命式の「偏り」は、その人の大事な「個性」です:日柱干支「土」の場合の「偏り」パターン5種
「命式」は、「種」のようなものです。
それは「素材」なので、扱い方によっては、美しい花が咲いたり、美味しい実を結び、そして、再び「種」を作って次へとバトンを渡します。
つまり、「命式」だけで「事が起こる」のではありません。
「命式」を使って「事と向き合う」ような感じなのです。
だから、「命式」については、良いとか悪いとかでは解釈をしない方が良いし、私はそのようには考えません。
「安定した命式」は、「安定した人生」が送れるわけではなく、「安定した状況」の方が生きやすいと自分が感じます。
「偏った命式」は、「偏った人生」ではなくて、「偏り」や「ユニーク」に惹かれて導かれて、結果として「面白い人生」を送っていく方向へと進みやすくなっていきます。
ただし、人の運を「100」とした場合、「命式」が占めるのは「20」です。その他の「80」は、大運や、環境や、季節や、食べ物や、色や、職業や、行動や、他人や、様々なものです。
と言うことは、「安定した命式」を持っている人でも、残りの「80」から、「偏った」刺激を受けた場合、「偏り」に引っ張られていきます。
魔がさした
そんな状況は、気の「偏り」から生まれます。
それは決して「ネガティブ」だけではなく、想定外の「ポジティブ」へと繋がっていく可能性もあるので、「偏り」を楽しむ「余裕」と、揺らぐための「隙間」を常に持っていたいですね。
日柱干支が「土」の人は、動じない大地や山のような人です。
だから、一度決めたら堂々として、貫く力が素晴らしいのです。
「土」は、種を包み込んで、種の成長を助けます。
そして、成長した植物は、やがて枯れると「土」に戻っていき、「土」は戻ってきた植物をそのまま受け入れて、飲み込みます。
そのため、「土」が目立つ命式を持っている人は、「育成」に関わる仕事に就いたり、家族思いの人が多いです。
それでは、そんな「土」が日柱干支の人で、「偏り」が強い場合について、書いてみようと思います。
※日柱干支「木」の場合の「偏り」についてはこちらをご覧ください
※日柱干支「火」の場合の「偏り」についてはこちらをご覧ください
※日柱干支「金」の場合の「偏り」についてはこちらをご覧ください
※日柱干支「水」の場合の「偏り」についてはこちらをご覧ください
<日柱干支が「土」の場合の偏った命式5種類>
1)強土(きょうど)
文字通り「土」が強過ぎる場合は、カチカチの固い「土」が、まるで岩盤のようになっている景色となります。
なので、何事にも動じない安定感が強すぎます。つまり、とても頑固になり、動けなくなり、優柔不断を通り越して、気の流れが目詰まりを起こしてしまいます。
「土」が固まった時には、まず「木」を用います。根を張ることで「土」をほぐしていくと考えます。
そして、「木」が安定して根を伸ばせるように、「水」を補い「木」に力を与えます。
ただし、この方法が効果を出せるのは、「干支」が「土」に偏った場合です。
十二支が「土」に偏り過ぎている場合は、大地の表面ではなくて、根本から奥底で固まっている状態と考えます。
つまり、「外」からでは歯が立たず、「内」から崩していく方法をとるのです。
それには、「土」が力を自ら外に漏れ出すように仕向けます。つまり、「金」の子供を育てさせるのです。
「金」を用いて「土」の力を漏れ出させ、「土」そのものの力を減らしていきます。そして、カラカラに乾いている「土」に、「水」を用いて、潤いを与えます。
「干支」と「十二支」では、なぜこの様に対応方法が違うのでしょうか。
それは、「干支」と「十二支」が示している「景色」の違いによります。
「干支」は、外側の景色で、誰しも同じように認識できるものです。例えば、「土」の「干支」の「戊」は「大きい山」です。思い浮かべる「大きい山」は、少しくらいの違いがあっても、皆んな同じように「大きい山」を思い浮かべることができるし、間違えて「川」を思うことはありません。
