「伝わらない」時には、もしかしたらこの「二つ」が原因かもしれません:「学び」と「鑑定」の間の「谷間」を埋める
何事もそうかもしれませんが、「暦を学ぶ」事と、「鑑定ができる」事の間には、大きな「谷間」があります。
「学ぶ」ことはインプット
「鑑定」はアウトプット
そして、実はそれだけではなく、「伝わる」ことで、初めて「鑑定」として認められます。
伝えたつもりでも、鑑定が終わった後で
「結局、運気は良いの?悪いの?」
「結局どうすれば上手くいくの?」
とか・・・。
「結局・・・・?」
となってしまっては、伝わっていなくて、例え「鑑定」の内容が「専門的」で「深い」ものであったとしても、「効果的」ではないことになります。
では、伝わらない鑑定とは、一体どんなものなのかというと
「専門的」であり「深い」鑑定です。
私も、常々失敗するのですが、専門的な知識を学ぶと、「専門用語」が「日常用語」になります。
なので、私が、みんな当然知っているでしょ、と何も考えずに発言した「単語」が、「それって、どんな意味ですか?」と質問を受けるのです。
暦の知識がある方との会話だったら、全く問題はないのですが、鑑定を受けていただく方々は、知識がない方の方が多いです。
「用語」の意味がわからない場合は、どんなに説明しても、「それって何の事なんだろう・・・」となり、相手に内容が入ってはいきません。
「専門用語」の「日常用語化」を防ぐためには
「つまり・・・・」と言い添えると上手くいきます。
例えば
「木・火・土・金・水」の五種類の「気」の関係性を説明する場合
「水と火は相剋関係です。つまり、水は火の性質を抑え込んでエネルギーを抑制するという事です。」
こんな感じで説明すると、「あ、なるほど」と納得してもらえます。
「深い」鑑定とは、全ての要素を、全て同じ密度で伝える鑑定です。
暦の解釈は、長い何月をかけて、先人たちの経験から導き出した「哲学」なので、実は「伝え始めたらキリがない」のです。
これも、私が良く失敗するのですが、講義で質問を受けた時、「それは、こういう事です」と言いながら、「こういう場合はこう」だとか「例外として・・・」など、枝葉が限りなく広がっていって、「最初に質問」からは、かなり遠くに行き過ぎてしまいます。
答えを探し求めていくのが「哲学」です。
なので、どんなに深堀りしてみても、ますます「深み」にハマります。そこがまた、「学ぶ」楽しさではありますが、「鑑定」は学びではないので、どこかで「線」を引かなくてはいけません。
例えば
「金は土により生じるから、金は土を育てて大きくしてくれます。でも、土が多すぎて、金が少なすぎると、金が土に埋もれてしまって、過保護な面倒なお母さんになり、金は土に埋もれてしまい、金の良さが発揮できなくなります」
ここまで詳しく説明を受けたら
「で、結局、今の私にとって、金は土が要るの?要らないの?」となってしまいます。
ここでは、まずは「結論」から
「土が多すぎるから、土を除きましょう」
と説明した上で、上記の説明に入ります。
私は、鑑定では、あえて上記の説明をしない事が多いです。
それは、「行動」を基準にして考えた場合、「土を除ける」だけ伝われば、具体的な行動パターンが見えてくるからです。
もちろん、講義の場合は伝えます。それは「インプット」として大切な情報だからです。
そして、「伝わる」ために、一番大切だと思うのは
「自分の言葉」で伝える事
暦を学ぶと、「命式」や「巡る運気」は、順番通りに辿っていけば、必ず作成できます。
これは、誰がやっても同じです。誰が作ろうが、同じ「命式」や「流運表」が出来上がります。
それを「自分の言葉」で伝えるためには、やはり「知識」は必要です。その中で、何をどこまで伝えるのか、話をしながら観察をし、「結局〇〇」「つまり〇〇」と、説明の最初と最後に話します。
最初に話すのは、「方向性・道筋」を示すため。
最後に話すのは、心の中に落とし込んでもらうため。
最初に「方向性・道筋」を知ると、その方向に向けての「関心」が芽生えます。
最後に「つまり〇〇」とキーワードを掴むと、キーワードの種から、やがて芽が出て育っていくはずです。
「自分の言葉」には「自分の思い」がたくさん詰まっています。
「自分の言葉」が生まれるまでに、たくさんの「苦労」があり、何度も繰り返し「練習」した自信があり、何よりも「魂」が込もっていると思うのです。
最初は「ものまね」から始めましょう。
「これ良いね」と思うキーワードを、用紙にたくさん書き出しましょう。それを繋げて「物語」を作ります。最初は繋ぎ合わせるだけの作業しかできないので、出来上がった物語は、継ぎ接ぎだらけの物語です。それを、何度も読んでみると、徐々に滑らかになってきて、やがて、自分のオリジナルの「表現」に辿り着きます。
何度も何度も繰り返して、やってみてください。
もしも行き詰まってしまったら、「原点」に立ち戻り、キーワードを拾い集めるところから。
その、「行きつ戻りつ」の「経験の歴史から生まれた哲学」が、やがて、「自分の解釈の哲学」となります。
「占い」は、答えを出すものではありません。
答えを、予想して探して、可能性を追求していくものです。
答えは、いく通りもあり、鑑定士によっても解釈が違います。
広い世界に触れて、もっと広い世界を見たくなるように
高い山に上ると、もっと高い山に登りたくなるように
学べば学ぶほどハマります。
フォローアップ講座では、いつも、皆様の様々な解釈に触れる事ができ、私も「原点」に立ち戻る事ができます。
なので、いつも前日の準備はドキドキ。緊張もします。
だから、終わった後の達成感は、暑い日の仕事終わりに、冷え冷えのビールをグイッと飲んだみたい。(実際には飲みません。笑)
そして、どんどん「占い」の媚薬にハマっていくのです。