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「プロ魂・愛」に浸った:山口県立美術館「岸田劉生展」:射手座新月と双子座満月

山口県立美術館では、日本近代美術の中で、独創的な絵画を描く画家として、創作活動に一生を捧げた画家・岸田劉生(1891ー1929)の展覧会が開催されています。

 

 

 

岸田劉生は、東京生まれ。そして山口で客死しています。

没後90年、ゆかりの地での展覧会は、初期から最晩年の名品ばかり厳選された作品の数々が展示されています。

 

そして、何よりも楽しいのが、「麗子がいっぱい!」なのです。

馴染みのある「麗子像」だけでなく、「立ち姿の麗子」「微笑む麗子」「ドヤ顔の麗子」などなど。

たくさんの「麗子」に会うことができます。

 

 

 

初期から晩年に向けたの、作品の「進化」には、当時の社会情勢や生活レベルなどにも影響を受けており、また、「西洋美」から始まり、晩年は「東洋美」に傾倒していく過程が、筆使いにも現れていて、「一生の物語」を一緒に辿っていっている気分になれました。

 

 

 

「写実美」を追い求め、「卑近美」にたどり着く

 

 

たくさんの物を獲得し、最後には一番大切な「存在」を描くために、様々なものを削ぎ落としていく。

それはまるで、「木火土金水」の進化のサイクルのよう。

芽を出した「木」が、「太陽・火」からエネルギーをもらって大きく伸びていき、「土」にしっかりと根を張り巡らせて、自分にとって不要なもの、余計なものを「金」の刃物で切り落としてこそ、オリジナルに辿り着きます。

 

「水」は形がない「景色」です。

 

オリジナルの最終章は、形ない景色を気配として感じること。

その気配が人の心に「感応」して、見る人の「芽」に命の「水」を注ぎ込んでいくのです。

 

 

「東洋芸術のものには、概して一種の卑しさ、下品に見える味であつて、しかも実は渋いところの美、であるものが非常に多く見かけられる。一見、シニックで、矯少で、醜いやうな感じさへする、端正とか、偉大とか、威厳とかさういふ露骨な美の条件とは正反対の感じである。」

「東洋芸術の「卑近美」に就て」(『岸田劉生全集第3巻』111ー117貢所収)山口県立美術館パンフレット「劉生の言葉」より抜粋

 

 

 

有名な「麗子像」のモデルは、お嬢さんの麗子さんです。

父である岸田劉生は、描き始めると没頭してしまい、モデルに対しての気遣いは全くなくなってしまうそうです。

 

麗子さんは、そんな父親の「プロ魂」を理解して受け入れておられたようで、ポーズをとり続けて、足がちぎれそうなほど痛くなってもじっと耐えて、あまりの痛みに涙が溢れそうになったら、父親にバレないようにそっと上を向いたそうです。

 

小さな女の子に、そんな「プロ魂」が隠れていたなんて。

きっと父親は、そんな陰に隠れて決して表に出さなかった「プロ魂」までも、筆の中に表現したのかもしれません。

 

 

「麗子像」は父親と娘の「最高の作品を残したい」という、同じ思いの結晶。だから、人に愛されるだと思います。

見えないことろまで表現できるのは、やはり「愛」なくしてはできないから。

「麗子像」は、二入の愛が溢れ出る作品です。

 

 

山口県立美術館での展示は12月22日までです。

ちょうど、入り口前のイチョウの木の黄金色が、最高のゴールドっぷりを披露していますよ。

 

今、県立美術館に行くと、「愛」と「ゴールド」、どちらももれなくついてきます!笑。

 

 

時間がたっぷりあったので、帰りに湯田温泉に立ち寄りました。

 

 

いつも行くお風呂は山水園です。

温泉街から少し離れているためか、ゆっくりのんびり過ごせます。

何よりも好きなのは、スタッフさんとの「距離感」

近すぎず、でも、離れすぎていない絶妙な感じの「おもてなし」

どのスタッフの方も、その距離感が「同じ」なので安心して過ごせます。

 

今日、スタッフさんが、待合スペースの竹を編んで出来ている椅子の竹と竹の間に溜まったホコリを、爪楊枝を使って掻き出しながら掃除をされていました。

 

だから、いつも綺麗なんだ!

 

いつも、髪の毛一本落ちていない、綺麗な「空間」が維持できている秘密がわかりました。

見えないところまで、綺麗にする「プロ魂」はさすがです。

 

 

 

11月27日、射手座の新月の日。新月は願い事を宣言する日。

「オラオラ系」の火星が、「改革の先駆者」の天王星から厳しく指導を受けているので、「今までのままでもなんとかなるかな・・」と甘い願いは許してくれないかもしれません。

でも、もたもたしていた「夢の星」海王星が、もたもた期を終了して、本来の歩みに戻りました。

海王星は、楽しい妄想が大好き。だから、ワクワクした「夢」を応援してくれるはずです。そして、見えないことろにも「光」を当ててくれます。

 

 

形のないものを、「気配」として育てていく。

 

 

そして12月12日、月は好奇心でいっぱいの「双子座」で満月を迎えます。

月が少しづつ大きくなって輝きを増していくように、見えないことろを見ようとする「プロ魂・愛」をコツコツ育てていくと、「私って結構できるじゃない!」とか「目の前にこんな良いものが隠れていたんだな」とか、そんな気持ちになってくるかもしれません。

 

「双子座・満月」が、それを、きっと、教えてくれます。