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二つの「火」を絶やさないことが大切:「迷路の外には何がある?」:タロットカード「愚者」「魔術師」

 

子供の頃から本を読むのが好きで、外で遊ぶよりも、本を読んでいた方が「居心地」の良さを感じていました。

それは今でも変わっていなくて、カバンの中に、いつも読みかけの本を忍ばせていて、「ちょっとした空き時間」には、パラパラとページをめくると、何となく落ち着くのです。

 

ネットの情報は、とてもスピード感があって、刺激的です。次々と変わる情報に、ワクワクドキドキします。「旬」の情報は、仕事にも役立つので、欠かせない「ツール」です。

動く情報は「風」を起こしてくれるので、煮詰まった堂々巡りの「気」を、フレッシュな「風」で、リフレッシュしてくれます。

 

ただし、それは、どんどん「変化する情報」

「変化」は「無責任」だからこそ、瞬く間に駆け抜けていき、「さっきと言ってること違うでしょ?」と尋ねても、「あれ、そうっだったかなあと、「情報」そのものが駆け抜けていき、「無かったこと」にもなりかねません。

 

だから、鵜呑みにして、振り回されないように、常に、「それって、ほんと?誰が言ったの?」と「根っこ」を確認した方が、安全です。

 

 

その点、本は、「安定」しています。

それは、作者が名前を出して、「覚悟」を決めて、世に出しているから。そして、出版社も、会社名を出して、出版します。それまでには、「これだったら、売れる(受け入れられる)」と、数々の会議を乗り越えてきました。そして、上司の許可が降りてから、やっと出版に辿りつけます。

 

ずっと読み継がれている本には、「揺るぎない思い」が込められています。それは、時代が変わっても、ずっと変わらない「思い」です。

「大地(土)」に根ざした本は、いつも同じ事を教えてくれます。地に足をつけて、しっかりと考える事を教えてくれるのです。

 

だから、いろんな事に振り回されて、ベクトルがあっちに向いたりこっちに向いたり、不安定になった時、大地の存在を感じて、落ち着きます。

 

ただし、時代は「変化」しています。

「気」は成長のサイクル。止まる事なく、ぐるぐると巡っています。

 

なので、「昔」と「今」の、「切り取り方(解釈)」も「成長」しているのです。「揺るぎない思い」に触れながら、「今の自分だったら、どう受け止めるのか」、常に「今」を意識して、向き合う事が大切です。

 

 

これは、ずべての「学問」にも言える事だと感じています。

「四柱推命」も、例外ではありません。

古典の理論に触れると、変えてはいけない思想や、これからも、大切に守り続けたい解釈があります。でも、進化する時代とは、「そぐわない」事や、「無理がある」解釈もあります。それを、今の一番ベストな解釈をするためには、「風」の「情報」も取り入れなくては、「一方通行」になりかねません。

 

「風」も「土」も、両方大切です。

 

 

 

「持ち歩き率が高い本・トップ3」の中に、「チーズはどこへ消えた?」(スペンサー・ジョンソン著 扶桑社)が入ります。

 

この本は、かなり有名なので、ご存知の方も多いと思います。

なぜ、持ち歩き率が高いのかというと、軽くて、さらっと読めて、考え込まなくても良いところです。

軽いと、荷物が重くなりません。

さらっと読めるので、ちょっとした空き時間でも読めます。

考えて読むと集中してしまい、途中で本を閉じたくなくなってしまいます。でもこの本は、いつでも、どの場面でも、「また後で」と本を閉じる事ができます。

 

この本は、1998年、アメリカで出版され、それを2000年に日本で訳書として、出版されました。

著作であるスペンサー・ジョンソン氏は、医学博士・心理学者として、講演活動にも力を入れて行われていたそうで、講演会での反応や、ニーズに敏感に対応され、時には講演の内容を変えてしまうこともあったそうです。

日本での出版が決まった後から、彼は、原稿を書き直し、それはまるで、「違う本」ではないかと思うほど、シンプルで「軽い」感じに直されたそうです。

出版社としても、戸惑いは感じながらも、彼の提案を受け入れたそうです。

それまでの「啓発本」は、ずっしりと重くて、内容もしっかり詰まっていて、「机に向かって」読む本でした。でも、軽くて可愛い挿絵もあって、どこでも読める、新しいタイプの「啓発本」です。

