身体は食べたものでできている。心は食べたいものを選んでいる:「スープ」の勧め:「土用」の過ごし方
家で作る「ご飯」と、お店で提供される「ご飯」は違います。
おうちご飯は、家族のために作ったご飯で
ありあわせの食材を使ったり、家族の健康を考えて味付けを変えたり
臨機応変に変わるご飯です。
お店で提供される「ご飯」は、プロの作るご飯です。
食材や、味に関して、どんな状況でも「プロ基準」があり
なので、臨機応変ではありません。
それは「作品」としての完成したもので
例えば、食材の「質」が変わったとしても、食する人が変わったとしても、季節が変わったとしても、常に一定の「基準」が全く変わることがありません。
いつも同じ味であることは、とても難しいこと
久しぶりに食べる「ご飯」が「いつもの味」であり続けるのは、知識と経験と、失敗と成功と、技と努力と・・・他にも必要なことがたくさんあって
だから職人さんとして、仕事をしている人は、常に「修行中」
「美味しいお店」はいつまでも「美味しいお店」として存在してもらえるのは、とてもありがたいことだと思っています。
宇部市内にある隠れ家的バー『bar ran-tan』は、東京でバーテンダーの修行をされた女性が、一人で切り盛りされているお店です。
この度、「テイクアウト」を始められました。
身体は、食べたものでできている
これは、巷で良く言われていること
そして、実は
もっと大切なことがあるんです。
『心は食べたいと思うものを選ぶ』
心がトゲトゲして毛羽立っている時には
トゲトゲを取り除いてくれる、パンチのあるものを(瀉)
心がシュンとしぼんでいる時には
しぼんだ心に熱を補ってくれる、染み込むものを(補)
心が選んで、陰陽のバランスを取ろうとします。
特に、ストレスが大きく心を圧迫して、しょんぼりしてしまった時には、「思」が胃腸を圧迫し、動きが悪くなり、そして、消化する「気」が消耗し・・・・食べたものの消化吸収率が下がります。
そんな時のレスキューご飯は「スープ」です。
時間をかけて
心を込めて
ことこと火にかけて
じっくりと煮込んだスープは、しぼんだ心には「適材ご飯」です。
で、嬉しいこと『bar ran-tan』さんでは、薬膳スープのテイクアウトもあります。
じっくりと火を入れて煮込んだ薬膳スープに
さらに
熱々で提供したいと
私の顔を見て、再び火を入れて
いただいたスープは
優しい灯火のような
火の気が溢れていて
心も体もほっこり温かくなれるスープでした。
ごちそうさまでした。
心の「余力」がある時には、「瀉」なのか「補」なのか
冷静に判断することができます。
でも、あまりにも密度の濃い「不安」に飲み込まれてしまい
心の「余力」が力尽きそうになったら・・・
生きるために必要な、とりあえず、すぐに「カロリー」として投入できる「ご飯」を、いつ食べられなくなるかもしれないから、食べられるうちに、とにかくお腹に入りだけ詰め込もうと、心が焦り始めます。
そうなると、やたらジャンクフードに手が伸びて、食べても食べても、まだ食べたい・・・「手当たり次第ため込むサイクル」が発動します。
過度に食べないダイエットをして、ある時突然食べ始め、止まらなくなって、リバウンドどころか、もっと体重が増えてしまうのは、恐怖のサイクルが発動したためです。
そんな時は、心が空っぽになってしまったので
「補」の出番です。
温かいスープをお腹に入れると、きっと心が安心して落ち着きますよ。
「おこもり食事」に、具沢山スープは、おすすめです。
今日から18日間、暦は「土用」に入りました。
2020年5月5日には「立夏」
まだ少し、肌寒い日もありますが、暦は「春」から「夏」に移動を開始したのです。
この時期は、「行きつ戻りつ」の気が巡ります。
春から夏に向かって
のんびりと、ゆらゆらと、ゆっくりと、揺らぎます。
なので、人も
のんびりと、ゆらゆらと、ゆっくりと、揺らぎます。
というか、揺らいだ方が、「お得」です。
それは、全ての「気」を味方につける「行動」だからです。
自分のエネルギーの「器」も、いっぱいになって溢れたしまったり
空っぽになって疲れが出やすくなってしまったり。
感情が溢れ出る時には、水に流してしまう。
感情が動かせなくなった時には、温かいスープを。
「土用」のおすすめの過ごし方です。