「立ち入り禁止」は、立ち入ってはいけないから「禁止」されています:陰陽理論:大元神社(宇佐神宮奥宮)
大元神社は、宇佐神宮の奥宮として、宇佐市御許山(おもとさん)に9合目に鎮座しています。
「比売大神」の原姿とされる三女神が御許山に降臨したと言われていて、山全体が「御神体」とされ、なので、大元神社には拝殿はありますが本殿はありません。
この神社、強力なパワーを宿している「有難い神社」として、有名ではありますが、気軽には参拝できないのです。
それはなぜかと言うと・・・・
「参拝」ではなく、「登山」だから。
タクシーで、神社から「徒歩10 分」の場所にある駐車場までは行けるそうですが、運転手さんのよっては、「苦い顔」をされるほど、道がかなり険しく、特に雨が降っていると「危険」なので、天候次第では断られることも。
それは、お客様の安全が保証できないから。
なので、大抵の方は、1時間近くかけて、山を登って、参拝をします。
登山口を入ると、杖があります。
これは、絶対に、要ります!
真っ直ぐな竹のタイプや、曲がった仙人タイプ、長いの短いの、様々、種類も豊富。
お好みの「相棒」をたずさえ、いざ、出発。
手書きの「ウエルカムボード」に心が和む
立ち並ぶ木々が、時々サワサワと、心地良い風を運んできてくれます。
小鳥たちのさえずりが、耳を楽しませてくれます。
時には
暗い森に迷い込んでしまったかも・・・・
と、ソワソワ不安になる。
石だらけの道や、断崖の道
ぬかるんだ道や、落ち葉が敷き詰められた道
急激な登り坂などなど。
のんびり写真を撮る余裕のない道を黙々と歩くこと、たぶん50分くらい、かな。
時間も分からなくなった・・・
そして、石畳の道にたどり着き
目指すゴールは目前。
たどり着きました。
こちらが拝殿
向かい側には
大元八坂神社があります。
拝殿の裏には「立ち入り禁止」の立て看板が。
この先からは、外からの侵入者を頑なに拒んでいます。
厳しい「結界」があります。
拝殿側から見た、「結界の図」
鳥居の向こう側は、何人たりとも、一歩も踏み込むことはできません。
気のせいか、「禁足地」から、とても冷たい、でも、とても清らかな、風が吹いていて、それは、潔さすら感じ、背筋がシャキッと伸びてきました。
森羅万象の気は、「陰」と「陽」
全ての「陰」を、結界の向こう側では、受け止めてくれていて、吸い取ってくれている。一度「陰」が溢れ出してしまったら、「陽」の世界が、大きな「陰」の渦に飲まれてしまいそう。
「陰」の気は受容する、それは充実するため
「陽」の気は放出する、それは進むため
自分の心の中の、嫉妬や妬みや、ドロドロとした「部分」は、そこにあることは否定せずに、でも、しっかりと「結界」を張り巡らして、内に止めるように。
喜びや愛情は、惜しまず外に放出をする。出し惜しみせず、全て出す。
あまりにも大きくて、存在を知ることもできないくらい、「奥外にある陰」は、それと対抗できるくらいの、「熱い覚悟」ができないと、不用意に知ることはしない方が良いと思います。
陰は、受容するものなので、自ら操作できません。
なので、どんなに大切な人であったとしても、一方的にその人の「禁足地」に踏み込むことは、立ち入り禁止の看板に書かれている様に、「罰せられる」ほどの行為なのかもしれません。
でも、そんな時、指を咥えて見ているだけでは、何も変わらない。
そんな時には、まるで「太陽」の様な、熱い愛情で包み込んであげると、「禁足地」から、外に出てみたいと感じるかも。
それは、大切な人の場合だけでなく、自分自身の場合も同じです。
なぜなら、陰陽はバランスをとっているから。
たくさんの「陽」が溢れると、たくさんの「陰」を受け入れる「器」も大きくなっていくから。
拝殿周囲は、とても冷たい雰囲気でしたが
向かい合わせの、大元八坂神社の境内は、とても穏やかで温かい雰囲気でいっぱいでした。
大元神社は
陰は陰として、腹に据え
陽は陽として、腹を決める
陰陽の大切さをしっかりと教えてくれる「場所」なのかもしれませんね。
こちらに参拝される時には、ぜひ、歩きやすい靴と、転んでも大丈夫なお洋服で。そして、雨の日や、時間があまりない時には、おすすめはできません。
しっかりと「準備」をして、臨んでくださいね。
「準備」以上のものを、受け取ることができますよ。