十干同士の組み合わせで起こる「想定外」の景色:「威制の合」「淫泆の合」「無情の合」
十干同士がくっつくことで、「想定外」の五行に変化することを「干合する」と言います。
この組み合わせは5種類あります。
前回の記事で、二つご紹介したので、今回は残りの3つについてご紹介したいと思います。
3つ目は「丙」と「辛」
この組み合わせは、「水」に変化します。
『威厳あれど偏屈』(威制の合)と呼ばれています。
成立の条件としては
①相性判断の場合
・命式に「水」が強い場合
②命式の場合
・月支が「金」または「水」
・命式内に他に干合する十干がない
・「水」を剋する「土」がない
「辛」の「金」が、「丙」の「火」の熱で溶かされていきます。そして、固さがゆるんでいきます。固さが特徴の「金」は、決してその形状を変えることはしないのですが、緩むことで、外から力が加わると、グニャリと形を変えるのです。
それは「水」の特徴です。
つまり、まるで「水」の様に形状を柔軟に変化させることができるようになると考えます。
熱い情熱のままに行動する「火」するのではなく、冷静に判断する「金」ことで、賢明な知恵「水」が生まれる、というわけです。
相性判断の場合は
「丙」の人は「壬」となる。
熱いだけでなく、クールさも秘めた魅力的な人に変身します。感情だけでグイグイ進ノアではなく、周囲の状況を鑑みて、対応を柔軟に変えることができるようになるかも。
「辛」の人は「癸」となる。
非常に強いこだわりが、ふっと緩みます。
未知の領域の「新しい想像」は、緩みの「狭間」から突然湧いてきます。
ユニークなアイデアを生み出せて、より個性が煌めきそう。
4番目は、「丁」と「壬」です。
この組み合わせは「木」に変化します。
『情にもろく柔弱』(「の合)と言われています。
成立の条件としては
①相性判断の場合
・命式に「木」が強い場合
②命式の場合
・月支が「水」または「木」
・命式内に他に干合する十干がない
・「木」を剋する「金」がない
燃えている炎が、水によって消されてしまいます。「火」が鎮火することで、「木」はこれ以上、燃えてしまう心配がなくなります。
なので「木」は安心して、勢いを増していきます。
尚且つ「水」が注がれて「木」が力を授かります。
ますます大きく成長できます。
広がり過ぎて方向性がわからなくなった「火」が、「水」に抑えられて、いったん鎮火することで、「木」が太陽に向かって伸びゆくように、目指す方向が定まります。
相性判断の場合は
「丁」の人は「乙」となります。
あれこれ動くのではなく、方向性が明確になる。
「陰」なので、周囲の状況を見極める視点が的確になる感じだと思います。
「壬」の人は「甲」となります。
こちらも、方向性が明確になる。
「陽」なので、目標に向かって、集中して動ける感じだと思います。
最後に5番目、「戊」と「癸」
この組み合わせは、「火」に変化します。
『品行方正にして美麗』(無情の合)と言われています。
成立の条件としては
①相性判断の場合
・命式に「火」が強い場合
②命式の場合
・月支が「木」または「火」
・命式内に他に干合する十干がない
・「火」を剋する「水」がない
夏の熱い山肌に雨が降り注ぎます。
火」が強いと「土」の温度はとても高くなります。地面が非常に熱くなっています。
そのため、土に染み込んだ「水」も熱せられて辺りに熱い熱気が充満します。まるで「サウナ」の様な状態になります。
相性判断の場合は
「戊」の人は「丙」となります。
頑固さの中に深い愛情が燃えています。
「癸」の人は「丁」となります。
いつになく、熱く行動的になります。
「想定外」の変化は、新たな「扉」を開ける勢いを持っています。
それは予想できる勢いではないですが、だから新しい扉が開くのです。
「この人と一緒にいると、なぜか勇気が湧いてきて、出来そうな気がする!」
そんな気持ちになる人とは、もしかしたら「干合」の関係かもしれないですね。