「水」が巡る:十干別「水」の受け止め方について、改めて考えてみました
今年の節分明けから、「水」の気が巡り始めました。
月の気も、2月と3月は「水」です。
なので、今は、「水」が溢れている景色なのです。
今年一年は、「壬」(水・陽)
そして、来年は「癸」(水・陰)
これは、全ての人に同じように巡ります。
ただし、受け止め方が人によって異なります。
なので、それぞれの「運気」が変わってくるのです。
どこで受け止めているのかというと、生まれた日に巡っていた「十干」です。
これを「日主」と呼びます。
全部で10通りあります。
10個は二つずつ、一つの「五行」に分類します。
「五行」は「木」「火」「土」「金」「水」の5種類があります。
つまり、10個の十干は、「木」が二つ、「火」が二つ、、、、という感じに分類できます。
実は、「最近、状況がガラッと変わって、自分の気持ちも変えていかなくてはいけないと感じている」と言われる方がとても多いんです。
「水」は、色々と洗い流してくれるために、その様になるのかもしれないですね。
なので、改めて、「日主」別「水」の受け止め方を書いてみたいと思います。
<日主「木」の場合>
「水」は「木」を育ててくれる存在です。
なので、「木」は「水」に出会うとたくましくなっていきます。
「木」を育てる関係となる「水」は「印星」と言われます。(サポートの気)
身弱の場合、ぐいぐいと圧を加えてくる「官殺」から守ってくれる、とても頼もしい存在となります。
つまり、この場合は、「運」がいい感じになると考えることもできます。
また、「水」は「火」を攻撃してくれます。
「木」を燃やしてしまおうとする「火」の力を弱めてくれるので、「木」は力を蓄える事ができます。
なので、「いい感じ」になります。
それでは、もう少し細かく考えていきますね。
・日主が「甲」の場合
「甲」は「木」の陽です。
①「甲」に「壬」
木々に大量の水が注がれる景色となります。木々は恵の水を授かり、大きく育つ事ができます。
前向きに行動する傾向が出ます。
ただし、「水」が大き過ぎる場合は、木が流されてしまうために、気持ちが焦り、一度のたくさんの事に手を出してしまう傾向が出ます。
②「甲」に「癸」
木々に恵の雨が降り注ぐ景色となります。木々は活き活きと成長する事ができます。
特に「丙」が同座すると、良い作用となります。
冬月生まれで「水」が多い命式の場合は、根腐れを起こしてしまいます。なので、悩みを抱え込みやすくなる傾向が出ます。
・日主「乙」の場合
「乙」は「木」の「陰」です。
①「乙」に「壬」
草花の横に勢いの良い川が流れる景色となります。勢いの良い水の流れは、草花を流してしまいかねません。
悩みを抱え込みやすい傾向が出ます。
勢いのある水流に流されないように、足元をしっかりと固める必要があります。
②「乙」に「癸」
草花に雨が降りかかる景色となります。穏やかな水を授かり、草花は元気に育っていきます。
周囲の応援や援助を受けやすく、出世運が上昇します。
太陽の「丙」が同座すると、太陽と雨に恵まれて、植物(乙)にとって喜ばしい景色となります。このため、ますます「吉」となります。
<日主「火」の場合>
「水」は「火」を剋す存在です。
「火」は「水」に出会うと「畏れ」ます。
「火」を剋する関係となる「水」は「官星」(官殺)となります。(ノルマの気)
「畏敬の念」を抱くように「水」が求めてきます。社会的立場・役割・コミュニティーの中での立ち振る舞いなどを考えて行動すると「吉」となります。
「火」は「水」により、力を抑えられるため弱まります。しかし、周囲の意見を聞き入れる謙虚さが出るとも言えます。
「火」と「水」が出会う時には注意が必要だと言われています。
それは、燃え盛る炎に、不用意に水をかけてしまうと、たちまち水が蒸発させられて、炎が混乱する景色となるからです。
この状態を「水火激沖」と言われています。
「火」は情熱、「水」は叡智
熱過ぎる情熱は、知性を混乱させて、理性を失ってしまう可能性があると考えることができます。
この組み合わせは、常に「冷静」であることが求められるのです。
・日主「丙」の場合
「丙」は「火」の陽です。
①「丙」に「壬」
大海原の水面を太陽が照らしている景色となります。海面がキラキラと輝き、非常に美しい景色なります。なので、最も良い組み合わせと言われます。(水火既済)
人々を魅了し、壮大な夢に向かって、力強く進んでいく傾向が出ます。
