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あの雲が落とした雨にぬれている:「見えないもの」と上手に向き合う方法とは

野菜については、比較的一年中、安定してお店に並ぶので、「旬」は一体いつなんだろうと時々わからなくなる事があります。

 

でも、果物は「旬」がはっきりしていて、店頭に並ぶ果物を見ると、季節感を感じる事ができます。

そして、「今はまっている果物」を食べながら、「今年のは甘いね」とか「今年のは大ぶりだよね」など話しながら、季節を満喫するのです。

 

 

「旬」の食材には、その時期に「実(結果)」を結ぶ力があります。

なので、「旬」のものを食べることは、その時期に結果を出すサポートとなってくれます。

薬膳理論でも、一番大切にしている理論が「旬のものを食べる」こと。

それは、今必要な「気」を、自然の恵からいただくことです。

 

 

今はまっているのは「ラフランス」

 

ラフランスは、食べ頃がとてもむずかしい・・・

ちょっとでも早かったら、硬くて甘味が少なく、遅すぎると発酵臭が漂って、甘味もしつこくなってしまいます。

 

 

 

食べ頃を見極めるには

触ってみて、果肉がふんわり柔らかく

嗅いでみて、良い香りがふわっと立ち込め

皮を見て、黄金色のようなキラッとした茶色を帯びてくる

この3つがポイントですが、それでもうっかりしていると、食べ頃を逃してしまうので、「鋭い観察眼」が必要です。

それと、どのくらいたったら食べ頃になるか推理する「想像力」も試されます。

 

そして、ジャストタイミングで食べ頃を引き当てた時には、まるで手柄をあげたかのように、思わずドヤ顔になります。

 

目の前の「見えるもの」に向き合って

「見えない」食べ頃のタイミングを知る

 

それは、巡る「暦」が流れゆく様をイメージして、実際の行動に移していく「作業」にも似ている気がしています。

「暦」に関しては、「ラフランス」とは逆で

 

「見えない」景色に向き合って

「見える」タイミングを知る

 

 

美味しくラフランスを食べたい思いがたくさんあると、食べ頃を見極めるのが上手になります。

それと同じように、流れゆく「運気」を大切に感じると、「運」を味方につけるのが、きっと、上手になっていきます。

 

 

「運気」は「良し悪し」で向き合うのではなく、「旬」が何か、どんな「旬」なのか、その「旬」は自分にとって必要なものなのか、または不要なものなのか。

 

全ては移ろいゆく一瞬の「景色」にしか過ぎないからこそ、「今」がとても大切です。

 

 

では、見えない「運気」とどう向き合えば良いのでしょうか。

 

それは、「身体」が教えてくれます。

「気」には、「木・火・土・金・水」の五つの「顔」があります。

全てのものは、「気」が集まってできていて、その「集まり方」の違いが個性です。

 

実は、「感情」も五つの「気」で分ける事ができます。

 

「木」は怒り

「火」は喜び

「土」は憂い

「金」は悲しみ

「水」は恐れ

 

この感情を感じている自分をイメージすると、どんな「気」が自分の中で「発動」しているのかを感じとる事ができるのです。

 

「木」が増えると、頭に血が上るように、上に向かって気が上がります。頭がパンパンになった感じがしてくるかもしれません。やるきが出たり行動力も上昇します。

「火」が増えると、ちょと緩んでルーズになります。気がだらんとするからです。「まあ良いか、許してあげよう」と、やさしくなるかもしれません。

「土」が増えると、お腹が重たく、または元気になったように感じます。しっかり食べたくなってきて、体にしっかりと栄養補給ができます。

「金」が増えると、冷たく下に下がってきます。だから足元をしっかりと見て、「きちんとしなくては」と自分に厳しくなるかもしれません。

「水」が増えると、四方八方広がって、境界線がなくなっていきます。「もう諦めてしまおう」と、辛い環境から逃避行できるかもしれません。

 

 

 

「木」は上昇する。(向上心・決断)

「火」は緩む。(恋する気分・ウキウキ)

「土」はストンと腑に落ちる。(納得・覚悟)

「金」は下がる。(冷静・決別)

「水」は拡散する。(終結・受容)

 

感情を味わっている時の、自分の「体感」をしっかり受け止めてみてください。人によって感じ方が違います。感情からくる「体感」を、自分なりにキーワードを決めてみると、より感じやすくなると思います。そして、今の自分のキーワードが何かをイメージすると、今どんな「気」が自分の中で「濃く」なっているのかを知る事ができます。

また、そのキーワードになれる行動や、場所、人、などを意識して選択する事が、「運気」を調整している事です。

 

 

 

あの雲が 落とした雨に ぬれている

            種田山頭火・句

 

手の届かない、掴むことのできない「雲」をみて

その「雲」がこれからどんな「形」に変化していくのかを感じる

雨がもっとたくさん降ってくるかもしれない

一日中、しとしと降るかもしれない

これから止むかもしれない

と、想像しながら「雲」を見る。

それは、これから巡りくる「運気」と向き合っていること。

 

「落とした雨」は今の状況。

冷たい雨なのか、温かい雨なのか

ぬれても平気でいられるか、それとも何があってもぬれたくないのか

傘をさしたら防げるのか、傘よりカッパの方が良いのか

靴はどうしたら良いのか

と、落ちてくる「雨」を見る。

それは、今の「気」が自分にとってどのように影響を与えるのかを知ること。現状把握です。

 

そして

じゃあ、わたしはこうしよう。

と決めること。決めたことを行動に移すこと。

 

その行動は、間違いなく、自分にとっての「最適」な行動です。

だからきっと大丈夫。

 

 

「暦」を学ばれた方々に、上達のために、たくさんの「命式」を出すこともおすすめしていますが、それと同じくらい、自分の命式に深く徹底的に向き合うこともおすすめしています。

 

過去に遡って、起きた出来事を振り返ってみる。それだけでは、深く向き合ったことにはなりません。大切なのは、「その時どう感じたか」。その時の自分の本音に向き合ってみてください。

もしも、向き合う事が辛い時には、いったん取りやめ。

それは、まだ自分が、向き合うだけの「心の準備」ができていないから。

「どう感じたのか」は、それぞれの「気」を自分はどう受け取るか、それを「感情」を通うじて理解する事ができます。

 

 

 

「気」を「体感」できる人は、感性豊かな人。

感性豊かな人は、直感力と想像力がキラッと研ぎ澄まされていて、とてもクリアです。濁っていないので、決断もクリア。迷いがありません。

 

感性は磨いてこそ光り輝きます。

磨くことを怠ると、たちまち不必要な「外からの気」まで浴びるため、曇って濁ってしまいす。

 

 

自分の感情に振り回されるのではなくて、しっかりと「景色」として見る事ができる人は、「気」と上手に向き合っている人です。

 

 

だから、そんな人は、全ての「気」が応援してくれています。

「旬」を楽しむ人は、運が良い人です。