運気を整える方法:「外」と「内」のバランスを取ろう:「心身一如」それは運も同じです
「運気を上げていこう!」
せっかくそう決意しても、運気は目には見えないもので、形もないので、何をどうしたらいいのかわからないままに、時が過ぎていきます。
一般的には、「運気が上がる」のは、やることなす事上手くいき、気持ちもアゲアゲで行動できる時だと考えられていまよね。
でも、それはちょっと間違いなんです。
「上がる」のは、良いも悪いも全て上がります。
例えば、仕事運が上がると、忙しくなります。
次々に仕事が舞い込んで来て、休み暇もなくなります。
そうすると、身体は疲れて来るし、楽しく遊ぶ時間が取れなくなって、「プライベート」がどんどん「仕事」に侵食されていき、気が付けば、仕事だけ・・・・。
日々奔走しながら、「いつまでこんな事をやらなくてはいけないんだろう・・・」と、ふっと孤独感を感じてしまいます。
また、運気が上がる時の特徴として、「ご縁」も広がっていきます。
素敵な「ご縁」も広がる一方で、面倒な「ご縁」も同じ様に広がります。
なので、面倒な「ご縁」を切らないといけなくなって、そこにも時間と力を注ぎ込む事になっていきます。
もしも、切る「ご縁」を間違ってしまうと、面倒な「ご縁」ばかりが増えていき、大変な事になってしまいます。
本当の意味での運気が上がる状態とは、自分の気の力が試されるタイミングです。なので、「心身共に健康」でなければ、上昇気流には乗れません。
強いて言うならば、上昇気流は上がっているので、自分の内面も上昇気流と同じペースで上がっていく必要があります。
外と内の両方が上がってこそ、「バランスが取れている」状態だと言えるのです。
東洋思想では、心と身体は一つであると考えます。(心身一如)
心も身体も切っても切り離せない存在で、どちらか片方の状態が悪くなってしまうと、もう片方も同じ様に悪くなってしまうのです。
「健康」な状態を保つためには、心に対しても身体に対しても、気を配っていかなくてはいけないのです。
生命活動を維持するために必要な物質は、「気」「血」「津液」「精」の4つの「物質」だと考えられています。
これらは、「気」が「陽」で、残りの3つが「陰」と分類されます。
「気」とは、生体の機能を司るものです。
気の働きには、次の5つがあります。
・推動作用・・・推し動かす作用
・温煦作用・・・温め熱を生む作用
・防御作用・・・外邪の侵入を防ぐ作用
・固摂作用・・・固める作用 漏れ出るのを調整する作用
・気化作用・・・物質の変化を促す作用 代謝作用
「陽」は、外向きに巡ります。そして、外のものに影響を直接与えます。
推動作用によって、外のものを動かして移動させていくことができます。人の心を動かして、行動変容を起こさせていけるのも、この作用のお陰です。
温煦作用によって、広げていくことができます。暗闇を明るく照らして周囲を暖めていく炎をイメージしてみてください。熱い思いが周囲に広がっていくのは、この作用のお陰です。
防御作用によって、戦うことができます。守るために戦います。病邪の攻撃を受けても、負けずにいられるから体調を維持していけます。また、メンタルも保つことができます。
固摂作用によって、「大量出血」を止めることができます。大事な血(栄養)は、しっかりと自分の中に留めておかなくては。穴の開いたバケツでは困ります。
最後の気化作用は、ちょっと面白い作用です。と言うのも「想定外」の力を生み出すからです。計画通りにはならないので、蓋を開けるまで何が出てくるかはお楽しみ。だから、「取り扱い注意」でもあります。もうダメだ・・・と諦めかけていた瞬間に、考えられない様なアイデアを思い付いたり、自分でも驚くような行動を起こすなど、「ピンチをチャンス」にするきっかけを、生み出してくれる作用です。
自分の気を上げていくならば、これらの作用のバージョンアップが求められます。自分の気を上げるとは、すなわち自分の運気を上げることです。
どれが欠けてもバランスが悪くなります。
欠けているところは補強して、多すぎるところは抑え気味にして、どの様に動けば良いのかをシュミレーションしてみましょう。
ただし、気化作用だけは、コントロール不能なので、当てにはしないでいきましょう。
「棚からぼた餅」は、やってこなければ、どんな「ぼた餅」か分かりません。
「血」「津液」「精」は、「陰」です。
「陰」とは、内向きに巡ります。内を動かしていくとも言えます。
受容する、密度が濃くなる、充実する、授かる、熟考する、熟成する、深まっていく、満ちていく、満足する、など。
それは外側から確認することができません。
なので、自分で感じるしかありません。そして、それは、人によっても違います。
つまり、「陰」を意識していくのは、自分をより自分らくし磨いていくことでもあります。
