「才能」を活かして生きる方法:イヴ・サンローラン展
『イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル』に行ってきました。
没後日本で初の大回顧展ということもあり、大勢の人で熱気でいっぱい。
でも、会場がとても広く、ゆったりとスペースを取って展示されていたために、ゆっくりと楽しむ事ができました。
カクテル・ドレスーピート・モンドリアンへのオマージュ
1965年秋冬オートクチュールコレクション
顧客のための仕立て服 アトリエ・ブランジュ
ウールジャージー
こちらはパンフレットでも紹介されている作品。
シンプルなシルエットは、全くの無駄も揺らぎもないけど、それだけに、着る女性の個性が活き活きと表現してくれそうなデザインですね。
遊びごごろに溢れたお洋服たち。
相当スタイルに自信がないと・・・・着こなせないかも。
でも可愛い。
クリスチャン・ディオールに才能を見出され、ファッションブランド「ディオール」に就職したのは、1955年。イヴが19歳のとき。
その才能に惚れ込んでいたディオールは、すぐに彼を1957年のコレクションに出したいと考えていたそうですが、あまりにも若い年齢に、周囲が反対し断念したそうです。
しかし、同年、ディオールが死去。
そこで、21歳の若さで、「ディオール」主任デザイナーを、急遽任されることになったそうです。
突然の出来事に、彼は、葛藤や希望や不安や喜びなど、様々な感情を一度に味わったことでしょう。
それでもこの様に、時代が移り変わり、立場も変わり、この世から去ってしまってもなお、「モードの帝王」と呼ばれ愛され続けているのは、やはり才能があったから。
そして、その豊かな才能を、磨き続けて生きたからなのでしょう。
「比較」ではなく「学ぶ」ことで、唯一無二の「才能」は、どこまでも大きく広がっていったのでしょうね。
「才能」とは「個性」で、その人特有の「気質」でもあります。
「気」は、他の「気」とぶつかり合うと削られて小さくなります。「比較」する場合はぶつかり合うのと作用が似ていて、自分にないものを増やそうと無理やり引っ張ったり、逆に、相手に少しでも合わせようとするとはみ出している部分を押し込めることになります。
「学び」は、相手の「気」を授かること。なので、自分の「気」は大きくなっていきます。
彼の作品たちが、今もずっとこれからも、人々の心を魅了できるのは、授かった膨大な「気」が詰まっているからかもしれませんね。