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「占い」と向き合うために必要な4つの「心」

「占い」関係の書籍や文献を読めば読むほど、解らなくなります。

結局、どういうこと?

そんな感じになって、理論と思考がぐるぐると回って、絡まって、こんがらがってしまいす。

それは、書籍や占者によって「解釈」が異なるからです。

四柱推命に関しても、それは同じです。

四柱推命にも流派があります。日本でメジャーな流派は5つあります。

実は、流派によって「命式」に対する「気」の捉え方には若干の違いがあり、なので「解釈」が異なります。

では、どれが「正しい」流派なのかというと、「どれも正しい」というのが正解だと思います。

四柱推命は、長い年月、時間、推命家が暦と正面切って向き合って作り上げた「理論」です。人生をかけて研究をし、たくさんの人々の「幸せ」のため、後世に伝えている自然哲学です。

哲学は「科学」ではありません。

なので、暦に何を求め、暦をどのように受け止め、暦をどういう方法で活用していくのかは、「個人」に委ねられています。

どの流派を学ぶのかは、やはり「個人」の好みによると思います。

書籍を読んで納得できるものや、信頼できる鑑定士さんが学ばれている流派など、判断基準はその人次第。

だから、お好きな「解釈」に触れていただきたいと思います。

何故ならば、暦は「万能」ではなく、解釈のための「道具」だからです。

なので、占者は、常にそのことを忘れずに、暦と向き合って行かなくてはいけないと思っています。それには、上手く使いこなせるように、自分の技を磨き続けていき、常に「新しい」気持ちで向き合っていかなくてはいけません。

時は巡り、時代は進化し、解釈もそれに合わせて「成長」させなければ、時代から取り残されてしまいます。

「理念」を大切に守りながら、時代に合わせて「最新の解釈」をする。

そのためには、占者も、常に、様々な方向にアンテナを張り巡らせて、「情報取集」が必要です。

「答えはお客様に出していただく。その為に先入観や、自分の偏見を持たないように気を付けています。」

先日、講座を受講後、「街の占い師」として活動を始めて、「もう何人鑑定したか覚えていない」ほどの人気占い師として活躍されている方が、私に話してくださいました。

歯に衣着せぬ物言いで、とても温かいというよりは、熱い心で鑑定をする彼女。話すだけで、私もとても前向きになることができ、思わず「私が凹んだら、相談に行くからお願いね」と、真剣にオファーをしました。これはかなり真剣なオファーです!心強い!

四柱推命は、八文字の「景色」です。

八つの文字の世界は、とても奥深く、そして、とてもシンプルです。

八つの文字と向き合い、対話をすると、「そういうことだったんだ」と、ストンと腑に落ちるのです。

それは、頭で理解したのではなく、心が理解した瞬間。

言葉で、「それはこうです」と言えないけど、心が「これで間違いないよ」と感じる瞬間。

「命式」に触れて、その感覚を感じていただけたらいいな。

いつもそんなことを思いながら、鑑定や講義をしています。

タロットカードについても、書籍や文献に触れるほどに、「ぐるぐる」回って絡まって、「結局、どういうこと?」になりがちです。

タロットカードにも種類があります。最近では、とても可愛らしい絵柄のカードや、まるで絵画を見ているような美しいカードがあり、どれも心踊ります。

どのカードを選べば良いのか質問を受けることもありますが、これもまた、手に取った時に「これ好き」と感じたものが一番です。

私は、ウエイト版を使っています。

「これが好き」と思ったからです。

とにかく「絵」が好きなのです。

ウエイト版のカードの絵は、挿絵画家として活動をしていたパメラ・コールマン・スミスが全てのカードの絵を描きました。

彼女は、いたずら好きな妖精「ピクシー」とあだ名で呼ばれるほど、浮世離れしたところがあったそうです。

「心の中をそのまま一気に描き切る」、そんな描き方をしていました。

どうしてそんなことが出来たのかは、彼女は「共感覚」の持ち主だったからだと言われています。

「共感覚」とは、五感のうちの一つが他の感覚として感知することです。例えば、音を「観る」、色彩に「触れる」など。

ウエイト版の絵は、彼女が「五感で感じた世界」、見えないものの中の世界、聞こえないものの中の音の世界など、全ての感覚を一枚の絵に描いていったのです。それは、「精霊の世界」を描いているとも言われています。