「血」は、血液のことです。(血管内にある水分)
血液は、体に栄養を行きわたらせてくれます。熱い血潮が巡ると、体温も上がります。それから、滋潤作用(潤いを与え乾燥を防ぐ)もあります。
豊かな「血」が巡っている身体は、適度な「熱」を保ちます。
その「熱」は、運気の「熱量」となり、周囲に広がっていく作用となります。
あまりにも「血」が多すぎてしまうと、「血圧」が上がってしまい、運気の熱も上がりすぎて「熱すぎる人」と敬遠されてしまうので気をつけましょう。
「津液」は「陰液」とも言われます。
体内にある血液以外の水分(血管外にある水分・組織を潤している)を指します。「血」と違うのは、熱量がないことです。滋潤作用で、身体の隅々に渡って、潤いを与え、乾燥から守ってくれます。
「血」と「津液」とのバランスが取れていると、「適度な温度」を保ち、「適度な潤い」が維持できます。
ここで、なぜ乾燥しすぎるのが悪いのかと疑問が浮かんできますよね。
湿っている状態は、周囲との境目に「水分」が存在している状態です。「水分」は溶けて一体化する特徴があります。
なので、周囲との間に「水分」があると、橋渡し役となって、外からのものを取り込み、また、内からのものを外に手渡すことができるのです。
気持ちが潤っていると、人の気持ちに共感できるし、人に対しても自分の気持ちを伝えていけるのです。
だから、潤いはとても大事ですね。
「精」は、生まれた時から持っている「精」と、食物からいただく「精」があります。食物からもらう「精」は、脾胃で吸収した栄養分の中に含まれていて、自分に必要な食物を選択して摂ると、十分に満たすことができます。
食物から受け取る「精」は、生まれた時から持っている「精」が、使い過ぎないように見張っています。
例えば、すごくストレスが溜まってしまい、疲れた時には、食べるとすぐにエネルギーに変わってくれる物を食べたくなります。甘いもの、カロリーが高いものなどを、つい食べすぎてしまうのは、持っている「精」が足りなくなっては困るから、過剰に補おうとするからです。
「陰」をバージョンアップするには
血液循環がスムーズであること(血行が良好)
皮膚や臓器が潤っていること(艶のある肌や髪 排便がスムーズ)
適切に食事を摂ること(規則正しい食生活 食欲が安定している)
これらの「陽」と「陰」のバランスが取れている場合は「健康」であると考えます。
なので、自動的に、運気も整っていて良い状態となりますね。
バランスが崩れる原因としては、3つの原因があると考えられています。
・外邪・・風邪・寒邪・暑邪・湿邪・燥邪・熱邪(外から受ける影響)
・内因・・体質・七情(喜・怒・思・悲・憂・恐・驚)
・不内外因・食生活の乱れ 睡眠の乱れ 過度な労働(生活の乱れ)怪我
外からの影響(外邪)は、内が対応できる以上のものは「邪気」となり、マイナスの作用を及ぼしてしまうと考えます。
ここで大事なのは、「バランス」です。
つまり、「熱い人」からの影響は、自分が対応できる範囲であれば、運気を動かしてくれるのですが、自分が燃えてしまうほどの圧で来られたら、それは「邪気」となってしまうのです。
なので、良いか悪いかは、自分次第となるのです。
体質や感情(内因)は、自分でコントロール可能です。
体調を整えることは内因を整えていることです。また、運の良い人は自分の機嫌がとれる人と言われているのも、内因を整えることをやっているからです。
それ以外の要因(不内外因)も、ほとんどは自分でコントロール可能ですね。整えるための情報収集や、知識を深めていくのも、不内外因を整えることに繋がっていきます。
なので、謙虚な気持ちで、周囲の意見も取り入れながら、向上心や好奇心を持って、新しいことに挑戦するのも、「陰」を整えてバージョンアップする方法としては、とても適していますね。
運気を上げるのは、決して特別な方法を試さなくてはいけないわけではありません。
特別な方法は、むしろ自然ではないので、巡りにとっては、過剰な刺激となる可能性もあると思っています。
もしも、自分の運気が下がっていると感じていて、でも、どうしたら良いのか何も思いつかないし、新しいことを始める元気も勇気もないと思っているとしたら
朝起きて、思いっきり背伸びをして全身を伸ばしてみる
面倒だからとシャワーで済ませずに、たまにはお風呂にゆっくりと入ってみる
それが面倒だったら、近くの温泉に出かけてみる
部屋の換気に気をつけたり、明るい日差しを遮っている家具を移動して部屋を明るくしてみる
などなど
思い付く限り、やってみると良いですね。
特に「陰」を意識してみる方が、より効果的だと思います。
「陰」をバージョンアップするほどに、充実して満ち足りた気分になっていくはずです。
毎日が「転換期」
だからきっと大丈夫ですね。