気の巡りの「目詰まり」を解消して行こう:「漏星」について
紅葉の盛りを過ぎると、落ち葉が美しい頃になります。
葉が落ちてしまうのは、冬の準備のために、木からの栄養供給が絶たれてしまい、葉が枯れてしまうからだそうです。
地面に落ちた葉は、枯れてしまっている様には見えないくらい美しいし、役目を終えて、次へとバトンを手渡す潔さも感じます。
物事が極まり、その勢いが、そのまま次の段階に移っていく。
五行の巡りでは、一つ先に進む流れの先にある五行を「漏星」と言います。
「木」の勢いが増すと「火」へと気が漏れ出す
「火」の勢いが増すと「土」へと気が漏れ出す
「土」の勢いが増すと「金」へと気が漏れ出す
「金」の勢いが増すと「水」へと勢いが漏れ出す
「水」の勢いが増すと「木」へと勢いが漏れ出す
漏れ出す気を止めてしまうのは、気の巡りを遮断してしまうこと。
漏れ出すことで、「その先」へと気が巡っていきながら、もっと先へと繋がってきます。
その巡りが「ポジティブサイクル」である場合、そのまま進むと大丈夫。
「もっと先」もポジティブに繋がっているから。
そうではない場合は、漏れ出す気を調整していくと、いくらでも軌道修正できます。
大きな目標を達成している人は、「目の前の事」に向き合って取り組んでいて、遠い先の事はあまり考えていない人です。
これも、漏れ出す気を意識しながら、軌道修正している行動だと思います。
それでは「ポジティブサイクル」の場合について書いてみますね。
第1段階:「木」→「火」
好奇心から生まれた目標のために行動する(木)
この状態が極まっていくと
胸がワクワクして楽しくなる(火)
第2段階:「火」→「土」
いつも笑顔でいるから、皆んなが楽しそうねと言ってくれる「火」
結果、人から応援してもらえたり、信頼してもらえる。
この状態が極まってくると
周囲のゴタゴタが気にならず集中して取り組めるようになる「土」
第3段階:「土」→「金」
応援してくれる人たちへ感謝の気持ちが芽生える「土」
仲間との一体感が芽生える
この状態が極まってくると
仲間との交流から新たなアイデアが生まれる「金」
第4段階:「金」→「水」
アイデアが研ぎ澄まされていき個性が輝く「金」
この状態が極まってくると
より良くしていくために思考を深めていく「水」
第5段階:「水」→「木」
思考を深めることで知識が深くなる「水」
知識が深まると、賢明な判断力が身に付く
この状態が極まってくると
的確な状況判断ができ、より発展するために必要な新たな方向性(課題)が見えてくる「木」
このサイクルは、螺旋階段のように、ぐるぐると上がっていきます。
第1段階「木」→「火」のチェックポイントとしては、「楽しい」かどうか。
胸がワクワクしてくる様な、楽しさを感じられないのは、「火」へスムーズに移行できていないことです。
つまり、目詰まり状態。
なので、楽しくなければ軌道修正。
第2段階「火」→「土」のチェックポイントとしては、「集中」できているかどうか。
周囲の意見に振り回されてしまい、自分で決断できないと、「集中力」が固まりません。自分の中心に「軸」が通っていなければ「土」へは移行できないのです。
つまり目詰まり状態。
なので、覚悟を決める。
第3段階「土」→「金」のチェックポイントとしては、「交流」できているかどうか。
良好な関係が築けている場合、お互いの「違い」を認識できていて、それを認め合ってるからです。
「違い」が認識できなければ、言いなりになってしまいます。
相手をコントロールしようとする気持ちが強くなってしまうのは、認め合えないから。
明確な「境界線」ができないと、「金」へと移行できません。
つまり、目詰まり状態。
なので、異なる意見にも耳を傾ける。
ただし、言いなりにはならないで。
第4段階「金」→「水」のチェックポイントとしては、「学び」があるかどうか。
「違い」を認めるには、「違い」の真理を理解しなくてはいけません。
その為に必要となる先人の知恵や経験から得る「ヒント」を得る方法は「学び」です。
自分の考えだけに凝り固まってしまうと、「水」への移行ができません。
つまり目詰まり状態。
なので、真理を学ぶ。
第5段階「水」→「木」のチェックポンととしては、「動機」があるかどうか。
「学び」を実践するためには、「なぜそれをするのか?」がはっきり定まっていないと、方向がぐらぐらと揺れてしまいます。
明確な「動機」は、「課題」がはっきりと見えているから生まれます。
うやむやでは、水が四方八方に流れていくだけ。道筋を決めないと「木」へと移行していきません。
この巡りは目詰まり状態ではなくて、「分散」と言った方がピッタリかもしれませんね。
それぞれの段階の調整の中で、一番難しいのは「第5段階」かもしれません。
大きな「水瓶」から、たった一杯の「水」だけを自分の器に入れて、心から満足できるかどうか試されるからです。
たくさんの豊かな水が入っていると、つい「もう一杯欲しいな」と欲張ってしまう。
他の人の器が大きく立派に見えてしまったりもする。
あまりにたくさんの「選択肢」や「情報」に埋もれてしまうと、選べない。決められない。迷うだけで疲れてしまう。
黄色に輝くイチョウの葉が、豪快に散り落ちる様子を見ていると、「終わりの美しさ」を感じます。
イチョウを眺めていると、もう一度「課題」に向き合ってみようかなと思えてきました。