 

だから、この本にはしっかりとした「土」があり、読むとワクワクさせてくれる「風」の両方入っていると感じます。

 

 

 

 

今年、「チーズ」のその後の物語が、誕生しました。

タイトルは「迷路の先には何がある」

 

内容は、今から読まれる方もおられるので、触れない事にしたいと思いますが・・・タイトルに書いてある通りです。(笑)

 

「昔どおりには戻らないと思う」

 

このセリフが、この物語の「全て」です。

戻らないものを受け入れて、これからどうして行こうかと悩みながら、物語が進みます。

 

 

 

この2冊の本を読んだ感想を、タロットカードで表現するとしたら、こんな感じだと思います。

 

上の部分「表現する自分」:愚者のカード

下の部分「支えとなる自分」:魔術師のカード

 

この2枚のカードに共通するメッセージは、「出発」です。

この2枚のカードに相反するメッセージは、「根拠の有無」です。

 

愚者は、「何とかなりそう。だって、やりたいから」と言って、「先」しか見ていません。目の前の崖の先に、もしかした「奈落の底」が待っているかもしれないけど、足元の犬が、「気をつけて」と吠えていても、全く聞く耳を持っていないのです。「テンション」だけが頼りです。

 

魔術師は、全ての「道具」を揃えて、いつでも使えるように並べています。「道具」を全て揃えるのは、とても大変な道のりでした。しかも、「道具」を使いこなすためには、「練習」も必要です。なかなか上手くできなくでも、諦めずに、黙々と、「練習」を繰り返しました。情熱の炎のような、真っ赤な「ローブ」に身を包み、自信たっぷりに、皆んなに宣言します。「行ってきます。ついにその時が来たから」

培った「モチベーション」の炎は、簡単には消えません。消えないどころか、「困難」な状況の方が、ふつふつと燃え上がります。

 

「枠」を超える時、何も考えない。

出来る限りの準備と、準備のための努力を積み重ねていたら、「テンション」の炎が消えても、「モチベーション」の種火が、再び「テンション」に「火」のパワーをくれます。

 

もしも、この逆にカードを並べたとしたら。

「勢い」よく飛び出してみたものの、準備不足に気がついて、「準備」のための炎が燃え始め、全てのエネルギーを「準備」のために使ってしまいます。

 

準備(努力)が全て、実を結ぶことはありませんが

準備(努力)なしの「出発」は、足元のない「景色」なので、とても不安定で、危なっかしい。

 

「迷路の外」に出るときには、能天気さが、背中を押してくれます。

 

 

本屋さんで、並んでいる本を「観察」するのが好きです。

売れ筋の本には、「今、求められている」情報が詰まっていると思います。なので、そのタイトルとか、目次や内容に、さらっと目を通すと、「先」のことが想像ができるのです。

 

どの著者も、「これからこれが大切ですよ」と、自分の専門分野や得意分野で、それを表現してくれます。

それは、「地に足のついた」情報です。

「ヒット」するのは、「意味」があって、その「意味」を考えると、「今どうするとお得」なのかが見えてきます。

 

「チーズはどこへ消えた?」が出版された2000年は、「枠」がまだあって、「ここに居たら、とりあえず安心」だった頃。「枠」を突破することを、半ば諦めていたので、「テンション」をあげていけば、楽しく頑張れました。

 

「枠」が内側から崩れ始め、「個」のあり方が問われ始めてきた今、「枠の外」に出ることを、強いられています。

それは、自分で決めて、自分で責任をとることを求められることです。不安定な「テンション」は、かえって足を引っ張るかもしれません。

 

「枠」の外の世界へと続く道を、どうやって見つける事が出来たのか。この物語は、教えてくれます。

 

 

物語は、「ハッピーエンド」で終わります。

 

 

「あなたは自分が思っているよりずっと多くのことができるのよ」

この物語の中で、私が一番好きなセリフです。

 

これからは、このセリフを、私の「口癖」として、大切にしたいと思っています。