一方、「十二支」は、内側の景色です。内側は感情や雰囲気など、人によって、立場によって、性別や年齢や育った環境によって捉え方が変わります。
例えば、今年の十二支の「丑」は、寒い冬から春に向かう頃を示します。人によっては、雪解けの柔らかくなっていく大地を思い浮かべるでしょうし、また、氷が溶けてきらきら輝く地面を思い浮かべるかもしれません。
もしかしたら、ニョキニョキと山の幸が芽吹くのを思い浮かべるかもしれません。
つまり、「心の内」の景色も「十二支」は示します。
と言うことは、強過ぎる「十二支」は、「頑なになって閉ざした心の内」だと言えます。
だから、調整方法としては、塊をほぐしていくことから始めるのです。
これは、他の五行の偏りでも同じく言えるので、そこも意識をして調整してみてくださいね。
2)変土(へんど)
「金」が強過ぎてしまうと、「土」が漏れ出してスカスカになってします。なので「土」が疲れている状態と言えます。
こうなると、動じない大地が、脆くて崩れやすくなってしまいます。
なので、「土」を充実させてあげなくてはいけません。
それには「火」の出番ですね。なぜなら「火」は「土」のお母さんだからです。「火」には「丙・陽」と「丁・陰」がありますが、この場合「丁」が有効)を用いましょう。
太陽の「丙」ではなくて、炎の「丁」の方が役に立つからです。なぜなら多過ぎる「金」を溶かしてくれるからです。熱い炎で「金」を溶かして力を弱めてあげます。
もしも、物足りなく感じるか、もっと充実させたいのであれば、その上で「土」を補います。
3)流土(りゅうど)
「水」が強過ぎてしまい、「土」を押し流している状態です。
大量の水が、山から溢れて流れてくる景色です。または、大地が水に浸かってしまい、作物が育たない状態です。
「水」を弱める方法として、「木」に吸い取ってもらう場合もありますが、「土」と「水」では残念ながら通用しません。
水浸しで地盤が緩んだ大地には、木は根を張れず、しかも流されてしまいます。
土嚢を積み上げる、丈夫な堤防を作る、川が流れる道を作るなど、「土」で対処します。
つまり、「土」を用いて「水」を堰き止めるのです。
「土」がもっと元気になるように、「火」のお母さんに来てもらったらどう?と考えたくもなりますが、それはちょっとまずい事になるんです。
多過ぎる「水」の中に、いきなり「火」を用いると、「水火激沖」となり気が非常に乱れてしまうと考えます。
なので「土」だけで頑張りましょう。
4)傾土(けいど)
「木」が強過ぎて「土」の力が奪われて疲れている状態です。
土の中は、木の根っこだらけになって非常に脆くなります。しかも、木が土の養分を吸い取っていくので、土がスカスカになっていきます。
この場合は、多過ぎる「木」を除いていかなくてはいけません。
「焼畑農法」を使うのです。つまり「火」。特に「丁」が有効です。
「木」を燃やし「土」を生み出します。
5)焦土(しょうど)
「火」が強過ぎて、大地が燃え盛っている状態です。熱過ぎる大地には、木は育たないし、水も沸騰して蒸発していきます。
「火」を抑えるのは、なんと言っても「金」です。
安心安全に使えるのは、「金」になります。
なので、まず「金」を用いて「火」を鎮めていきます。
そして、その上で必要な「水」を補い「土」を潤していくことで、豊かな自然が育つ大地へと変えていきます。
くれぐれも、いきなり「水」を用いないこと。「水火激冲」となってしまいます。
日柱干支が「土」を持っている人で、「最近調子が悪い・・・・」と感じる場合は、巡って来た運気や、周囲の人の持っている気からの影響を受けて、五つの「偏り」のどれかに一時的になっているかもしれませんね。
なんとなく感じる「景色」が、どれに当てはまっているか想像して、対応策を練ってみてくださいね。
「偏り」時は、気の巡りが偏っています。
そんな時は、グイッと勢いをつけるチャンスなんですよ!
参考にしてみてくださいね。