「天中殺」とはこんな「景色」です:6つの「空亡」タイプ別の特徴とおすすめの過ごし方
占いで、最も有名な「運気」は、「天中殺」かもしれませんね。
鑑定に来られる方の中でも
「来年は天中殺だから、嫌なことがあるんじゃないかと思って今から心配なんです」
「今年は、天中殺だから、何もしないようにしています」
など、とてもネガティブに受け止めてしまっておられることが良くあります。
「天中殺」は、四柱推命では「空亡」(くうぼう)と言います。
まず、この憎むべき「空亡」とは、そもそもどんな運気なんでしょうか。
「暦」は10個の「干支」と12個の「十二支」を組み合わせた60個の「六十干支」を用います。
干支は、甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸
十二支は、子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥
これを一つずつ合わせていくと
「甲と子」、「乙と丑」、「丙と寅」、「丁と卯」、「戊と辰」、「己と巳」、「庚と午」、「辛と未」、「壬と申」、「癸と酉」となります。
そうすると、「戌」と「亥」の「二つ」の十二支が余ります。
そして余った二つを繰り上げて、「甲と戌」、「乙と亥」と続けていきます。
常に「二つ」余りが出ます。
その余りを「空亡」としているのです。
60個の干支は、同じ「空亡」を持つ10個づつのグループに分けることができます。
つまり、「空亡」は6つのグループに分類できることになります。
「十二支」は、形のない気の象意でもあるために、「天が味方をしない時」「心ここにあらずの時」などと解釈をされます。
ただし、実際には、そのようなことはありません。と言うより、空亡でなくても、心ここにあらずになってしまう時は、いくらでもありますよね。
ただし、やはり、「空亡」は特徴があります。
全てはバランスを取ろうとするために、「空亡」の十二支が不自然となり不安定となってしまうと、反対側の十二支の力が強くなります。よって、反対側の世界に引き寄せられていくのです。
それでは、6つの「空亡」の特徴を見ていきましょう。
1)戌亥空亡
「1甲子」・「2乙丑」・「3丙寅」・「4丁卯」・「5戊辰」
「6己巳」・「7庚午」・「8辛未」・「9壬申」・「10 癸酉」
「戌亥」は、中央世界の気です。
「中央世界」とは、現実的な世界で、維持して受け継いて行こうとする世界です。
反対側の「天頂世界」は、空想の世界で、夢や希望にあふれています。
「中央世界(現実・家系)」が不自然となる。
「天頂世界(精神世界・空想)」に引き寄せられる。
夢や野望に向かっって突き進みます。現実的なことは苦手です。
計画を立てるまでは調子良く進みますが、実際に行動に移すと気持ちが下がってしまいがちです。理想と現実のバランスをうまく取れるとバランスが整います。
<キーワード>
夢 現実離れ 親元から離れる
夢追い人 地に足が付かない スピリット精神 本質を見抜く目を持つ
2)申酉空亡
「11甲戌」・「12乙亥」・「13丙子」・「14丁丑」・「15戊寅」
「16己卯」・「17庚辰」・「18辛巳」・「19壬午」・「20癸未」
「申酉」は、「西方世界」の気です。
「西方世界」は、自分の感情の安定をもたらしてくれる「財」を得ていく世界です。
反対側の「東方世界」は、周囲の人(社会)の安定を望みます。
「西方世界(安定・貯蓄)」が不自然となる。
「東方世界(社会・友人)」に引き寄せられる。
自らの利益のためではなく、身近な人や関わっている社会が安定することに興味が向かっていきます。そのために、良かれと思い行動しすぎて、相手に疎まれてしまうかもしれません。家族をとても大切にします。
<キーワード>
社交性 跡継ぎ 社会貢献 人脈
世渡り上手 人と関わる 家業を発展させる 親との同居
3)午未空亡
「21甲申」・「22乙酉」・「23丙戌」・「24丁亥」・「25戊子」
「26己丑」・「27庚寅」・「28辛卯」・「29壬辰」・「30癸巳」
「午未」は「南方世界」です。
「南方世界」は、伸びやかに成長していく世界です。
反対側の「北方世界」は固まっていく世界です。しっかりと固定しようとします。
「南方世界(目下の人・夢)」が不自然となる
「北方世界(目上の人・学問)」に引き寄せられる。
