最高の2人はクールな大人の関係:「火」と「水」
国指定名勝「毛利氏庭園」は、山口県防府市の市街地にあります。
旧長州藩公爵毛利家の本邸だったこの場所を、手間をかけ、手を入れて、美しい状態を保ち続けています。
梅、桜、藤、サツキ、花菖蒲、そして紅葉が、それぞれの季節ごとに、美しい庭園により一層美しさを増す「演出」をしてくれます。
今は、「演出」がお休み期間ではありますが、それでも、最高の手間を変えられている庭園の凛とした美しさに触れると、身が引き締まるような感覚を覚えます。
この建物は「旧毛利家本邸」です。
博物館に役割を変えて、今でも「活躍」中。
毛利家に伝来する美術工芸品や資料など、およそ2万点が展示されています。
木の根も、計算されているかのように、美しい形を形成して伸びています。
思わず「あっぱれ!!!」と言いたくなるほどに、美しく整えられていますね。
素晴らしい職人技。
番号を付けて、しっかりと管理されています。
全ての木を、大切に管理されています。
人が作ったと感じさせないほど、自然豊かな小川。
透き通った水が、絶えず流れています。
とっても大きい松の木には、とっても大きい若い松ぼっくりがくっついていました。
以前、ネットで見かけた「松ぼっくりジャム」が頭に浮かんできました。
ロシアでは、良く食べられているそうで、若い松ぼっくりを、お砂糖と一緒に煮込んで作るそうです。
残念ながら、私は、見たことも食べたこともありません。
この木はとても大きいから、かなり高い脚立がないと収穫できないな・・・と妄想が膨らんできました。笑
庭園は、人の手によって作られた「擬似自然」ですが、まるで既にそこにあったかのよう。
本当の自然のように感じます。
木は木らしく伸びているし、水も水らしく流れています。
人の都合の良い形に整えると同時に、整えてはいけない「結界」は、決して越えずに、お互いに良い距離感を保っているのでしょう。
四柱推命の鑑定で行う五行の調整の中で、「これだけは要注意」と慎重に取り扱う五行があります。
それは、「火」と「水」の調整です。
通常は、強過ぎる五行を抑える為には「相剋」関係を利用します。
「火」と「水」の関係は、まさに「相剋」になりますが、不注意に用いてしまうと「危ない」と考えます。
燃え盛る「火」の中に「水」を注ぐと、「水」が熱い水蒸気となり辺り一面に広がって、かえって熱さを強めてしまうのです。
これを「水火激冲」と言い、この場合は「水」ではなくて「金」を用いて、「火」を鎮静化します。
特に「丁」が強められている時には、気をつけなくてはいけません。
なぜなら「丁」は陰干支で、景色は「炎」だからです。
そんな「危ない関係」かと思いきや、実は「最高の2人」でもあるんですよ。
「丙」と「壬」が合わさると、「最も美しい景色」になると考えます。
「丙」は太陽。そして、「壬」は大海原。
大海原に太陽の光が差し込み、水面がキラキラと光り輝く景色になると考えます。
これを「水火既済」と言います。
太陽は、決して海には飛び込みません。
海は、決して太陽に水を注ぎ込みません。
お互いに、距離を保ち、相手の中には踏み込まずに、相手の力を奪う事なく共存します。
まさに、クールな大人の関係と言えますね。
「2人の関係」が上手くいかない時は、「距離感」を分析してみると良い解決策が見つかるかもしれませんね。