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「個性的」な人の命式:外格について

四柱推命では、通常、命式をもとにして、気を調整をする時には、日主の五行を中心として安定するようにします。

この場合は、「内格」を取ると言います。

ほとんどはこの方法です。

「環境」に応じてある程度「個性」を削ったり、柔軟に曲げたり形を変えたりします。

気温に応じて、洋服を調整する感じですね。

 

しかし、ある一つの五行にあまりにも偏り過ぎている場合、全体のバランスを取るのは難しくなります。

その場合、あえて偏っている五行に重点を置き、調整をする方法を用いる場合があります。偏りが強い命式を「外格」の命式と言い、調整方法を「外格」を取ると言います。

命式全体の偏りを、より強めていき、その特徴を前面に押し出していくわけです。

「個性的」な人を、より「個性的」にしていく感じですね。

 

ただし、「外格」の命式だからと言って、偏りを強めていく方法の方が良いかどうかは、本人のライフスタイルによって異なります。

判断するには、過去や大運を探っていき、総合的に判断することが大切です。

 

 

二つの方法を比較すると以下のようになります。

・外格

外側を頑丈にしていく

外面 体裁 着飾る 表面を磨く

・内格

内面を充実していく

心 感情 豊か 充実 内面を満たしていく

 

 

 

それでは、外格について、詳しく書いていきたいと思います。

 

 

外格は、日主が強くなり過ぎるタイプと、日主が弱められるタイプ、二つの五行のみ構成されているタイプの三つの種類があります。

 

日主が強くなり過ぎる場合を「日干専旺格」と言います。

それには、日主そのものが力強い場合と、日主が強められて突出するタイプの二つの種類があります。

日主そのものが力強い場合は、「自分の頭」が頑丈で誰にも負けないくらいパワフル。なので、どんな敵にも「頭突き」でやっつけることができます。

もう一方の日主が強められる場合は、「自分の頭」が、ぴったりフィットした頑丈なヘルメットで守られているイメージです。

 

では、それぞれについて説明していきますね。

1 強旺格

日主そのものが突出して強い「頭突き」タイプ。

「従旺格」

 成立する条件

1)日主と同じ五行が非常に強い

2)命式内に「財」「官」がない

1)2)を満たす場合

 

気質の特徴

自分を貫く姿勢が強い

(頑固・強情・負けず嫌い)

個性的 短気を起こしやすい

独立独歩 周囲の反感をかうことも

 

調整方法

日主と同じ五行(比肩・劫財)や、「印」が加わると吉

本来の自分の力がより強められるために、パワフルとなる

食傷があると、開放的な面が出る

自分の気持ちに従って行動すると吉

柔軟に対応できると大吉

 

悪く出る場合

日主の五行を剋す五行が巡る場合には、本来の特徴が弱められる

 

 

日主五行別の特徴としては

・曲直格 

成立する条件

1)日主が「木」

2)地支が「東方合」(寅卯辰)

または「三合木局」(亥卯未)

3)命式に「木」を剋す五行がない

1)2)3)を満たす場合

 

気質の特徴

情が厚い  困った人を助ける

面倒見が良い 初志貫徹 理想主義者

財運が弱められる傾向がある(人の為に財を使うから)

 

調整方法

日主を強める五行が吉となる

 

悪く出る場合

日主を刻す五行は力が弱まる

 

・炎上格

成立する条件

1)日主が「火」

2)地支が「南方合」(巳午未)

  または「三合火局」(寅午戌)

3)命式に「火」を剋す五行がない

1)2)3)を満たす場合

 

気質の特徴

豪快 社交性がある

せっかち 待てない

好き嫌いがはっきりしている

愛情深い エネルギッシュ

 

調整方法

日主を強める五行が吉となる

 

悪く出る場合

日主を刻す五行は力が弱まる

 

・稼穡格

成立する条件

1)日主が「土」

2)地支が「四墓」(丑辰未戌)

3)命式に「土」を剋す五行がない

 1)2)3)を満たす場合

 

気質の特徴

温厚 他人の為に行動する

礼儀正しい 目月ことを好まない

実直 有言実行 粘り強い

 

調整方法

日主を強める五行が吉となる

 

悪く出る場合

日主を刻す五行は力が弱まる

 

・従革格

成立する条件

1)日主が「金」

2)地支が「西方合」(申酉戌)

  または「三合金局」(巳酉丑)

3)命式に「金」を剋す五行がない

1)2)3)を満たす場合

 

気質の特徴

公明正大 正義感が強い スケールが大きい 人を導いていく 自分に厳しい人にも厳しい

 

調整方法

日主を強める五行が吉となる

 

悪く出る場合

日主を刻す五行は力が弱まる

 

・潤下格

成立する条件

1)日主が「水」

2)地支が「北方合」(亥子丑)

  または「三合水局」(申子辰)

3)命式に「水」を剋す五行がない

1)2)3)を満たす場合

 

気質の特徴

人当たりが良い 聡明さ 顔たちが整っている

想像力が豊か 新しい発想で開拓していく

 

調整方法

日主を強める五行が吉となる

 

悪く出る場合

日主を刻す五行は力が弱まる

 

 

 

 

 

2 従強格

日主を助ける気が突出して強い「ヘルメット」タイプ。

成立する条件

1)命式内に「印」が非常に強い

2)命式内に「食傷」「財」がない

1)2)を満たす場合

 

気質の特徴

聡明で穏やか 知的好奇心が強い

個性的なアイデアを生み出す 独特なセンスが光る 周囲の意見にも真摯に耳を傾ける

 

調整方法

日主と同一五行(比劫)や日主を強める「印」が加わると吉

本来の自分自身の力がより強められるために、パワフルとなる

自信が満ちる 決断力が増す

専門分野を極めると吉

研究者に向いている

 

