<今週のアロマの香り>クラリセージ・オレンジ:「魂」と「魄」を一つにする
<今週のアロマの香り>
・クラリセージ
・オレンジ
少し「癖」のある香りは、人に対してマニアックに働きかけてきます。
クラリセージも、少し癖を感じ流ので、好き嫌いが分かれます。
甘く重たい香りは、後を引きます。なので、たくさん使ってしまうと、いつまでも、クラリセージが香るので、鼻が疲れてしまいます。
香りは、ふっと香り、ふっと消えていく程度に使います。
形のない「気」は、どれもみんな、ふっと現れふっと消えます。
香りも例外ではありません。
オレンジの香りが苦手な人は、ほぼいらっしゃらないと言って良いくらい、人気があり、使いやすい香りです。
果物のオレンジは、皆んなたくさん食べているし、なしかしらオレンジの香りの商品にも触れているので、慣れ親しんでいる香りですね。
癖のある香りを、気軽に楽しみたい時は、オレンジのような、慣れ親しんだ香りとブレンドすると良いですね。
癖のあるクラリセージも、オレンジと一緒になって、「カジュアル」な香りになりました。
クラリセージは、2年草(多年草もあります)の草本です。
30センチから120センチくらいまで成長します。
ハーブ調の香りは、思わず深呼吸をしたくなる濃密さがあります。
「胸部をひらくように導く」とも言われているんですよ。
もちろん、リラックス効果が期待でき、特に、ホルモンバランスが不安定な方におすすめの精油です。
女性の強い味方ですね。
東洋医学の視点からは、「気虚」を補い、気を巡らせる効果があると言われています。
「気虚」とは、「気が虚する」こと。つまり、「気」が少なくなってしまうのです。
「気」が少なくなると、ガソリンが十分に入っていない車のような状態だと考えてください。
いくら、動こうとしても、自分の力では動けません。動く以前の問題です。
クラリセージの香りを嗅ぐと、リラックスも出来るのですが、それと同時に、内側が充実して、動けるような自信が溢れてくると感じています。
五行は「金」
乾燥していて、暖かくもなく冷たくもない「平性」の性質を持っています。
(精油についての解釈は「スピリットとアロマテラピー」ガブリエル・モージェイ著 前田久仁子訳 フレグランスジャーナル社)を参考にしています。(一部抜粋あり))
「金」の五行は、「肺」の臓器に属しています。
「肺」について、中国最古の医学書(養生奇書)と言われる「黄帝内経」(こうていだいけい)には、息が生まれる「肺」について、「動物的な霊、あるいは下等霊が宿るところ」だと記されています。
また、「肺」は、外部からの空気を吸い込み、生命維持に必要な力を取り込み、それによって、内部で生じた不浄なものを、呼気として排除します。
人が意識せず、自然に、必要なものと、不必要なものを選んでいるわけです。
また、生命活動を司る「五神」では、「金」は「魄」(はく)です。
「魄」とは、肉体を支えている「陰」の気で、「木・肝」の「五神」「魂」(こん)と表裏一体の関係です。
この二つのバランスが整っていると、「心身共に前向きに動ける」状態となります。
「魄」の状態は、呼吸のリズムに表れます。
吸って吐いてをリズミカルにできていると、「魄」もリズミカルに動いていて、息が浅くなったり、上手く吸えていないと、当然吐く息も弱くなってしまいます。
呼吸は、一回毎に完結していて、吸っただけ吐けているのが良い状態です。つまり、「この一回に集中」して、「今」を大事にしています。
呼吸に向き合って、呼吸を整えること。
それは「魄」を整えることです。
「魄」が整ってくると、表裏一体の「魂」の整っていきます。
忙しい毎日の中、ちょっと手を止めて、肺の中の息を全部出し切って、肺をぺっちゃんこにし、それから思いっきり息を吸い込んで、肺をパンパンに膨らませてみましょうね。
「魄」と「魂」が整います。
「金」が整ってくると、崇高な感情が沸き上がってきます。
「金」が最も崇高な状態になった時に感じる感情は「敬意」です。
相手を敬い、尊敬する気持ち。
それは、相手の「枠」を超えていき、「大いなるもの」への敬意となっていきます。
周囲の人に感じ、周囲の人よりも、もっと遠くに、全ての人に感じ、自然に感じ、そして、自分に感じる。
それは、受け入れるだけでなく、排除するもの、排除すべきものから遠ざかる「勇気」も持てるはずです。
「金」は切る「気」だから。
自分の「魄」を傷つけるものからは、決別をしましょう。