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「隙間」を塞がない限り「運」は動き続ける・タロット大アルカナ「愚者」

鑑定でお話を伺いながら「たぶん、この人はきっと大丈夫だろうな」と感じる時、私の頭の中では「愚者」のカードの絵柄が浮かんでいます。

「愚者」のカードは、大いなるメッセージを示していると言われる大アルカナの「0番」のカードです。一説によると、トランプのジョーカーの原型だと考えられています。

若い人物が中心に描かれていて、今にも飛んでいきそうな姿で上を見上げています。とても軽やかな印象です。

目の前のお客様が、「まるで愚者」に見える時、そんな時は運気がどうあろうと準備が完璧に整っていなくても、その人の心は決まっているから。だから、もうやるしかない。やる事に決まっているので、考えられるだけのできることを全て粛々とやってみる。そうすると、そのうちにタイミングの隙間にぽこっとハマる「瞬間」が来ます。

東洋思想では「ひとつ」の中には、相反する二つのものが同時に存在していると考えます。(陰陽説)

これはどんな場合にも当てはまり、逆に陰だけとか陽だけとかは「ありえない」のです。

と言うことは、「運」にも二つの相反するものがあり、「自分でコントロールできる」ものと「自分でコントロールできない」ものが同座していると考えることができます。

俗に言われる「運が良い人」は、そこを踏まえて動いている印象があります。自分でできることは自分でやり、できないことはできる人にお願いをする。それがとても上手なので「人たらし」でもあるわけです。

気は五つの特徴に分類でき、その五つが順番に動くことで、一つのサイクルが生じます。(五行)

目に見える五行のサイクルは、「木」から始まり「水」で終わります。最後の「水」は次のサイクルへと向かうので、「終わりの始まり」と考えることができます。これは「十干」と呼ばれていて、占いで人の運気をわかりやすく観る場合に使います。

目に見えるものがあれば、当然見えないもののあります。「雰囲気」のサイクルです。これは「十二支」の巡りです。物事は「ふたつ」の景色を認識できていないと「ひとつ」ではないので、「雰囲気」を捉えておく必要があります。

「十二支」は「子」で始まり「亥」で終わります。「子」も「亥」も五行は「水」です。最後に来る「亥」は「終わりの始まり」になります。

「亥」には「水」だけでなく「木」も内在していると考えます。つまり、木の芽に水を与える様。水を吸い込んだ木が小さな芽を出す「雰囲気」です。

「水」はどんなに小さな「隙間」でも、その「隙間」に沿って進んでいけます。決して自分で道を切り開こうと無理やり進まなくても、「隙間」さえあれば大丈夫です。

私が「きっとこの人は大丈夫だろうな」と感じる人は、あらゆる場所に「隙間」がたくさんあると信じている人です。つまり、「なんとかなる」と心から思っている。

「隙間」が本当にあるのかとか、どんな「隙間」なのかは「自分でコントロールできない」運なので、自分の運を向ける対象ではありません。

では、どんな人が「隙間」を潜り抜けることができるか。それは「身軽な人」です。「愚者」は風になびく軽やかな衣服をまとっています。それから、持っている荷物もとても小さい。それから、歩きやすそうな靴を履いてます。その靴は足首までしっかりと覆ってくれているので足元に危ないものが転がっていたとしても、怪我をすることはないでしょう。

頭には、真っ赤な大きい羽が付いています。羽はまるで「アンテナ」のようにも見えます。

「赤」色は「五行」では「火」です。「火」は情熱・愛情のシンボルです。赤い羽は、自分と同類の情熱をキャッチして、そちらに引っ張って行ってくれるに違いありません。

「隙間」を塞がない限り、「運」は動き続けます。「これだダメだったら・・・もうダメだ」と思い込んでしまうのはたくさんの「隙間」の存在を認識しようとしない気持ちが強いから。もしかしたら、「隙間」はとても小さくて狭いかもしれないので、とにかく身軽にいること。それから小さな「隙間」でもとりあえずくぐってみること。これが大事なポイントなのかもしれないですね。

どんな小さな「隙間」も見逃さず、情熱に導かれて、入り込んでいく行動力がある限り、きっとそのうちに何とかなるんだろうなと思うのです。