「今」を大切に「未来」を楽しみに:養生訓:「四柱推命」が教えてくれること
人の身は父母を本とし、天地を初とす。
天地父母の恵みをうけて生れ、又養はれたるわが身なれば、わが私の物にあらず。
「養生訓」より抜粋
1712年 儒学者である貝原益軒によって、「養生訓」が書かれました。
養生とは、「健康に留意して、摂生を心がける」ことです。
この本には、「体」のみならず、「精神」も含めて、「健康」であるための心構えが記されています。
薬膳の理論の目指すところは、「養生」です。
「病気にならないように」、体を「調整」していくために「食材」の「気」を、選んで食していくことで、「元気で健やかに生きる」ことを目指しています。
「養生訓」でいう「健康」な状態は、「気」が滞りなく流れている状態であり、「気」の流れが滞ったり、「気」が多すぎたり、不足することによって「体調不良」が生じると述べられています。
「気」の巡りの整え方など、とても具体的に、わかりやすく書かれていて、それは「体」についてだけでなく、「運気」についても、当てはまることばかりで、「全ては一つ」であることを、改めて強く感じさせてくれます。
「体」と「運」は繋がっている
「体」を大切に愛おしむことは「運」を大切に愛おしむこと
「養生訓」には、「開運」のヒントが詰まった「良書」です。
「養生訓」では
養生の基本は「畏れ(おそれ)」である
と述べられています。
「畏れ」とは、「おそれ敬う」こと。
「体」は天と地、父母から授かった大切な「賜物」なので、大切に、慎重に向き合っていくことが、養生の基本です。
何事においても「過ぎる」ことをしないように、「ほどほど」が一番であり、それは「食事」「行動」「感情」全てにおいて例外はないと述べられています。
五行では
木気は金気を畏れる(木剋金)
火気は水気を畏れる(火剋水)
土気は木気を畏れる(土剋木)
金気は火気を畏れる(金剋火)
水気は土気を畏れる(水剋土)
剋する気に出合うと、気は畏れて縮こまってしまいますが、それは、大きくなり、いき過ぎて、転化しないようにコントロールしてくれるからです。
特に身弱の人にとって、剋す気は「厄介者」になりやすいですが
そのような状況は「転換期」でもあります。
「畏敬の念」を忘れないことの大切さを、剋す気は教えてくれているのですね。
「古典」を読むと、「時間感覚」の違いを感じます。
朝日とともに目覚め、日が沈むと就寝していた頃の「時間感覚」は、24時間、絶え間なく「動く」今の「時間感覚」とは、「スピード」が格段にゆっくりです。
速足で歩く「今」と比べ物にならないくらい、「大股」で「一歩一歩」歩いていて、「大地」に足が根付いている感覚です。
それとは逆に、「制限時間」の「短さ」は昔の方が格段に短く、なので、「終わり」に対して、とてもリアルに身近に捉えているのがおもしろいと思います。
「どうやって終わらせるか」
「次の世代に何を残すか」
昔の人は、「持ち時間」が少ないからこそ、「子供に」「次世代に」向けて、「命のバトン」を意識して、短い一生を過ごしていました。
「養生訓」では、「50歳」からは「引退」の年齢で、「邪魔にならないように」「ひっそりと」生きるのが良しとされています。
「60歳から第2の人生」と言わんばかりに、還暦を過ぎた人たちが現役で活躍している今の時代を、当時の人たちが見たら、さぞかし驚くだろうなと思います。
でも、「先」が長くなって良かったか、というと、安易に喜んでばかりは要られません。
「先」が長くなると、「先」が遠くなるために、見えなくなってしまいます。
それは「ゴール」が見えないのに、走り続けるような感じで、「いつまでこんな状態が続くのか」と、一度不安に駆られると、走っている意味がわからなくなってしまい、時には走ることをやめてしまいたくなってしまいます。
「心」に「先の見えない不安の炎」が燻っていたのが、最近、皆んなの「不安」が繋がって、大きな「炎」になって、燃え上がり始めています。
やはり、何事も「ほどほど」が一番でしょうが、こればかりは、たとえ「ゴール」が見えなくとも、「最後まで全力で」走り続けていきたいものです。
自分の力を知ること
自分の力を図ること
「養生訓」の中で、私が一番、心惹かれる箇所です。
自分の力を知ることは、自分の「心」に耳を傾け、自分に正直であること。
自分が「何を欲して」いるのか、「何が不必要である」のかを、しっかりと受け止めて感じること。
自分を図ることは、自分のこれからの未来の「可能性」を信じ、未来を前向きに「予測」することができること。
人生終わりの時が必ず来るので、「限りある」時間の中で、「どこまで行けるか」「どこまで挑戦できるか」
「限りある」からこそ、「今」を大切に、「未来」を楽しみに。
こんな風に過ごしていけたらと思っています。
「暦」を使って、お誕生日から導き出す「命式」は、その人の「取り扱い説明書」です。
「命式」は、性格もそうですが、「得意分野」や「好きな傾向」なども教えてくれます。
また、10年毎に巡る「大運」は、「10年のテーマ」を教えてくれます。
空亡の12年サイクルは、「12年の立ち向かう課題」を教えてくれます。
「大運」の船に乗り、「空亡」が出してくる「課題」を解決しながら、「命式」が旅をする。
これが、個人の「運気」のイメージです。