これは「審判」のカードです。

22枚で構成されている大アルカナのカードの21番目のカードです。大アルカナの世界は、0番の「愚者」から始まって、22番目の「世界」で完結します。

「審判」のカードは、完結の前の「覚醒」を意味しています。それはまるで「十四番目の月」。

明日の可能性を信じて、魂が蘇った瞬間の絵です。

このカードのモチーフは、キリスト教の「最後の審判」であるとも言われています。

天使のラッパの「音」で、全てが覚醒しました。

「初めに言(ことば)があった」

    新約聖書・ヨハネによる福音書より

パメラは、この瞬間を切り取ったのかもしれません。

とてもシンプルに解釈をすると、「蘇る」となります。

何が蘇るのか

もう蘇ったのか、それとも今なのか、今後なのか

果たして蘇ることを望んでいたのか

蘇ることは良いことなのか

蘇ったことで失うことは何か

蘇ることで始まる「試練」は何か

この一枚のカードだけでも、ざっとこれだけの「解釈」のパターンがあります。

タロットカードを学んでも、リーディングに繋がらない

リーディングが難しい

そんなご質問を受けますが、それは当然のこと。

カードの世界も、奥深く、とてもシンプルだから。

それは、頭で考えるのと、心で感じること、その両方が必要だからです。

「八文字の世界」も「一枚のカードの世界」も、心の目で見て、心の耳で聞いて、心の手で触れて、心の鼻で嗅いで、心の口で味わう世界。

だから「解釈」が異なります。

でも、どれも「正解」なのです。

ユングは、「心には4つの機能がある」と述べています。

4つの機能とは

・感覚(五感で感じるもの)

・直感(第六感を経由して派生する情報)

・思考

・感情

そのうち、感覚と直感を「非合理機能」としました。それは、それらの機能は論理性とは全く関係のない情報だからです。

一方で、思考と感情を「合理的機能」としました。それは、それらは、感覚と直感によってもたらされてた情報を、合理的に処理して起こる機能だからです。

「非合理的機能」と「合理的機能」とは、相反する機能です。

どちらかが、発動している時には、もう一方が停止または鎮静します。

例えば、「なんだかワクワクする」と感じている時には、果たして何が自分をワクワクさせているのかとか、どの適度ワクワクしているのかとか、そんなことは頭に浮かんできません。

逆に、「この課題はしっかりと取り組まなくてはいけない」と考えている時には、そのことに集中していて、お日様の光が心地よくても、爽やかな風が吹いてきても、全く気が付きません。

それぞれ「役目」があるので、どちらを発動するのが良いのかは、場合によって違います。

適材適所であり、適切なバランスをとる。

それにつきます。

「占い」に関しては、「非合理的機能」と「合理的機能」、つまり、感覚・直感・思考・感情の4つ全てが必要だと感じています。

パメラ流に、心の絵を描いてみたら、4つの心が仲良く一緒に手を繋いでいて、お互いに顔を突き合わせて笑っているような、そんな「世界」かなと思います。

「見えないもの」を見て

「見えるもの」を感じる

そのためには、両方をしっかりと受け止める自分の「核」を磨き続けていきたいと思っています。

決して、決して、がっかりさせる解釈で、リーディングを終わらせてはいけません。

もしカードが悪いなら、いかに質問者がその問題を乗り越える事ができるかを示しなさい。

  イーデン・グレイ(タロットリーディングの母・アメリカ)

   「A Complete Guide to Tarot]

「タロット占い完全マニュアル」 浅野太志著 総話社 より