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「言葉」が全てではない。それはその人の表面の形の一部でしかない。:「占い」を仕事にする上で私がこだわっている事

「言葉」は「言霊」と言われます。

私も、その通りだと思っています。

 

 

発せられる「言葉」には「魂」が宿っている。

つまり、その人が発する「言葉」は、その人の分身であって、それは、その人そのものでもあるわけです。

 

なので、その人の、「喜び」「楽しみ」「辛さ」「悲しみ」など、様々なものがぎゅっと詰まっています。

 

なので、「言葉」を聞いていると、事実だけでなく、感情も伝わってきます。

 

 

それは辛かったね

それは不安だよね

でも、それでも頑張っているのはすごい事だね

 

 

「言葉」を聞いていると、その場面が映像として、頭に浮かんできます。だから、一緒にその場にいて「体験」している気持ちになるのです。

 

 

「鑑定」は、お客様の「言葉」と向き合う「作業」です。

作業は、効率を考えて、順序よく進むと、スムーズに結果を出せます。「鑑定」は、3つのステップで進んでいくと、しっかり「言葉」と向き合うことができると思っています。

 

 

第1段階は、「言葉」を飲み込む。

 

全て受け入れて、否定せず、先入観を持たずに、ひたすら飲み込みます。全てを受け入れようとする私の「態度」は、お客様にも伝わります。受け入れてくれると感じてもらえたら、最初はとまどいながら、遠慮しながらお話をされていても、少しづつ、心の中の「しこり」が緩んできて、トロンとなってきて、ついに「心」と同化し始めます。

 

相談に来られる方は、「受け入れてもらえないしこり」がいっぱいになって、抱えておられた状態でした。ずっと「しこり」の存在が、喉を塞いでいて、「言葉」にすることができなかったのです。

だから、同化して「境目」がなくなったら、「何でも聞いてもらえる」「安心して言葉にできる」状態になります。それは、願っても無いチャンス到来です。

だからどんどん「言葉」が溢れてきます。

 

そして、それから、私は、その「言葉」を全て自分の中に落とし込み、「咀嚼」してみるのです。

 

そうすると、何となく「違和感」を感じます。

それは「私の言葉」と「お客様の言葉」の間にある「隔たり」に気づくのです。

 

 

「違和感」をしっかりと感じたら、第2段階に入ります。

 

 

 

第2段階は、「私の言葉」と「お客様の言葉」を比較分析します。

その時に頼りになる「参考文献」は、誕生日から導き出す「命式」と、万年暦が示す「巡る気」です。

その両方を読み解きながら、自分の中に落とし込み、まずは「言葉」を比較します。

 

比較するものは、「私の言葉」と「お客様の言葉」の「量の違い」です。

「私の言葉」に比べて、余りにもたくさん出てくる「キーワード」

「私の言葉」に比べて、出てきてほしいのに出てこない「キーワード」

この2つの「キーワード」を探していくのです。

そして、見つかったら、その2つが何かを分析をします。

 

出過ぎるキーワードは「真相を隠したいキーワード」です。

真相に蓋をするために、あえて異なる「キーワード」を過剰に出して、しっかりと蓋を閉じるため、過剰に登場するのです。

 

出てこないキーワードは「真相の核心に触れるキーワード」です。

それに気づいていても、気づいた瞬間に、「知ってしまった責任」として受け止めなくてはいけなくなってしまいます。

だから、あえて知らないふりをするのです。受け止めると、「言葉」は、「今までと同じでは駄目だよ」と言ってくるのです。

でも、変わりたくない。変わるために捨てなくてはいけないものがある。できれば捨てずになんとかしたいし。。。

 

「真相のキーワード」は、その2つのロックがかかっています。なので、私の中で2つの「言葉」が、駆け引きをします。

様々な「ツール」を使って、頭を使って、集中して、考えます。

この時は、頭の中に、いろんな「キーワード」が錯綜して、それをひとつひとつ、根気強く、組んでいくような感じです。

「感情」が邪魔をしないように「客観的」に。

なかなか疲れます。

 

そして、パシッと、全ての「キーワード」が、まるでパズルのように「出来上がる」瞬間がきます。

「そう言うことか!」と、腑に落ちる瞬間がきます。

 

 

それは、全ての「キーワード」が、みんな仲良く手を繋いだ瞬間です。

そして、やっと、「お客様」に向き合えそうな気持ちになります。

 

 

 

次はいよいよ第3段階です。

第3段階は、「言葉」を提案する。

 

提案する「言葉」は、「私の言葉」ではありません。

第2段階で出来上がった、パズルの「世界観」を示す「言葉」と、

そして、パズルを完成するために必要な、「出てこなかった言葉」です。

 

最初に伝えるのは、パズルの「世界観」です。

できる限り、「楽しそう」と感じてもらえるように、言葉を選んで伝えます。

 

それは、私とお客様の間での駆け引きです。

どうやって伝えるのか

何を伝えるのか

どこまで伝えるのか

それを考えながら、言葉を選んでいきます。

 

 

「直球」でいくのか、「回りくどく」いくのか。

使える「ツール」を全て使って、駆け引きをします。

「感情」もうまくコントロールして使います。「感情」は、冷たく固まってしまった「心」に火を灯す、大切な役割を果たしてくれるからです。

考えながら駆け引きをするので、ここでも結構疲れます。

 

 

 

第3段階で、しっかりとパズルの「世界観」を伝えても、その場でパズルが「完成」したとしても、油断はできません。

それは、ボンドが乾いていない出来立てホヤホヤのプラモデルのようなものだからです。

 

少しの風で、大切な「パーツ」が飛ばされてしまったり、余りに大きいプラモデルに、一旦は手にしてみたものの、重たくて投げ出したくなったり、また投げ出してしまったりするからです。

 

なので、鑑定中に出た、重要なパーツの「カード」を画像で残してもらったり、鑑定中に、私が書いた「メモ」など全てお持ち帰りいただきます。

「世界観」をしっかりと確認をしてもらいたいから。

今の気持ちを、大切に覚えておいてもらいたいから。

 

 

そして、「くじけそうな時、画像を見て頑張れました」「メモを手帳に挟んで持ち歩いています」と、嬉しい報告の「言葉」をいただくと、私の中に、「言霊」がしっかりと宿って、根を張っていきます。

だから、私も頑張れる。いつもありがたいなと思っています。

 

 

言葉と向き合うのは格闘技のようです。

それは、まず飲み込んで、咀嚼して、味わってから、想像しながら出していかないと、「言葉のキャッチボール」にはなりません。

だから、沢山の行程があって、けっこう疲れるし、めんどくさい。

 

しかも、「言葉」の裏には「隠れキャラ」が潜んでいて、油断をすると、不意打ちをくらいます。

 

「解ってもらえてラッキー!」くらいに思って、あまり期待をしないか、または、しっかりと「格闘」するか。

相手との「距離感」で判断をしていったらいいと思います。

 

 

 

だから、もしも、「形だけの言葉」が、みんなに全て、同じように、解ってもらえたら、それはまさに、「ミラクル」ですね。