何故か不思議と周囲の応援に応援してもらえます。特に目上の人の支援を受け、夢を叶えることがあります。しっかりとした意見を持っており、それを貫く努力もします。ただし、興味のないことに関しては見向きもしません。
<キーワード>
上司の引き立て 援助を受ける 応援を受ける
若い頃から才能を開花させる
家系の「最後」を引き受け、転換点となる。
4)辰巳空亡
「31甲午」・「32乙未」・「33丙申」・「34丁酉」・「35戊戌」
「36己亥」・「37庚子」・「38辛丑」・「39壬寅」・「40癸卯」
「辰巳」は「天頂世界」です。
「天頂世界」は、空想の世界で、夢や希望にあふれています。
反対側の「中央世界」とは、現実的な世界で、維持して受け継いて行こうとする世界です。
「天頂世界(精神性・心)」が不自然となる。
「中央世界(現実・社会)」に引き寄せられる。
しっかりとした理論のもとに、考えを固めていきます。ただし、優柔不断ではありません。自分が納得をした場合には、反対を跳ね除けて行動する強さがあります。
<キーワード>
社会的成功を望む 目標達成タイプ たくましさ
世間体より自分の勝敗にこだわる 個性的 孤高の人
5)寅卯空亡
「41甲辰」・「42乙巳」・「43丙午」・「44丁未」・「45戊申」
「46己酉」・「47庚戌」・「48辛亥」・「49壬子」・「50癸丑」
「寅卯」は「東方世界」です。
「東方世界」は、周囲の人(社会)の安定を望みます。
反対側の「西方世界」は、自分の感情の安定をもたらしてくれる「財」を得ていく世界です。
「東方世界(友人・社会)」が不自然となる。
「西方世界(家庭・安定)」に引き寄せられる。
自分事として物事を捉える傾向があります。そのために、曲がったことや納得できないことは受け入れません。頑固に自分の信念を貫こうとします。
<キーワード>
最終的には自分の「居場所」にたどり着きたいと願う。
家庭思い 人を大切にする 組織の中で中心的な役割を果たす
6)子丑空亡
「51甲寅」・「52乙卯」・「53丙辰」・「54丁巳」・「55戊午」
「56己未」・「57庚申」・「58辛酉」・「59壬戌」・「60癸亥」
「子丑」は「北方世界」です。
「北方世界」は固まっていく世界です。しっかりと固定しようとします。
反対側の「南方世界」は、伸びやかに成長していく世界です。
「北方世界(目上の人・学問)」が不自然となる。
「南方世界(目下の人・夢)」に引き寄せられる。
改革者です。現状を打破し新しい道を作るバイタリティーにあふれています。
そのために敵を作ってしまいますが、敵と果敢に戦おうとします。
<キーワード>
独立独歩 初代運 新しい時代を作る 楽天的
目下からの応援を受ける 大器晩成型
「空亡」の時期は、決して悪い運気ではありません。
ただし、偏りが顕著になるので、良いも悪いも偏ります。
不自然となる気は、まるで、ブラックホールのように、無限大に吸い込んでいくイメージです。
吸い込むとは、自分に向かう、または、自分の内側に入り込む流れです。
それから逃れようとして、バランスを取るために、反対側の気が、強く逞しく勢いを増すのです。
もしも、不安な気持ちになってしまったら、それは自分の内側に向かう思考なので、ブラックホールの中にネガティブな気持ちが、無限大に吸い込まれていきます。そして、不安の底無し沼にハマる・・・・。
なので、運気はどんどん下がってしまいますよね。
だから、この時期は、吸収力を利用して、どんどんポジティブな情報や知識などを吸い込めば良いんです。
ちょっと余談になりますが、学生さんにとっては、「勉強運」がものすごく上がるんです。もちろん、勉強をしなければ上がりませんけど。
苦手科目も、コツコツと頑張れば、テストでびっくりするほど良い点が取れる人も多いんですよ。
また、資格試験の勉強をするのにも、とても良い時期ですね。
「空亡」の時期に、運が下がっていると思っているのであれば、それは、きっと、真っ暗な森の中を、何の目標もないのに、焦ってぐるぐる走り回って迷子になっている感じです。
まずは、良い音楽を聞いたり、没頭できる映画を観て気持ちを変えたり、頼りになる情報をしっかりと分析してみたりすると良いですね。
「空亡」だから悪い・・・・なんて無いんです。
ただし、「ネガティブ沼」には気をつけてくださいね。