<今週のアロマの香り>ローズマリー:芳香蒸留水を楽しむ「余裕」が「辛」の過ごし方を気づかせてくれた:「陰」の気の作用について
やらなくてはいけない事が溜まってくると・・・・
逃避行したくなってくる。
そんな時に限って、周囲では楽しそうな事が始まるのです。
純子さんとマイコ先生が、「ウォーミー」に使うため、ローズマリーを、ベランダで天干しをはじめて
サロンにもローズマリーの香りがふんわりとやってきて
二人の楽しそうな声が聞こえてきて
思わず、サロンから飛び出してベランダへGO!
それから、ますます勢いがついてきて
今から、ローズマリーで芳香蒸留水を作ろうよと、話がまとまり
お店の前に、元気いっぱいに育っているローズマリーを、マイコ先生が、さっそく刈り取った。
と、そこで、
冷凍庫の中に、氷がないことに気が付いたのです。
芳香蒸留水を作るには、冷却用に氷が必要なのです。
でも、ここであきらめる「やなぎだ」さんではありません!
純子さんが、迷いもなく、コンビニで氷を買って来ました。
芳香蒸留水は、こんな感じで作ります。
容器の中に、収穫したローズマリーと水を入れ
下から、キャンドルの炎でゆっくりと温めていきます。
そうしていると、ローズマリーが浸っている水が温まっていきます。
温まっていくと、蒸気がふんわりとガラスの器の中で広がっていきます。
ふんわりと広がっていった蒸気は、上の氷が入っているガラス面に当たります。
冷えたガラス面に触れた蒸気は、水滴になってガラス面にくっついていきます。
くっついた水滴は、だんだんとガラス面をつたっていき、下で待ち構えているフラスコの中に、ポトっと落ちます。
一滴ずつ、ゆっくりと水滴が落ちていき、やがてフラスコの中には、香りの水が溜まっていきます。
溜まった水が「芳香蒸留水」です。
完成までは、どんなに急いだとしても、2〜3時間はかかります。
というか、待つしかないので、急ぐことは出来ないのです。
香りの水滴が落ちていくと、部屋もいい香りで満たされていき、その時間も含めて、蒸留水作りは楽しむものなのです。
だから、ゆっくりと、出来上がる過程を楽しんでいくのですが・・・・
今日の私たちは、忙しいから、待てない。
キャンドルの炎をもっと強くしたらどうか
火をもっと容器に近づけてみようか
それとも、火力をもっと大きくした方が良いのかも
せっかくだから動画も撮ろうよ
それから、マイコ先生が「ローズマリー」についての「うんちく講義」も始まって
コーヒーを飲もうよコーヒーの準備をして
周囲はローズマリーの香りにコーヒーの香りが進出してきた。
ああでもない、こうでもない、と
「芳香蒸留水作成現場」の周囲は、なんとも慌ただしくバタバタです。
そんな周囲の雑音には目も暮れずに
マイペースにローズマリーの蒸気は上がっていって、水滴が溜まって、ポトリポトリと落ち始めました。
そして、またまた、忙しい私たちがソワソワし始め
どのくらい溜まってきたか、知りたくてたまらくなってきて
冷却用のガラスの器を除いて、中を除いてみた。
本来は、温度が下がってしまうから、不用意にガラスの器をどかさない方が良いのですが・・・。もちろん、みんな、それは周知の上。
でも、どうしても覗きたくなってしまったんですよね。。。
忙しい私たちの暴走は、もう誰にも止められなくなっていく。
どんな香りか、今すぐ試してみたくなって
ガラスの器についている水滴を手に取ってみました。
ローズマリーらしいシャープな香りに大満足の出来栄えでした。
芳香蒸留水は、とても優しい香りがします。
精油と違って、作用が穏やかなので、肌に触接つけて楽しむ事ができます。(お肌が敏感な方は、まずは手の内側で試してからお使いくださいね)
新鮮さが「売り」で、消費期限は「当日」です。
なので、使い切れるだけしか作りません。
それから、その時々で、使うハーブの「コンディション」により、香りが違ってきます。
だから、毎回、発見があり、どんな香りができるのかワクワクします。
やなぎだ化粧品店さんでは、今日みたいに「思いつき」で、突然「芳香蒸留水」作りをされますが、ご希望があれば、見学や体験もできますよ。
ご興味のある方は、ぜひお問い合わせくださいね。
という事で、前置きが長くなりましたが。
<今週のアロマの香り>
・ローズマリー
ローズマリーは、「火」の気を持っています。
「心気」を活性化してくれるこの香りを嗅ぐと、「血」がエネルギッシュに活動を始めて、集中力とやる気が出てくると言われています。
筋肉の凝りや痛みにも効果があると言われていて、アロマトリートメントでも人気が高いです。
ただし、高血圧などの「循環器系」の持病をお持ちの方は、かかりつけのお医者様の使用許可をいただけないと使う事ができません。ご注意くださいね。
2021年の運気の「辛」は、「金」の「陰」です。
「陰」の気の作用は、鎮静し、抑制し、冷やして貯めて染みていきます。
湿った気は、周囲との境界線をはっきりと引くのではなくて、混じり合おうとして触れ合っていきます。そして、混ざることで、新しい「景色」を、内側から湧き上がらせようとしていきます。
決して、強引ではないのですが、じわじわと効いてくる「ボディーブロー」みたいな感じです。
だから、本当に、効くのです! 心底から効くのです!
「金」にとって「火」は攻撃を加えてくる作用を及ばしてきますが、それは、「試練」でもあり「厳しめの課題」でもあり、それを乗り越えた先には、ひと周りもふた周りも大きくなった「自分」がいます。
ただし、「辛」は、あまりにも強い「火」は、あまり好きではないのです。
だから、「強制的」な「火」ではなくて、じんわりほっこりした「火」の気を使っていきましょうね。
例えば、濃度が濃い「精油」ではなくて、濃度が薄い「芳香蒸留水」のように。
時間をかけて、じっくりと取り組んで、焦らずに、腐らずに、一滴一滴落ちていく過程を楽しむように、心の余裕をもったり、ちょっとだけ「無駄」なことも楽しんでみたりする。
「過程」を楽しむと、きっと、新しい「景色」が、自然にむくむくと広がって、辺り一面に影響を与えていけるはず。
「辛」は、そんな「火」が大好きです。