本当の「明堂」を探し続ける旅の道が「明堂」なのかも知れない:「風水師・王の運命を決めた男」:「運気」を感じるおすすめの映画
人の「欲望」にはキリがなく
それは塩水を飲む様に
飲めば飲むほどに、欲しくなり
やがて、「欲望」に支配されていく。
それが、「人間ドラマ」であって、その「物語」を題材とした、小説や、映画、ドラマに魅了されるのは、心の奥底に潜んだ「ブラックなわたし」と共鳴するから。
その「欲望」をなんとか果たそうと、昔の権力者は「占い」を使っていたと言われています。
韓国映画でも、王室絡みの物語には、「易」や「風水」がよく登場し、「運気」に振り回される様に、ヤキモキしたり、モヤモヤしたり、ハラハラドキドキして、目が離せなくなります。
『風水師 王の運命を決めた男』は2019年に公開された映画です。
土地や水脈の形状を見るだけで、人々に「良い運」を与える影響を持つ土地を見分けることができる天才風水師パク・ジェサンの物語です。
「風水」は「環境学」です。
元々は、「土地」を整え、そこに暮らす「国」「一族」の発展を目指したものです。
特に大切にされたのが、家長の墓を建立する「土地」です。
「明堂」と言われる場所に、墓を立てると、その子孫は「天子」となり、天下をとることができるとされていました。
なので、少しでも力がある「明堂」を探すことができるかが、その一族にとっては「死活問題」であり、「王権」をとるか、継続できるか、それは「明堂」にかかっていると考えられていました。
この映画は、その「墓の土地」を巡っての、騙し合いや陰謀や、策略や陰謀・・・・そこまでしなくても・・・と思うほどの「争い」の物語です。
「明堂」にもランクがあって、地上にある最も格上の「明堂」は「2代天子の地」と呼ばれ、「2代は安泰」。で、3代目からは、また「明堂」を探して、次々に一族の「墓」の土地の奪い合いが続くのです。
それはもう、親であろうが、兄弟であろうが、幼なじみであろうが、愛する人であろうが、お構いなしに、「明堂」を奪うためには、容赦なく切り捨てたり、殺害していきます。
何もそこまでしなくても・・・・
と思いながらも、人の「運」に対する「強欲さ」は、どこか人事には思えずに、物語に引き込まれていくのです。
その「強欲」の渦に飲まれて、パク・ジェサンの運命も大きく狂わされていき、それでも、「風水師」として、人々の「開運」のために、職を全うしていきます。
どうして、職を全うすることが出来たのかと言うと、彼には「信念」がありました。
「(良い土地とは)人を埋める地ではなく、人を生かす地である。世の救いとなる素晴らしい地、そういう地を探したい」
これが、彼の「信念」です。
そして、これが彼の「風水師」としてのプライドです。
暦を用いた東洋易学のベースは、「勝つ」ためであり、それは、他の一族を滅ぼすことでもあり、一族存続のために、永遠に、家系を変わらずに続けて維持することが「目標」とされてきました。
なので、女性があまり強い「運」を持っていると、夫を踏みつけてダメにしてしまうからと、忌み嫌われていたり、男性が弱い「運」の命式の場合は、何をやっても大成しない「残念な人」とされてしまいました。
「時代」がそういう「時代」だったのです。
大きくすること
発展すること
一番になること
そして、それを「永遠」に保ち続けること
それを皆んなが求めていた
そんな「時代」です。
それは、心の奥底に、「全てのものは、力さえあればコントロールできるに違いない」と、「陽」の景色だけを追い求め、「陽だけ」の景色を望んで夢見ていたのかもしれません。
頑張ったら頑張っただけの「ご褒美」が必ずもらえるし
頑張らない人が、うっかりちゃっかり「ご褒美」をもらうなんて、そんなことは許されない。
こんなにも頑張っているのに、これっぽちの「ご褒美」しかないのに、頑張っていないあなたが、そんなにたくさんの「ご褒美」をもらうなんて、おかしい。
それが「陽だけ」の景色です。
「陽」は「対外的」な景色です。
なので、評価基準が「外」との比較。
占いの「解釈」が、今までの「当たり前」が通用しなくなってきたと感じています。
「今月のあなた、外に出て、たくさんの人との縁を広げましょう」
とか言っても、外に出れない・・・。
「今年のあなたは上昇気流にのっていける運気ですよ」
とか言っても、家の中で上昇してもたかが知れている・・・。
世の中の「気」の流れが
気の巡りのベクトルが、「陽」から「陰」にくるっと変わってしまったのかも。
そんな気がしています。
なので、暦の解釈も、「逆」に観る解釈が求められているのかも知れません。
でも、目指すゴールは同じです。
最終的に、「まん丸笑顔」になれたら、それが「運が良い」ということ。
明日はどうなるなんて、誰にも全くわからないけど
それでも、「明日は良い事あるかも知れないな」と。
だから、「明日の準備を今日のうちにしておこう」と。
「暦」を知ることで、そんな風に感じていただきたいと思っています。
パク・ジェサンのセリフが、ずしんと重く感じています。
「占いジャンル」の韓国映画では
「観相師」
「ときめきプリンセス婚活記」
も、おすすめです。
「運気」だけに振り回される様がどういうことなのか、面白く、深く、興味深く、感じていただけると思います。
まん丸笑顔が可愛いパンは、
近所のパン屋さんの新作です。
これは、アンパンマンではなく
チョコパンマン。
甘いチョコクリームが、たっぷり詰まっていましたよ。