「進化」が目指していた「景色」がどうやら変わっていきそうです:「陽」から「陰」へ:「相生」と「相剋」を意識する
気の巡りは、「進化」の巡りです。
「木」の母が「火」の子供を育て「火」が母となり
「火」の母が「土」の子供を育て「土」が母となり
「土」の母が「金」の子供を育て「金」が母となり
「金」の母が「水」の子供を育て「水」が母となり
「水」の母が「木」の子供を育て「木」が母となり・・・・
これが永遠に続いていき、時が流れ暦が進みます。
この関係のことを、東洋思想では「相生」の関係と呼んでいて、この関係を利用して、進化がよりスムーズにいくために調整をしていきます。
時が流れると言うことは、つまり、「成長」していく流れがあり、その「成長」の流れに乗っていると言うことは、「成長を強いられている」とも言えます。
ヒトは、ずっと昔から、「今日よりも明日がもっと良くなるように」と、努力し頑張って歩いてきた。今までも、今も、これからも。
この思想を初めて知った時、右肩上がりの坂道をずっと登り続けていく「景色」が浮かんで、ちょっとしんどいな・・・とも感じました。
今日できないことが、明日はできるように
例え明日できなくても、明後日はできるかもしれない。
今よりも、もっと「良い」未来のために、今がある。
そのために、皆んな頑張っている。
進化とは、より大きく、より高く、より速く、より遠く、より広く・・・。それは良し悪しではなくて、ただそうなっていく。それが「進化」の目指すところで、それが永遠に続きます。
物事には、必ず「裏の顔」があります。
「進化」にも「裏の顔」、つまり、「逆進化」のエネルギーがあります。
「水」は「火」を消す
「火」は「金」を溶かす
「金」は「木」を切る
「木」が「土」の中に根を張る
「土」は「水」の流れを遮る
この関係を「相剋(そうこく)」の関係と言います。
「相剋」は、相手の気をやっつけてしまうため、一見すると「要らない」と思われがちですが、行き過ぎた「気」の暴走を止めて、全体を均してくれる働きをしてくれます。
つまり
燃え盛りすぎる「火」を「水」が消し止めてくれて
何もかも切り過ぎる「金」を「火」が抑制してくれて
繁り過ぎる「木」を「金」が切り倒してくれて
固くなり過ぎる「土」を「木」の根が解してくれて
「水」が越えてはいけない場所に行かないように「土」が関所を設ける
「相生」と「相剋」のバランスを、良い塩梅にとりながら
物事は右肩上がりに「進化」をしていく
これが、最も理想とする「景色」として、ベクトルの先を向けていました。
2020年、ヒトは、今までにない方向にベクトルの向きを、急変更することを「決断」しました。といか、決断を強いられたのかもしれません。
より大きく、より高く、より速く、より遠く、より広く・・・ではなくて、全てを「止める」ことを「決断」しました。
これは、ヒトにとって、人類史上、初めての「決断」
たくさんの「傷」を負いながら、この先どうなるのか全く予想ができなくても、アクセルからブレーキに、シフトを変えました。
それは、「英断」と言うにはあまりにも大きい決断。
今までは、どんどん色んな「もの」が地球上を飛び回って、その数がどんどん増えていき、時にはそれらがぶつかりそうになってもなお、どんどん増えていっていた。それが、ある時突然、パタっと止まってしまった。
もしも、もう一つの「目」があって、地球の外から眺めることができたなら、今まではさぞかし忙しなく、目に映っていたかもしれませんね。
そして、ある時突然、パタっと止まってしまった「景色」は、一体どのように映っているのでしょう。
「右肩上がり」しか経験したことがなかったけど、「下がる」経験を皆んなが揃ってしている。
だから、本当に大変で、不安で、見ている「景色」は未知の「景色」。
不安を煽るような「情報」に一喜一憂しないようしようと、日々感じています。
少しずつ、動き始めてはきていますが、それでも、すぐに「元通り」かと言うと、なかなかそれは難しい。何よりも、一度「逆」を体験してしまったので、「進化」の方向の先にある「リスク」も具体的に目にして気付いてしまったから。
今は、アクセルとブレーキの両方を、思いっきり踏み込んで、同じ場所で動けずにエンジンがブンブン鳴っている感じです。
ちょっとでも油断して、どちらかに荷重がかかり過ぎると、たちまちバランスが崩れてしまいそう。
慎重に、慎重に。
ゆっくりと。
「焦らず腐らずコツコツと」
それが求められているのかもしれません。
右肩上がりの「景色」とは「陽」で溢れていて
その逆は「陰」の気で溢れている「景色」です。
「陰」とは、受容する、寛容に、柔らかく、しなやかに、弾力があり、外向きではなくて内向きの気です。
より大きくではなくて、自分の手に収めることができ
より高くではなくて、深く深く、追求していく
より速くではなくて、じっくりゆっくり味わって
より遠くではなくて、どんな時でも駆け付けていけて
より広くではなくて、手の届く範囲で
「陰」がとても素敵にキラキラと輝いている「景色」がこれからの「ゴール」に変わっていくんだと感じています。
ヒトは、やはり「進化」していきたい。それは、気のサイクルは「進化」のサイクルだから。
「陽」の「ゴール」から「陰」の「ゴール」へと、シフトチェンジをしてみると、これから先も、楽しみに感じることができるはず。
「焦らず腐らずコツコツと」
実は、これ、「運が良い人」の100パーセントの人が必ずやっていることなんですよ。と言うか、これがなくては「運が良い人」にはなれない。
今、自分が取り組もうとしていることを、もう一度洗い直して、「なぜ、自分がやるのか」と自分の答えを出してみる。そして、それが「陰」の景色に該当することであれば、必ず道は開きます。
上手く進まなくなった時には、「相剋」関係をイメージしてみると、越えてはいけない「場所」が明確になって、その後ろに「陰」の「場所」が隠れています。だから、掘り起こして、自らの心で感じとりましょう。
なぜならば、「陽」は見える形として在りますが、「陰」は見えない雰囲気なので、自分の心で感じるしかないからです。