十二支の気を紐解くと「妄想系オタク」になります:「月令を得ている」命式について:四柱推命を身近に感じて運気の流れに乗る方法
人は、生まれながらにして、持っている「運」の大きさが決まっていることを、昨日のブログで書きました。
せっかくなので、今日はそれをちょっと深掘りしてみたいと思います。
「運」の大きさと言うよりも、「運を貯める器の大きさ」が決まっていて、なので、「運を一度に持てる分量」が決まっていると言った方が、分かりやすいかもしれませんね。
「器が大きい人」は四柱推命の「専門用語」では
「身旺(みおう)の命式である」と言います。
一方で「器が小さい人」は
「身弱(みじゃく)の命式である」と言います。
「身旺の命式」とは、生まれた日の干支「日柱干支」の気の勢いが、周囲の気よりも強い場合で、自らの意見をはっきりと主張でき、周囲に頼らずとも、自分で開拓し進んで行けるタイプとなります。
要するに、周囲を当てにしない開拓者。時として、敵も作りやすくなります。
「身弱の命式」とは、その逆で、「日柱干支」の気の勢いが、周囲より弱い場合で、周囲に溶け込み、周囲を大切にして、そのため、応援を受けやすいタイプです、
要するに、周りがなんとかしてくれる人。時として、優柔不断で呆れられることも。
「命式」とは、生まれた年・生まれた月・生まれた日・生まれた時間の4つのパーツの組み合わせです。
「占い」で、あなたはこんな人ですね、と判断するには、生まれた日を観ています。
つまり、生まれた日が「自分自身」の気の景色なのです。
では、「身旺」なのか、それとも「身弱」なのかを判断するのは、具体的にどうするのかと言うと
3つの判断基準があります。
・月令を得ているかどうか
・12運の強弱
・変通星の強弱
ただし、特殊事例もあって、詳しく説明をすると、かなり長々と小難しい解釈が続くため・・・・
今回は「月令」について、書いてみたいと思います。
「月令を得る」とは、「日柱干支」の五行(木・火・土・金・水)と、「生まれた月の十二支」が宿している気が、調和している時、つまり、同類が含まれている場合、または増強する気が含まれている場合には、十二支の気のパワーをもらえるために、「日柱干支」が強められます。
このような場合、日柱干支が「根をはっている」と言ったり、「時勢を得ている」と言います。
<月令を得ている組み合わせ>
・甲・乙(木)の日柱干支の場合
亥月(11月) 子月(12月)・・・水の気(冬)
寅月(2月) 卯月(3月)・・・木の気(春)
・丙・丁(火)の日柱干支の場合
寅月(2月) 卯月(3月)・・・木の気(春)
巳月(5月) 午月(6月)・・・火の気(夏)
・戊・己(土)の日柱干支の場合
巳月(5月) 午月(6月)・・・火の気(夏)
丑月(1月)辰月(4月)未月(7月)戌月(10 月)・・土用
・庚・辛(金)の日柱干支の場合
丑月(1月)辰月(4月)未月(7月)戌月(10月)・・土用
申月(8月) 酉(9月)・・・金の気(秋)
・壬・癸(水)の日柱干支の場合
申月(8月) 酉(9月)・・・金の気(秋)
亥月(11月) 子月(12月)・・・水の気(冬)
※月に関しては、若干の「ずれ」があるために、月初めのお誕生日の方については「前月」の十二支となります。
「月令を得ている」かどうかが、「身旺」であるかどうかの、とても重要な判断基準となります。
十二支の気は、とても複雑で、五行(木・火・土・金・水)が混ざり合って存在していると考えらています。
しかも、それは、周囲の気の影響も受けます。
見えない「雰囲気」を示している十二支は、季節で想像してみるとイメージが湧きやすいかもしれませんね。
例えば、「春」
「春」の十二支は「寅」と「卯」です。
「寅」は勢いよく、様々なものが芽吹き成長する「春」です。
冬に貯めておいたエネルギーを、外に向かって放つ気。
「寅」には、「土・陽」「火・陽」「木・陽」の気が合わさっているために、グングン伸び伸び巡ります。
