「十二支」を多方面から観察して理解しよう:「申」を感じてみる
命式は二階建て構造のようになっています。
上の部分は「天干」と言い、十干支が担当です。
下の部分は「地支」と言い、十二支が担当です。
「天干」は表面の「景色」です。表面に表れる象意です。なので、可視化できます。
例えば、「行動する」「拡散する」「縮小する」など。
言葉で説明しやすく、よって、他者と共有することが可能です。
一方「地支」とは、水面下・内側を表す場所です。
行動を引き起こすきっかけや、原動力となる「景色」を表しています。それは目視することができない部分であり、複雑で流動的でもあります。そのため、明確に捉えることは難しいです。特に「他人」の「地支」は、想像するしかないために、自分の思い込みで解釈をしてしまうと、命式の解釈が「ズレて」しまう可能性があります。
植物で例えるならば、「天干」は枝や葉、花、実、そして「地支」は地下に伸びる根っこです。
なので、実際に全てを観察することは難しいですよね。
その場合は、一つの方向からだけでなく、多方面から観察していくことが必要になります。
では、次の4つの方向から観察してみましょうね。
1)十二支の性質を植物(生命)の成長に例えて理解してみる
2)十二支を陰陽に分類して観察してみる
3)勢いで観察してみる
4)気の生旺墓で観察してみる
1)十二支の性質を植物(生命)の成長に例えて観察してみる
これを観察すると、十二支それぞれの「状況」と、全体の流れの中の「位置」を知ることができます。
「子」・・種の中で新しい生命が芽生える。
「丑」・・種の中から芽が出るが、十分伸び切っていない。紐が絡まっている。
「寅」・・演る(のべる) おしひろめる。万物が発生していく。
「卯」・・双葉が出る。
「辰」・・激しく変化していく。地震のように大地(基盤)が震える。
「巳」・・変化する(辰ほど強力ではない)。脱皮する。変化は終わりに向かう。
「午」・・繁栄の極限。頂点。これから下り坂となる。
「未」・・これから実を結んでいく。味わう。成熟して滋味をおびる。
「申」・・呻く。締め付けられ固まっていく。外向きの成長は終わり。
「酉」・・熟成し食べられるようになる。醸し出す。
「戌」・・滅ぶ。枯れていく。守る。種の保存。
「亥」・・閉す。閉蔵。次のうごめきの兆しがある頃。
「子」で芽生えた命が伸びやかに拡散していき「午」で極まります。
「未」から熟成に向かい縮小が始まり「亥」で閉じます。
つまり、「子」から「午」までは、発展していく状況であることがわかります。
そして、「午」寄りなほどに、「頂点」に近いと言えます。
「未」から「亥」までは、その反対で、縮小していく状況であることがわかります。
そして、「亥」に近いほどに、小さく固まって隠れていくと言えますね。
2)十二支を陰陽に分類して観察してみる
陰陽の分類
陽支 | 寅 | 辰 | 午 | 申 | 戌 | 子 |
陰支 | 卯 | 巳 | 未 | 酉 | 亥 | 丑 |
「陽支」は外向きに巡り、外側にあるもの(他人・環境)に影響を与えていきます。
「陰支」は内向きに巡り、内側にあるもの(自分・組織の根幹)に影響を与えていきます。
命式で考えると、「寅・辰・午・申・戌・子」は、自分の影響が他者に広がっていく流れがあると考えられます。つまり、「影響力が強い人」となります。強すぎると「攻撃的」となってしまう傾向があります。
「卯・巳・未・酉・亥・丑」は、外側から影響を受けるので感受性が豊かです。環境に応じて、自分の立ち位置を作り上げます。強すぎると「依存的」な傾向が出ます。
3)勢いで観察してみる
春 | 夏 | 秋 | 冬 | |
生支(せいし) | 寅 | 巳 | 申 | 亥 |
旺支(おうし) | 卯 | 午 | 酉 | 子 |
墓支(ぼし) | 辰 | 未 | 戌 | 丑 |
勢いを知ると、気の流れる方向や圧がわかります。
「生支」は、勢いが生じ極まっていきます。広がる方向へ向かい、そして圧は強いです。
「旺支」は、生じた勢いが極まり、これから翳りに向かいます。頂点なので広がりません。やがて下がっていきます。なので、少しの刺激で容易に動かされてしまいます。とても不安定です。圧は強いように思われますが、パンパンに空気が入った風船のような感じです。なので壊れやすいです。
「墓支」は、閉蔵し生じる時期が来るのを待っています。下降の極みです。ずっしりと重たく動きません。安定感があります。環境からの影響を受けない強さがあります。外側の変化はありませんが、内側では「次の準備」が始まっています。
「寅・巳・申・亥」は、それぞれの五行の特徴が表面に顕になっていきます。十二支は季節も表しているので、これらの十二支は、それそれの季節が始まった頃となります。
「卯・午・酉・子」は、それぞれの季節の真っ只中です。
「辰・未・戌・丑」は、それぞれの季節の終わりで、変わり目です。
4)気の旺墓で観察してみる
生支・兆し | 旺支・盛り | 墓支・終焉 | ||
三合水局 | 申 | 子 | 辰 | 水気の巡り・冷ややかさ |
三合木局 | 亥 | 卯 | 未 | 木気の巡り・伸びやかさ |
三合火局 | 寅 | 午 | 戌 | 火気の巡り・温かさ |
三合金局 | 巳 | 酉 | 丑 | 金気の巡り・強固さ |
これを知ることで、気の「働き」がわかります。
「申・子・辰」は「冷ややか」にする働きの気です。
「申」で始まり、そして「子」で極まり「辰」で終わります。
「亥・卯・未」は「伸ばしていく」働きをする気です。
「亥」で始まり、そして「卯」で極まり「未」で終わります。
「寅・午・戌」は「温める」働きをする気です。
「寅」で始まり、そして「午」で極まり「戌」で終わります。
「巳・酉・丑」は「固める」働きをする気です。
「巳」で始まり、そして「酉」で極まり「丑」で終わります。
それでは、以上のことを考えながら、今巡っている「申」について考えてみましょうね。
「申」は、花の盛りが終わって、果実が実り、栄養が実に集中していきます。
「申」は、外側に向かって影響を与えいきます。
「申」は、勢いが強いです。突破する力があります。
「申」は、冷たさが生じ、その冷たさの圧が強くなっていきます。
では、今月は、どのように感じる傾向が出るのでしょうか。
冷静になってくるけど、人の言う事はあまり聞きたくなくなる。
自分の気持ちに素直になって、気持ちのまま行動したくなる。
やりたくない事が、本当に嫌になって「やめてしまいたい・・・」と愚痴る。
やりたい事が見つかって、やろうと気持ちが固まる。
違う意見を論破したくなる、または、論破する。
余計な一言をつい言ってしまうかも。
こんな感じかもしれないですね!
自分の感情を感じながら、「申」について考えてみてくださいね^ ^