雄大でダイナミックな行動ができます。
実は、「水」と「火」は、最も注意が必要な組み合わせであはありますが、最も素晴らしい組み合わせでもあるのです。
「吉凶」とは、同座していて、どちらを見るかによって異なってくる。
バランスを取ることの大切さを感じますね、
②「丙」に「癸」
太陽の輝きを、霧雨が覆う景色となります。せっかくの明るさが、霧雨によって邪魔をされます。
満足感や達成感を感じにくい傾向が出ます。また、テンションが下がりやすくなります。
気分が乗らなかったり、邪魔が入ったりする傾向が出ます。感情をコントロールできると、「霧雨」が気にならなくなります。
・日主「丁」の場合
「丁」は「火」の陰です。
①「丁」に「壬」
火が大量の水に消される景色となります。火は水の標的となり攻撃されてしまいます。
恋愛問題でトラブルが起こりやすい時期となります。
自暴自棄にならないよう注意が必要です。
「丁」は「水」が苦手であると考えます。
燃え盛る炎に、直接水を注ぎ込んでしまうと、炎が消えてしまいます。また、強い炎の場合は、熱せられた水が蒸発して「混乱」する景色となります。
常に「バランスをとる」ことができるように、俯瞰して物事を見ると「吉」となります。
この組み合わせは、「水火激沖」が起こりやすいと考えます。
②「丁」に「癸」
火に水がかけられている景色となります。「丁」は「癸」に剋されることを嫌います。
過度なプレッシャーを感じ投げ出したくなったり、攻撃的な行動をとる傾向が出ます。
反抗心が芽生えます。
攻撃性を建設的に用いると「吉」に繋がります。感情だけで動かないように、冷静さが求められます。
<日主「土」の場合>
「土」は「水」を剋しに行きます。
「土」は「水」に出会うと、コントロールしようと張り切ります。そのため「土」の力は弱まります。「水」も「土」に動かされる為に、力が弱まります。
「土」は「水」を思い通りに動かそうするので「財星」となります。(チェレンじの気)
「土」が「水」よりも強い場合は、剋することが可能ですが、弱い場合には反対に剋されてしまいます。(反剋)
・日主「戊」の場合
①「戊」に「壬」
山に清らかな川が流れている景色となります。
豊かな水源を持っている山は、豊かな実りを結ぶ事ができます。
「土」と「水」のバランスが良い場合は、非常に良い作用をすると考えます。
大きな「財」を手に入れる傾向が出ます。
「水」が強過ぎる場合は、多量の水により土砂崩れを起こしてしまいます。
「財」が流れて行くというよりも、今持っている「財」が流されてしまうと考えます。周囲に流されて、自暴自棄になり、身を崩してしまう可能性が出やすくなるのです。
②「戊」に「癸」
山に霧雨が降る景色となります。
霧雨が、山道を見えにくくして、道に迷ってしまいます。
迷いが出やすい傾向が出るので、目の前の事にしっかりと取り組む必要があります。
あまり遠くを意識しない方が賢明です。
目の前の事をコツコツと積み重ねて行くこと。これは「戊」さんにとっては得意技です。焦らずに、いつもの自分で進むと吉です。
・日主「己」の場合
①「己」に「壬」
大地に濁流が流れている景色となります。
水の勢いが強すぎてしまうと、氾濫の危険があります。氾濫すると、土壌は崩壊してしまいます。
この景色は「己土濁壬」(きどだくじん)と言います。
十干同士の組み合わせでは、「凶作用」が強く出るために、気をつけた方が良いと考えます。
人情味溢れる行動をする傾向が出ます。
愛情問題については注意が必要です。情に流されてしまわないように。
②「己」に「癸」
広大な大地に豊かな雨が降り注ぐ景色となります。
水分を含んだ「土」は、たくさんの植物が育ちます。
「土」と「水」のバランスが取れている場合は、非常に良い作用をすると考えます。
水分を含んだ大地から、たくさんの植物が芽を出し、育っていけるからです。
人々に認められ、大きい財を育て手に入れる事ができます。
「水」が多過ぎると、必要以上に尽くし過ぎる傾向が出ます。根腐れを起こした景色となるからです。
<日主「金」の場合>
「金」は「水」を育てようと力を注ぎます。
「金」は「水」に出会うと力が漏れ出して「水」に吸い取られていきます。
「金」は「水」に向かって直接的に向かう「漏星」となります。(アピールの気)
「水」によって「金」の力が弱くなっていきます。
日主が弱められるために、疲れが出やすくなると考えます。
