なぜ「己土濁壬」が起こるのか:「土」と「水」が出合ったらこんな景色が生まれます
お盆を過ぎた頃から、朝夕の空気の中に、ひんやりとした風を感じるようになりましたね。
8月「申」が、どんどん勢いを増していくのを、肌で感じています。
9月には、秋の極み「酉」がやってきて、「秋本番」となります。
十二支の巡りは、12個を12ヶ月で巡るので、毎月同じ十二支が当てはまります。
しかし、十干は10個なので、2ヶ月づつずれて当てはまります。
8月は「戊」
「戊」は土気の陽。
どっしりと安定感のある気。
9月は「己」
「己」は土気の陰。
広大な大地の気。
様々なものを受け入れ、受け止め、そこに立つもの全てに、自分の力を授けようとします。
日主「己」の人は、この特徴が強く出るので、とても雄大で優しいタイプです。
そして、何よりも我慢強い。
普通だったら、とっくの昔に根を上げて逃げ出してしまうことも、グッと耐えてその場に留まります。
9月は、「己」の影響を受けるので、みんなにこの傾向が出やすくなります。
なので、あまり「我慢」しない方が良いかもしれないですね。
気が付いたら許容範囲を越えていた・・・・なんてことになりかねませんから。
2022年は「壬」が巡っています。
9月は「壬」と「己」が出会います。
この二つの相性は、ちょっと微妙なのです。
四柱推命では、この二つのバランスが崩れると「己土濁壬」と言い、土石流が様々なものを飲み込んでしまう景色になると考えます。
では、どのような場合に起こりやすくなるのかと言うと、どちらも両方とも強めなとき。
土が強いと、必要以上なものを受け止めすぎになるので、この場合は、水を吸収しすぎる。
そして、水が強いと、小川ではなく大河。水分量が多い。
これは、際限なく降り掛かる仕事を精一杯こなして、休まずにコツコツとやっていて・・・・ある時突然、そんな自分が嫌になり、今まで頑張ってきたことも全て無駄なことだったように思い、水に流されるように自滅・・・・といった感じです。
五行の中で、自分を変えるほど影響を与えてくるのは「火」と「水」です。
「火」は熱の影響を及ぼすので「加熱調理」をするから。
「水」は染み込んできて「芯」まで「水」が入り込むから。
どちらも内面深くまで、変化をもたらしてくれます。
なので、「己」は、多くの「水」を含み、「泥沼」のようになってしまう可能性があると考えられますね。
土気の象意として、「安定感」「自分軸」「中心」「居場所」「信じる心」がありますが、「泥沼」になると、これが根底からグズグズになってしまうのです。
なので、自信を失ったり、他人を信じられなくなったりする傾向が出ます。
そして、「今まで積み上げてきたもの」さえも、泥に汚れて見えてしまうのです。
9月は嫌な予感がする・・・・・・・
そんな不安を感じる必要はありません。
対処法があります!
「己土濁壬」について、もう一度考えてみましょうね。
・土が水を含む
・その水は含み過ぎ
・なので土ではなくドロドロの泥になる
・泥になってもまだ水はやってくる
・水がいっぱいなのに、まだ水を吸おうと頑張る
・自滅・・・・・
こんな景色。
そうすると、対処法としては
・水を吸い過ぎない
・水に負けない土を積み上げる
この二つが良さそうですね。
それでは、まず、水を吸い過ぎないためにどうしたらいいでしょうか。
水気は、冷たく暗く沈む気で、どんな器にも納まります。遮られても、少しの隙間があれば、そこから染み出してくる。
「知恵」や「思考」の気でもあります。なので良く考える。
また水気は「聴覚」の刺激で勢いを増します。
それから、「恐」の感情を司る。
「睡眠」を司っているので、安定したいい状態であると夜もぐっすり眠れます。
そうではないと、眠れなかったり、逆にいつもダラダラ眠たい。
と言うことは
恐怖を煽るようなことを、四六時中聞いていると、余計なことばかり頭に浮かんで、これから先の事は、真っ暗で見えなくて気持ちが沈む。夜になるとますます不安になって、けっきょく夜中に何度も目が覚めて熟睡できない。
この状態が続くと、己が全部の水を受け止めて・・・・
だからわたしはダメなんだと、自滅。
まずは、不安になる情報からは距離をおく。聞かない。
これだけでも随分と違ってくるはずですよ!
それから、睡眠環境を整えてみるのも良いですね。
くれぐれも眠れないからって、夜中、不必要にSNSを開かない。
夜は水気が満ちています。
夜中の「つぶやき」は、水気に満ちているんです。なので、ちょっと危険ですね。
そんな時は、心休まる音楽を聴いて、温かい寝具で横になってくださいね。
濁流を阻止できますよ。
次は、負けない土の作り方です。
土気は、自分軸でもありますが、体の中心にある胃の力を支えています。
土気が不安定になると、食欲が落ちる、逆に過剰に食べてしまうなどの傾向が出やすくなります。
毎日の食事を丁寧に摂る。
それだけでなく、食べるものに意識を向けるだけでも、土は勢いを増してくれますよ。
ポイントは、自分が食べやすいか、美味しいと感じるか。
人から勧められてものでも、食べてみて「なんかちょっと違うな」と感じたら、土が無理をして受け入れた証です。
栄養バランスも大事ですが、それよりも、飲み込みやすいかで判断してみましょうね。
そのためには、よく噛んで。ついでに、歯のケアも意識すると効果が倍増しそう。
食欲の秋でもあるので、食を楽しむにはちょうど良い季節ですね!
9月8日から「己」です。
良かったら、9月の計画を立てるときの参考にしてくださいね。