「陽」は「陽」として、「陰」は「陰」として進んでいこう:陰陽論:
「命式」を紐解いていく時、最も意識をするのは「陰陽のどちらに傾いている命式」なのかをチェックすることだと思います。
生まれた日に巡っていた「十干」は、その人そのものです。これが「陽」であれば「陽タイプ」となり、「陰」であれば「陰タイプ」となります。
生まれた月に巡っていた「十干」が、その人の外の顔です。これが「陽」であれば「陽タイプ」となり、「陰」であれば「陰タイプ」となります。
どちらも「陽」であれば、間違いなく「陽タイプ」
「陽」に振り切るのが得意です。
どちらも「陰」であれば、間違いなく「陰タイプ」
「陰」に極めていくのが得意です。
陰陽が混じり合っている場合は、関係性から「どっち寄り」なのかを観ていきます。
陰陽は、良し悪しとは関係はないのですが、「印象的」には「陽」の方が受けが良いらしく、「陰タイプ」の人は、「成功しにくいんですか?・・・」「暗い性格みたい」「ネガティブっぽいですね」と言われてしまうことがとても多いです。
そんな時には「陰陽」についてお話をさせていただいています。
そもそも、「陰陽」とは何か。
これは、一言では言えないくらい、深くて面白くて、一晩語り明かせるくらいなんですが。。。
陰陽論は、伏義(ふくぎ)が唱えたと言われています。
伏義とは古代中国神話に登場する神、または伝説上の帝王です。
伏義は易の八卦(はっけ)も考案したとされています。
この理論は、日本に入り「陰陽道」(おんみょうどう)となりました。
『天地万物は「陰」「陽」の二つの相反するものから成り立っている。』
これが陰陽論です。(二元論)
陰陽論には、4つの大原則があります。
1)陰陽の対立
相反する面(上と下、左と右など)はお互いに助け合って存在し、一つの
統一した世界を作っています。
一枚の「紙」を想像してみてください。
「紙」には「表面」と「裏面」があります。「表」だけしかない「紙」はありませんよね。
二つの面が「面」があって、一枚の「紙」として存在しています。
2)陰陽の相根作用
陰陽は、同じ根を持ち、依存しながら存在しています。相手から離れて存
在することはできません。対立する相手があって、はじめて存在すること
ができます。
昼間にガツガツ活動している人も、夜になると静かに眠ります。
休むことなく活動している人はいません。というか不可能です。
昼間の人と、夜の人では反対の「質」を持っていますが、別人ではありません。
3)陰陽の消長平衡
陰陽の量的関係は、絶えず変化していて、静止することはありません。一
定の範囲の中で、“陰が増せば陽が減り、陽が増せば陰が減る”を繰り返し
ています。
夏は日照時間が長くなります。一日は24時間なので、日照時間が長くなるとその分暗闇の時間が短くなります。冬はその反対です。24時間の中で量的関係が変わっていきます。
4)陰陽の相互転化
対立する陰陽が、ある条件のもとで極まると、反対の性質に転化(変化)
します。
“陰が極まると陽となり、陽が極まる陰となる”
張り詰めて頑張り続けていると、とても小さな「きっかけ」でポキッと折れてしまうことがあります。突然「キレて」暴言を吐いたり、突然突拍子もなくその場を逃げ出してしまったり、クルッとひっくり返ってしまいます。
古代中国哲学では、相反する陰陽二つの気が統一されて万物が生じたと考えられています。
つまり、陰陽とは、自然界の基本法則であり、万物の規律であり、変化を生み出す原動力です。
陰陽があるからこそ、揺らぎが生まれ、その揺らぎから「新しい波」が起こります。
それでは、具体的な事象における陰陽を見てみましょう。
自然界の陰陽 |
|||||||
陽 |
天 |
太陽 |
昼 |
上 |
熱 |
動 |
明 |
陰 |
地 |
月 |
夜 |
下 |
寒 |
静 |
暗 |
人体組織の陰陽 |
|||||||
陽 |
男 |
上部 |
背部 |
皮膚 |
六腑 |
||
陰 |
女 |
下部 |
腹部 |
筋骨 |
五臓 |
||
生理機能・感情・行動の陰陽 |
|||||||
陽 |
興奮 |
声が大きい |
テンションが高い |
火照る |
行動的 |
外向的 |
|
陰 |
鎮静 |
声が小さい |
テンションが低い |
冷える |
思考的 |
内向的 |
ちょっと話は外れてしまうかもしれませんが。。。
四柱推命の解釈において、陰陽が重要だとお話をしました。
性別にも陰陽があり、「男性は陽」「女性は陰」として決められています。
ここには、ジェンダーレスの概念は全く入りません。
「男性」は「陽」として生きるのが吉
「女性」は「陰」として生きるのが吉
そして、その反対は「凶」だと解釈をします。
