過去ブログ

わたしの「運」は、果たして良いのか悪いのか?:「運」を分解して捉えてみる

「命式」が悪いから、何をやっても上手くいかない・・・・

巡っている「大運」が悪いから、この10年は嫌な事ばかり続く・・・・

 

これって、本当にそうなんでしょうか?

 

答えは

そうでもあり、そうでもない

です。

 

なぜ、こんなにもモヤっとした解答になってしまうのかというと

それは、全ては「半分半分」だからです。(陰陽論)

 

紙に表と裏があるように、日が当たると日向と日陰ができるように、一日のうち太陽が輝く明るい昼間と、太陽が輝かない暗い夜があるように。

運も「表」と「裏」があり、強いていうならば「吉」と「凶」があります。

 

「吉」「凶」については、その人によって何が「吉」なのかは違うし、時が流れる様に運も流れるので、「吉」「凶」も流れて巡ります。

 

だから「半分」は正解で、「半分」は不正解。

 

なぜ「悪い」と考えられているのかを知ると、「なるほど」と納得できるし、実は「悪い」だけではないことが理解できます。

 

「陰」を感じるのか、「陽」を採用するのかは、自分次第です。

 

 

「命式」とは、この世に生まれ落ちた瞬間に巡っていた「気」を、八文字で表したものです。

 

東洋思想では、全てのものは「気」であり、その偏りの違いが個性となって現れていると考えられています。

その偏りを、分析していくのが、「命式」を使った鑑定になります。

 

それから、「命式」の中の「月柱」を基準として、その人特有の「季節」の巡りを割り出すことで、「大運」が分かります。

 

なので、「命式」と「大運」は、その人固有の「自分」のものと言えます。

これは、生年月日により決まっています。

 

 

 

また、「気」は絶えず動いていて、同じ状態で留まることはありません。

その動く「気」が、「命式」にどのように影響を与えて来るかを観ていくのが、運気の流れの鑑定です。

 

それから、人は常に様々な「環境」から「気」の影響を受けています。

一緒に過ごす人が持っている「五行」は、関係性が深いほど、混じり合います。

旬の野菜には、その季節に必要な「五行」と、野菜が育った土地の「気」が含まれていて、それを食べることで、影響を授かります。

 

それらは「自分以外」のものです。

 

 

つまり、運とは「自分」と「自分以外」の二つを合わせて、その人の運と言えることになります。

陰陽論に当てはめてみると

半分は「自分」

半分は「自分以外」

となりますね。

 

 

ちょっとややこしいかもしれないので

表にしてみました。

 

「気」の全体像(割合)

全体(%

割合

割合

割合

割合

⑤100

50

20

自分

①命式(変化しない)

40

100

30

②大運(10年毎に変化する)

60

50

25

自分

以外

③選択できる

(環境・人・食べ物・色・行動・思考・健康状態など)

50

100

25

④選択できない

(巡る年干支・月干支・日干支・季節など)

50

 

全体は⑤

①と②と③と④の合計です。

①と②で「50」 ③と④で「50」

 

自分は⑥

大運はその人の運の6割を占めていると考えられています。

なので①は「40」で②は「60」

 

そうすると、「命式」は全体の「20」を占める

「大運」は全体の「30」を占める

と考えることができます。

 

 

と言うことは

「命式」が悪いから、何をやっても上手くいかない・・・・

巡っている大運が悪いから、この10年は嫌な事ばかり続く・・・・

 

これは、「本当にその通り!」とは、とても言えないんです。

でも、ちょっとは関係がないとも言えない。「0」ではないから。

 

 

 

ここで大事なのは、③の存在です。

自分で選べるものは、全体の「25」もあります。

これは「命式」よりも、ちょっと大きい。

「大運」よりは小さいけど、「100」分の「5」くらいは誤差の範囲と丸め込みましょう!

 

 

「大運」は「季節」の巡りなので、そもそもピンポイントに「これだ」とは言い難いのです。

今年の「夏」を一言で、良いか悪いか答えよと、言われている様なものです。

 

 

人は不思議なことに、興味関心があるものを、自然に引き寄せてしまいます。

見えないアンテナが、「何か」をキャッチして、たちまちその方角に視線が定まり、手が伸びます。

 

全体の運の4分の1も占めるほどの大きさで、掴んだものが作用するからこそ、何を選ぶのかは、心から嬉しいと思えるものを掴みたいですね。

 

 

ただ、頭で色々考えていると、何が嬉しいのかさえ分からなくなってしまいます。

 

だから、間違いない方法としては、「嫌だな」と思うものから離れる。

距離を置く。関わらない。見ない聞かない気にしない。

これは最強の方法です。

 

情報が溢れかえっているようで、実は、自分に流れてくる情報は偏っているそうです。

と言うのも、ネットで検索すると、賢い検索ツールは、「あなたの興味がある情報」を親切にまとめてどんどん送ってくるそうなんです。

SNSの中で流れてくる「広告」やら、おすすめの「お買い物リスト」やら、「なぜ私の好みがわかるの?」とびっくりするほど的確にヒットします。

 

とっても便利で有り難いんだけど、ネガティブになっている時にはちょっと困ったことになってしまう・・・・。

 

③だけは、自分でしっかり決めたいですよね。

 

 

そうは言っても、やはり「命式」も大事にしましょう。

それは「自分固有」のものだからです。

 

 

「命式」について、とても面白い物語があるのでご紹介します。

四柱推命が確立された明の時代、時の権力者である洪武帝は、自分と全く同じ四柱推命の命式を持っている人物がいると聞き、天下を盗られるのではないかと大いに心配し、その人物を召し出しました。

その、召し出された人物は、洛陽に住む李と名乗る貧乏な老人でした。

その身なりを見て安心した洪武帝は老人に「何をして暮らしているのか」と問いました。

「わたしは、蜂の巣を13養って、日を過ごしております。」と老人が答えると、洪武帝は次のように言ったと伝えられています。

「これは、わが国が享受する一三省から、税を徴収しているのと、まさしく同じである。」

<「四柱推命完全マニュアル」 浅野太志著 総和社 より抜粋>