もう一つの「卯」は「木・陽」と「木・陰」が合わさっています。木々が芽吹き、草花が育ち、春風が吹く、新緑が眩しい春のエネルギーです。
穏やかで、心地良い春風が吹き、人々の気持ちもウキウキします。
よって、「春」からの応援を受けると言っても、「寅」なのか「卯」なのかによって、「景色」が変わります。
「寅」に応援してもらえる人は、行動力に満ち溢れた、猪突猛進タイプ。
「卯」に応援してもらえる人は、柔和で穏やか、でも気まぐれな春風のように、飽きっぽい面もあります。
「命式」を紐解く時には、このように、一つ一つの組み合わせから、想像を働かせ、イメージを「形」にしていきます。
よって、「身旺」だから、バリバリたくましく、「身弱」だから、クネクネ弱々しいとは、一言では言えなくて、それを想像し、妄想する作業が、とても奥深く、キリがなく、楽しいのです。
推命家が集まると、「命式」談義に花が咲いて何時間も話が尽きない。他の先生方の妄想の世界に触れるのも楽しい。
どの様な分野もそうかもしれませんが、推命家は、かなり「オタク」で、ユニークな人が多いです。
「鑑定」の場合は、あまりにも「妄想の世界」ばかりだと、「一体この占い師さんは、何が言いたいんだろう・・・」「結局、良いの?悪いの?」と、受ける側が混乱してしまいます。
「鑑定」で求められるのは、「答え」です。
1+1=2だから、1+2=3となる、のような感じで、「身旺」の方には、「自分でバリバリできるよ」と、「身弱」の方には、「ちゃっかりと行こう」と、まずは、言い切ります。
そして、その後で、様子をみながら、「妄想の景色」の中の、今、どこを切り取って伝えると良いのかを判断します。
なので、全部をいっぺんに伝える必要はないし、全部伝えても、記憶に残っていないと意味がありません。
「これだけは、大事に、賢く利用して欲しい」
それを、探り、見つけ出して、伝えるのが、鑑定の難しさでもあり、面白さでもあります。
そのためには、やはり、「命式」の全ての「景色」を、全体的にしっかりと感じることが大事だと思っています。
良し悪しではなく、ただ「命式」を感じる。
十二支をより深く知ることは、命式を感じる力を育ててくれると思います。
「鑑定」で伝わるために、私がいつも意識していることがあります。
それは、「ワクワクする物語を語る」こと。
決して、根拠のない「ポジティブ」ではなくて、「暦」から紐解いたものでなくてはいけません。
そのためには、コンステレーションを感じること。
コンステレーション(constellation)とは、「星座」と言う意味で、ユング心理学でよく使われる言葉です。
ユング心理学で、代表的な理論として、「シンクロニシティ」があります。これは、とても有名な言葉で、ご存知の方も多いとは思いますが、「意味のある偶然の一致」のことです。
意味がないと思っていたことが、後から振り返ると、とても意味のあることとして繋がって、存在していたことだったことに気づくことです。
つまり、一つ一つの「点」をつなげていき、「物語」を作り上げること。
コンステレーションを感じるのは、天体の星を見上げ、一つ一つの無関係の「星」をつなげて、「星座」をイメージし、その「星座」の物語を、「意味のあるストーリー」として作り上げていく感性を持つことです。
たまたま偶然に目にしたものが、自分にとって、かけがえのないメッセージをくれていたと思えると、「瞬間」の大切さを感じるとともに、「大いなるもの」が、自分の味方であると思えます。
運気に導かれている。
運気は応援してくれている。
だから、運気は「課題」をくれる。
その「課題」を解く鍵は、運気の中に隠れている。
それを見つけていくのは、自分。
見つけることができたら、きっとまた運気が応援してくれて
何があっても何とかなるに違いない。
「ワクワクする物語」が伝わると、そんな気持ちになれるのです。
「暦」を知ることは、自らの「ワクワクする物語」を知ることでもあります。
だから、どんどんハマるのです。
だから、推命家は、妄想癖のある「オタクちっく」になるのかもしれませんね。