人生の大きな流れを観ていく「大運」の流れる方向についても、男性と女性では、向きが反対になります。
生まれた年の十干が「陽」なら、男性は「順番に」六十干支が巡り(順運)、女性は「反対方向」に巡ります(逆運)。
「陰」の場合は、その反対になります。
ここでは、内面の「性別」は全く考慮には入れません。
あくまでも、生まれた時の外側から確認できる肉体的な性別だけで読み解きます。
時代と共に、解釈は変わっています。
もしかしたら、内面の性別で鑑定をしたみた方が、「当たってる」と感じることもあるかもしれないですね。
世界最古の医学書と言われる「黄帝内経」によると、『自然界の現象であろうとも、人体であろうとも、陽に偏りすぎたり、陰に偏りすぎてはいけない。陰陽のバランスの崩れが病となる。すなわち陰陽のバランスを整えることが養生である』と述べられています。
陽に偏った状態とは、やる気が出て行動的になります。これが行き過ぎると、攻撃的になってしまい、進化のサイクルを必要以上に速めてしまい、いわゆる空回りの状態になります。一方、陰に偏った状態とは、気持ちが落ち込みくよくよ悩んで動けなくなります。これが行き過ぎると、自ら動く事ができず、依存的になってしまい、進化のサイクルを留めてしまいます。
陽に傾いている時には、陰を意識する、また、陰に傾いている時には、陽を意識して行動すると、「気」のバランスをとる事ができます。
例えば、落ち込んだ時には、窓を開けて太陽の光を浴びる、気持ちが高ぶっている時には、静かで薄暗い空間で過ごしてみる、などの方法があります。
また、二つの視点をもつ事も、陰陽のバランスを整えることになり、思考が偏ることを防いでくれます。
これは、ある物事を客観的に見る方法で、あえて「逆」から捉えます。二人の自分が相反する視点から観察をします。そして、それを比較検討して結論を導き出します。この方法は、自らの気づきを得る事ができ、その結果、思い込みのループから脱出し、それを元にして創造的に思考を広げる事ができます。
バランスをとることは、「安定」の状態を作ることです。
「安定」とは、今の状況がこれからも続く、または、補償されている場合に「吉」となります。
続けていくことで、積み上げる。その積み上げたものが高く大きいほど「吉」と考えられている場合は、「安定」こそが「吉」。
そこには、積み上げられたものの「価値」が変わらないことが大前提です。
そっくりそのまま、今の時代に当てはまるかというと
残念ながら、そうではなくなっています。
運気が非常に偏る時、多くのチャンスをものの見事に掴む方は、実はとても多いです。
というよりも、安定している運気では、インパクトが少し足りなくて、なかなか踏み出せない。やめた方が良いけど捨てられないなどの優柔不断さも出やすくなるように感じています。
「陽」に偏る時には、外の世界に引っ張り出されます。
「陰」に偏る時には、自分自身のスケールが拡大します。
どちらも、間違いなく「変革」のきっかけになりますね。
それを「良いこと」なのか、そうではないのかは、その人の受け止め方次第です。(これも陰陽のどちらを意識するかにかかっていますね)
「陽」タイプの人は、最初に「行動」それから軌道修正をしていく方が、しっくりくると思います。
行動できないと、ウズウズしてしまい、それだけで「ついてない」とテンションが下がってしまう傾向があります。
「課題」を決めて、自分で一つ一つこなしていく。
一つ「課題」を達成するたびに、自分にご褒美をしても良いかもしれないですね。
「陰」タイプの人は、いきなり「行動」しなくてはいけない時、後ろに体の軸が傾きます。なので、最初に「情報収集」それから出来る事をやっていく。
的確な情報は、自分の軸の土台となって支えてくれます。
一つ「出来ること」が増えるごとに、自分の中が「達成感」に満ちていきます。
「達成感」が満ちた時、驚くほどの力が発揮出来るようになっています。
「陽」タイプの人と、上手に付き合っていくには、「ご褒美」が大事です。
もしも、不要にも怒らせてしまったら、誠意を持って謝るだけでなく、どんなに大切な存在であるかを「明確な事例」を出して説明しましょう。
だから、普段から「事例」を積み上げていなくてはいけません。
「陰」タイプの人と、上手に付き合っていくには、「気持ち」が大事です。
もしも、不用意に怒らせてしまったら・・・・というよりも、怒らないかもしれません。怒るよりも受け入れて飲み込んでくれているから。
だから、関係が良好なのかどうか、外側からだけでは見えづらいのです。普段から、「気持ち」を大事にしてあげようと努力をしていれば、大抵のことは許してもらえます。
いずれにしても、きちんと「観察」していないと、上手く付き合っていくのは難しいとも言えますね。