「水」は「金」によって強められていきます。
外に向かうことで、勢いが増して行くのです。なので、表現することや、動くことが大事です。
・日主「庚」の場合
①「庚」に「壬」
鉱物が流れる水に洗われている景色となります。
水の勢いが強過ぎると、鉱物は流れに飲まれてしまいます。
なので、後先考えずに「感情」だけで行動する傾向が出ます。
もともと感性が豊かで、シャープな感情表現が得意な「庚」さんは、「お口が達者」になるのです。時と場合を考えて、達者なお口を使い分ける必要があります。
しっかりと足元が固まっている人にとっては、「発展」が期待できます。
②「庚」に「癸」
鉄の塊が雨にさらされている景色となります。
鉄が水に濡れることで錆び付いてしまいます。
「庚」本来のシャープな感性が、鈍る傾向が出ます。
やる気が落ちやすい時期となります。もやもやして、焦りを感じやすい時期でもあります。疲れも出やすいです。
なので、ゆるくのんびりと。楽しい時間が、今後の「吉」へと繋がっていきます。
・日主「辛」の場合
①「辛」に「壬」
宝石が清らかな水で、洗われている景色となります。
水に洗い浄められることで、「辛」はますます輝きを増していきます。
感性が豊かになり、個性が際立ちます。
アイデアが湧き上がります。それを思う存分表現したくなります。気持ちを、素直に伝えたくなります。
それが故に周囲との間に境界線が生じやすくなります。
②「辛」に「癸」
宝石に雨が降り注ぐ景色となります。
水に濡れた宝石は、本来の輝きを発揮することができなくなります。
「辛」は「感性」で、「癸」は「知性」を表しています。
自分の気持ちと、自分の現状との間で葛藤が生まれやすい傾向が出ます。
葛藤するからこそ、本当に大切なものに気が付きます。
削ぎ落としていくと、本当の輝きが増します。
<日主「水」の場合>
「水」に「水」が足される為に、「水」の作用そのものの勢いが増します。
日主そのものに力が注がれる「比劫」になります。(プライドの気)
身旺の命式の場合、自分の我が強くなりすぎる傾向が出ます。
身弱の命式の場合、やる気や自信が強められる傾向が出ます。
・日主「壬」の場合
①「壬」に「壬」
川が二つ合流した景色となります。
水が勢いよく流れるために「壬」の特徴がそのままの形で出やすくなります。そのため躊躇することなく行動します。
それが吉なのか凶なのかまで考える余地がないため、注意しなくてはいけません。
止まっている気を一掃する力があります。なので、今まで解決できなかった事が、スッキリするかもしれません。
「身旺」の命式の場合は、「自我」が強くなり過ぎる傾向が出ます。
後先考えずに、大きな決断をしてしまうかも。
②「壬」に「癸」
大河に雨が降り注ぐ景色となります。
身旺の命式では、「癸」が大雨となり、洪水を起こしてしまうと考えます。「壬」が巡る場合と同様です。
そのために、越えてはいけない「境界線」を自ら破ってしまう傾向が出ます。
身弱の命式ではさほど影響はないと考えます。
・日主「癸」の場合
①「癸」に「壬」
水源を確保できている雨が降っている景色となります。(湿った空気を取り込んだ梅雨前線のような感じ)
「壬」は「癸」にとって、頼りになる存在です。自信を持って行動を起こせる傾向が出ます。
いつになく、「大事業」をこなしていけるかもしれません。
また、大きな一歩を踏み出せるかもしれません。
ただし、「身旺」の命式の場合は、水が必要以上に強まり過ぎます。その為、自分勝手に動き過ぎる傾向が出ます。
②「癸」に「癸」
霧雨と霧雨が合わさる景色となります。霧が深くなります。考え出したら、どこまでも深く考え込んで深みにハマっていく傾向が出ます。
元々持っている臨機応変に対応する傾向が、強められます。周囲に振り回されないように、向かう「方向」を定めておくと落ち着きます。
命式に「癸」が並んでいる場合には「壬」として解釈をする方が当てはまります。
しかし、その場合も「癸」の持っている「柔軟性」は変わりません。
「癸」さんは、どこまでいっても、その柔軟さが特徴です。なので、「ミステイアスな人」と誤解を受けやすいのかもしれないですね。
「水」は冷たいほど、その力を存分に活かすことができます。
「水」は「冬」の象意でもあり、「北」の象意でもあり、「夜」の象意でもあります。
感情が沸騰してしまいそうになっても、冷静に、冷静に。
そうすると、鎮まった感情は、「春」が待っていることに気づかせてくれるはずです。