皿に入れて、比較しようとしているのでしょう。崩れないように、均等に、慎重に、何かをこれから入れるのでしょう。

 

女神の右足は、今にも踏み出しそうに、少し前に出ています。でも、進んではいません。左足は、情熱の真っ赤なローブの中に隠れているために、見ることはできませんが、でも、しっかりと、地に足を着けて、地面を踏みしめているのでしょう。

だから、今のところ、女神は一歩も前には進みません。進むことができません。

 

 

右は「陽」

左は「陰」です。

 

「正義」を振りかざして、「正義」を貫こうとした場合、それは「陽」の勢いを出さなくてはいけません。

つまり、「剣」で戦う。そして、「勝つ」こと。なので、「敗者」が生まれるのです。

 

「正義」を受け入れようとした場合、それは「陰」の勢いを出さなくてはいけません。

つまり、受容する。受け入れる、もしも自分の「正義」とは違っていても、「忖度」をして飲み込みます。もしかしたら、「諦め」なくてはいけないかもしれません。

 

 

世の中が、「良く」なっていく「正義」は、きっと、「悪者」をやっつけてくれることでしょう。そして、みんな、同じ様に、「平等」に「公平」に、「良く」なっていけます。

 

 

 

こちらが、「ゾンビタロット」の「正義」です。

 

手足のない骸骨が、口に天秤を咥えています。

まず、「違和感」を感じる箇所があります。それは「背骨」がまっすぐなこと。

本体の人の「背骨」は、S字状にカーブをしています。なぜカーブしているのかというと、とても重たい「頭」を負担なく支えるためには、まっすぐでは難しいのです。と言うことは・・・骸骨の頭は「軽い」、もっと踏み込んで言うならば、「頭は空っぽ」だと解釈できます。

「頭が空っぽ」と言うことは・・・・「自分の考えは無い」となりますね。

 

何かを掴んだり、何かを捨てる「手」もありません。自分で自ら摘んだり、手放すこともできません。

動くための「足」もありません。自分の足で進んでいくこともできません。

 

「肺」を守るための、「肋骨」も切り取られています。「肺」は、新陳代謝をするために、新鮮な外の空気を体内に取り込み、内側も不要な二酸化炭素を排出する機能を持っています。「肋骨」に守られていない「肺」は、潰れてしまいます。つまり、新陳代謝もできない。

 

口も天秤を咥えているために、何もしゃべることはできません。

 

天秤の皿には、右に「脳(思考)」左に「心臓(情熱。感情)」が載っていて、わずかに「脳」に傾いています。

 

 

 

皆んな仲良く「丸く収まる」正義とは

自分の頭で考えない、考えようとしない

自分の手で掴まない、手放さない、手を使おうとしない

自分の足で歩かない、動かない、置かれた場所に立ち止まる

自分の言葉で喋らない、何も言わない、沈黙を保つ

 

その上で、「思想」に重きをおいて、「情」は少し我慢して抑え込む。

皆んなの「利益」のためには、どこかの誰かが辛い思いをしたとしても、それは「仕方ない」と割り切る。

 

 

ゾンビ界での「正義」は、そんな、情け容赦ない世界が広がっているんですね。

心がキュンと、うずいてしまいそう・・・・。

 

 

 

「正義」とは、相反する「二つ」の間で、「一つ」の象徴を作り上げていくことでのあると思っています。

 

 

 

「二つ」の「正義」の間で、新しい「正義」を、今、皆んなで力を合わせて、生み出して行こうとしているんだなと思うと、「思考」が熱く燃えてきて、「感情」が穏やかに静かな「凪」のようになっていきそうです。