悪く出る場合

「財」が巡る場合には、「印」を剋すために、日主に力が注がれなくなる

 

 

 

日主が周囲の五行によって弱められ、埋もれてしまうタイプもあります。

これは「弱日棄命格」と言います。

日主以外がとても強いために、日主の特徴よりも強い五行の特徴が出やすくなります。

自分の意見ではなく、自分の「役割」の意見を重要視する感じですね。

「公」の仕事をしている人が、知らず知らずに、プライベートでも「周囲の目」を気にしている・・・みたいな。

これは、食傷、財星、官星がそれぞれ突出して強い3つのタイプがあります。

 

1)従児格

食傷の五行が突出して強いタイプ。

成立する条件

1)日主に対して月支が「食傷」の関係

2)命式内に日主を生む五行がない(印・官)

3)命式内に日主が根を張る地支がない

4)天干が日主に対して「食傷」が多くある

1)2)3)4)のどれか複数該当している場合は従児格となりやすい。

日主は「食傷」の五行に従う

 

気質の特徴

食傷の五行の特徴が表に出やすくなる

表現力に長けている 人気者

わがままになりやすい

周囲に影響を与える 周囲を巻き込む

押さえつけられる環境では力が発揮出来ない

自由に動ける環境に身を置くと吉

 

調整方法

食傷・財が巡ると勢いが出る

比劫の場合でも食傷に力を与えるので吉

 

悪く出る場合

日主が弱い為に「投げやり」「人任せ」になりやすい

 

2)従財格

財星が突出して強いタイプ。

成立する条件

1)日主に対して月支が「財」の関係

2)命式内に日主を助ける「印」がない

3)命式内に日主が根を張る地支がない

4)天干が日主に対して「財」が多くある

1)2)3)4)のどれか複数該当している場合は従財格となりやすい。

日主は「財」の五行に従う

 

気質の特徴

財の五行の特徴が表に出やすくなる

高い目標を掲げて取り組む

流行や時流を敏感に捉える

周囲の応援を受ける

周囲に感謝の気持ち伝えると吉

エゴや損得勘定を抑えると吉

 

調整方法

「財」が巡ると勢いが出る

「食傷」が巡ると財に力を与えるので吉

「官」が巡ると日主が抑えられる為に従財格としての特徴が強められる

 

悪く出る場合

「財」が日主よりも強いため、自分のキャパシティを越えても行動する

 

 

3)従殺格

官星が突出して強いタイプ。

成立する条件

1)日主に対して月支が「官」の関係

2)命式内に「比劫」「食傷」「印」がない

3)命式内に日主が根を張る地支がない

4)天干が日主に対して「官」が多くある

1)2)3)4)のどれか複数該当している場合は従殺格となりやすい。

日主は「官」の五行に従う

 

気質の特徴

官の五行の特徴が表に出やすくなる

高い志を持って行動をする

使命に従って行動する

日主は剋されているので、自己主張は出にくい

自己開示が苦手

公の為に力を発揮する

自分を無にして頑張る傾向が強いため、精神力が強い

過度なプレッシャー受けないよう「自分を守る」ことも重要。

 

調整方法

「官」が巡ると勢いが出る

「財」が巡ると官に力を与えるので吉

 

悪く出る場合

「官」が日主よりも強いため、自己犠牲の傾向が強まる

 

 

 

すごく特殊で、滅多に御目に掛かることがないんですが、二つの五行でのみ構成されている命式の方もおられます。

これを「両神成象格」と言います。

直球ストレートすぎる感じのタイプです。

二つの五行が相生関係のタイプと、相剋関係のタイプの2つの種類があります。

 

1)両神相生格

二つの五行が相生関係のタイプ

成立する条件

1)ほぼ同程度の力を持つ二つの五行で命式を構成している

2)二つの五行は相生関係にある

「木」と「火」

「火」と「土」

「土」と「金」

「金」と「水」

「水」と「木」

 

気質の特徴

考える前に行動に移る

 

調整方法

その後に巡る五行が来ると勢いが出る

「木」と「火」の場合は「土」

「火」と「土」の場合は「金」

「土」と「金」の場合は「水」

「金」と「水」の場合は「木」

「水」と「木」の場合は「火」

 

悪く出る場合

融通が効かない

思い通りにならないと気が済まない

 

 

2)両神相剋格

二つの五行が相剋関係のタイプ

成立する条件

1)ほぼ同程度の力を持つ二つの五行で命式を構成している

2)二つの五行は相剋関係にある

「木」と「土」

「火」と「金」

「土」と「水」

「金」と「木」

「水」と「火」

 

気質の特徴

公的な成功にこだわる

周囲の期待に応えたい気持ちが強い

 

調整方法

日主を守り五行間を取り持つ五行(通関神)が巡ると勢いが出る

「木」と「土」の場合は「火」

「火」と「金」の場合は「土」

「土」と「水」の場合は「金」

「金」と「木」の場合は「水」

「水」と「火」の場合は「木」

 

悪く出る場合

自己犠牲の精神が強すぎる

 

偏った命式を持っている人は、やはり個性的でユニークな人が多いと思います。

個性的なファッションを楽しまれていたり、独特の表現をされます。

なので、とても魅力的。

だけど、お話を伺ってみると、「みんなと一緒のことで、何でできないだろう・・・」と悩まれた経験を少なからず持っていらっしゃいます。

 

 

「個性」を発揮できるのは、その「個性」を受け入れてくれる「環境」だからです。

残念ながら、「どこでもオッケー」ではありません。

ぜひ、自分の足で、その「場所」を探してみてくださいね。

世界は広い!

必ずその「場所」はあります!!!!