偏った「命式」:「弱日棄命格」:「投げ出す」のも建設的な作戦です
四柱推命では、個人の誕生日から「命式」を作成していきます。
「命式」とは、個人の取り扱い説明書のようなものです。
その人の気質がわかります。
気質が分かると、物事の受け止め方や感じ方、また、得意分野や苦手分野を導き出すことができます。
また、「命式」は五つの気から構成されています。
そして、それらの気が、自分にどのように影響を及ぼしているのかも見ることができます。
「命式」を、大きく二つに分けるとすると以下のようになると思います。
・五行バランスが取れている
・五行バランスが取れていない
バランスが取れている場合は、落ち着いています。
バランスが取れていない場合は、勢いがあります。
落ち着いている場合は、やはり「安定」を選択した方が居心地の良さを感じます。
勢いがある場合は、やはり「挑戦」を選択した方が居心地の良さを感じます。
どちらが良いとか悪いとかではなく、居心地の良さで選択するのをお勧めしています。
なぜなら、その方が上手くいくからです。
運が良い人は、「自分らしい」やり方を、自然に選んでいる人だと思います。
「自分らしい」のは、無理をしている状態でなく、あくまでも自然体です。
「自分らしさ」を選択する場合、自らの意思で決めていきます。
ただし、どんな時でも、自分が中心となって決断しているわけではありません。
そうではない場合もあります。
周囲の人たちのために
支えてくれる人に恩返しをするために
誰かの役に立つために
この様な気持ちで選択するのは、起点は「自分」ではなく「周囲」になります。
「周囲」の状態が、「自分」にとって居心地の良さを提供してくれることが目的であって、その環境は「周囲」が作り上げていくものとなります。
四柱推命での「自分軸」は、生まれた日の暦で決まります。
そして、生まれた日の五行が、自分の「頭」となります。
「頭」を中心として、命式内での五行の関係性を見ていくと、どのようなやり方で「自分らしさ」を選択していくと自然なのかがわかります。
「頭」の五行がとても強い、強められる命式の場合は、周囲を自分で変えていくやり方の方がスムーズに進みます。(詳しくはこちらの記事をご覧くださいね)
その反対に、「頭」の五行がとてもか弱い、または弱められていく命式では、周囲によって自分の場所を整えてもらう方がスムーズに進みます。
つまり、決断は「周囲」。自分に全ての決定権が委ねられた時には、負担を感じてしまいます。
それでは、「か弱い」人は、何も決められずに、周囲に言いなりになってしまうのか・・・・と思ってしまいますね。
実は、そうではありません。
周囲を巻き込み、周囲を動かせる。と言うわけです。
つい助けてあげたくなる、とか、つい代わってあげたくなる、とか。
その特徴は、「頭」が弱められていくほど強く出ます。
弱められる働きがどんどん加速すると、「自分」と「周囲」との境界線が曖昧になっていき、当の本人でさえも、「周囲」の意見が、本当の自分の意見だと思えてきます。
そのような人の「命式」は、「弱日棄命格」と言います。
3つのタイプに分類できます。
<従児格>
成立する条件としては
1)日主に対して月支が「食傷」の関係
2)命式内に日主を生む五行がない(印・官)
3)命式内に日主が根を張る地支がない
4)天干が日主に対して「食傷」が多くある
1)2)3)4)のどれか複数該当している場合は従児格となりやすい。
日主は、日主の五行ではなく、「食傷」の五行に従います。
「食傷」とは、自分の気が外に向かって漏れ出す流れです。
表現力が長けている人や、気持ちを伝えるのが上手な人は、「食傷」を多く持っています。
「印」「官」は、自分の「頭」に向かって力を投入しようとします。
根を張る条件としては、日主の五行と十二支の五行に同じ五行がある場合、お互いに手を繋ぐので、「芯」がしっかりとします。なので、頑丈になり、大抵のことはやり過ごす強さを持ちます。
この場合は、「頭」から、気がたくさん漏れ出すけど、出るばかりで投入されない。
なので、「頭」がどんどん弱くなる。
周囲に影響を与えるし、周囲を巻き込んでいきます。
このタイプの場合、食傷・財が巡ると勢いが出ると運気が大きく動きます。
自分の特徴に、勢いが出るのです。
また、比劫(自分と同じ五行)の場合でも食傷に力を与えるので吉となります。
悪く出てしまうと、「投げやり」「人任せ」になりやすいです。
<従財格>
成立する条件としては
1)日主に対して月支が「財」の関係
2)命式内に日主を助ける「印」がない
3)命式内に日主が根を張る地支がない
4)天干が日主に対して「財」が多くある
1)2)3)4)のどれか複数該当している場合は従財格となりやすい。
日主は、日主の五行ではなく、「財」の五行に従います。
「財」とは、社会に向かって放つ方向に向かう気です。
高い目標を掲げて、それに向かって進んでいく力です。
「食傷」も外向きですが、「財」の方が、より強くより遠くに向かって出していきます。
なので、このタイプの人は、非常に努力家で頑張る人です。頑張りすぎるかも。疲れていても疲れを押し込んでもやろうとします。
「財」が巡ると運気に勢いが出ます。なので、ますます忙しく動き回ります。
また、「食傷」が巡ると、「財」に力を与えるので吉と言われます。
「官」が巡ると日主が抑えられる為に従財格としての特徴が強められる
「官」とは、外側から「頭」に向かって、大きな気を流し込んできます。だから、小さな「頭」は飲み込まれていくのです。
悪く出る場合は、「財」が日主よりも強いため、自分のキャパシティを越えても行動してしまいます。どんなに辛くても「やらねばならぬ・・・・」と歯を食いしばるのです。
<従殺格>
成立する条件としは
1)日主に対して月支が「官」の関係
2)命式内に「比劫」「食傷」「印」がない
3)命式内に日主が根を張る地支がない
4)天干が日主に対して「官」が多くある
1)2)3)4)のどれか複数該当している場合は従殺格となりやすい。
日主は、日主の五行ではなくて、「官」の五行に従います。
非常に高い志を持って行動をします。 使命に従って行動していきます。
世の為人の為、自分の事を後回しにしても、行動します。
「官」が巡ると、運気に勢いが出ます。
なので、ますます「役割」が増えます。重責を担います。
多くの人を束ねて、何かを成し遂げようと、導きます。
「財」が巡ると、「官」に力を与えるので吉と言われます。
ますます自分のことが後回しになってしまうかも・・・・
悪く出る場合、「官」が日主よりも強いため、自己犠牲の傾向が強まります。
なので、ほどほどの所で、プライベートの「時間」を持ちましょう。
「命式」がこれらに該当していなくても、大運や巡っている暦や、環境から受ける気の影響で、日主が一時的に弱められる時もあります。
もしも、「最近、プレッシャーに押し潰されてる・・・・」と感じているのなら、一時的に「頭」が小さくなっているかもしれないですね。
そんな時には、周囲に委ねてみると、以外な方法であっという間に解決するかもしれません。
「頭」が消えてしまう前に、投げ出してしまいましょうね!