運気を上げたい時には、「バシッと取る」「バシッと投げる」どちらかです:補法(ほほう)・瀉法(しゃほう):「気」を調整する方法
東洋医学は、「経験の医学」です。
「みんな、元気に過ごしたいね」
これを食べたら、喉が痛いのが軽くなった気がするよ
足の裏を押して凄く痛い時は、お腹の調子も悪いみたいだね
春風が吹く頃は、なんだか気持ちがイライラするよね
そんな風に、長い年月をかけ、たくさんの人の、たくさんの「こんな事あったよ」が集まって、進化して、体系化されたのが「東洋医学」です。
そして、たくさんの「経験」は、森羅万象全てのものは、「気」が集まって構成されていて、「気」が激し過ぎたり、動き過ぎた時には、「調子が悪く」なり、「気」がゆったり緩やかな時には、「なんだかいい感じ」で、物事が進んでいく事を教えてくれたのです。
「気」をいかに調整していくのか
それが、「東洋思想」の根っこです。
「気」は物事が動くエネルギーの源ですが、目に見えるものではありません。目に見えないものは、「感じる」ものです。目に見えないものは、感じて、そして、想像して、理解するしかありません。
森を感じて木を理解する
でも、やっぱり、見えないと想像ができません。
そこで、五つの気を「木・火・土・金・水」として見える「形」に落とし込み、分類し、「暦」として「視覚化」をしました。
五つの気のバランスを整えることで、「なんだか良くなる感じがする」方法を、多くの時間と知恵を使って編み出していき、体系化しました。
それが、四柱推命や九星気学、風水などです。
なので、これらの「占術」には、科学的根拠やデーターはありません。でも、膨大な「思い」が詰まった、とても素敵な「言い伝え」です。
「占術」には、「みんな幸せになってほしいな」という、たくさんの「思い」が詰まっています。
その「思い」に応援してもらうことが、「占い」を利用すること。
だからこそ、不安を煽ったり、「これは絶対だめ」とか「こうしなきゃ危ない」とか、そんな感じで受け取るのは、とても残念なことだと思っています。
東洋医学では、体の調整を行う方法として、二つのアプローチをしていきます。
補う方法として、「補法(ほほう)」
抜く方法として、「瀉法(しゃほう)」
どちらを使うかは、読んで字の如し、「補法」は補いたい時。つまり、気が少なくなって、弱っている時です。「瀉法」は多過ぎるから減らしたい時。つまり、気が多くてパンパンになっている時。
気が少なくなっている時は、押されると心地よさを感じます。そして、柔らかく、「開いている」感じです。
そんな時、マッサージなどの施術では、体の気の通り道である「経絡」に沿って、ゆっくりと、時間をかけて、少しずつ無理せず、優しく触れていきます。
「もう十分頑張ったよね」と寄り添うように、話かけながら。
息を吐いた時には、しっかりと吐ききれるようにグッと押します。息を吸う時には、抵抗にならないように、手を離します。
ぬるま湯で、ふんわりと、包みこむ感じです。
これが「補法」です。
一方、気が多すぎる時には、押されると嫌な気持ちになります。そして、固く緊張しています。「閉じている」感じです。
そんな時、施術では、「経絡」に逆らって攻撃を仕掛けます。短時間に集中的に。閉じてしまった扉を、エイっと開ける感じです。
「もう十分頑張ったよね」と、抱え込んだたくさんの荷物をその手から奪うように、力強く。
息を吸った時、それ以上吸わないようにグイッと押す。息を吐く時には、自分の力で全てを吐ききれるように手を離す。
熱い蒸しタオルと冷たいタオルを使って、メリハリをつける感じです。
これが「瀉法」です。
「運気」を調整する時にも、「補法」と「瀉法」をイメージすると、わかりやすいと思います。
まず、「運気が下がっている」と感じる時または、「今より運気を上げたい」と思っている時。
これは「今の気」が「目指す気」よりも、少ない時です。
こんな時には、人の言葉が身に染みます。外からの「刺激」に対しての、抵抗力が下がっているので、「感染」しやすい状態です。
だから、「刺激」があまりに強すぎると、グサグサ突き刺さってしまい、「傷だらけ」になってしまいます。
下がっているからといって、焦ってあれこれ手を出すと、グサグサだらけになって、ますます「落ち込んで」しまいます。
気持ちがほっこりじんわりと温かくなるものを、自分の感覚で選ぶ。
温かい視線を送ってくれて、「ゆっくりで良いよ」「無理しなくて良いよ」と穏やかに言ってくれる人の言葉を信じてみる。
人の呼吸ではなく、自分の呼吸を意識して、思いっきり深呼吸をしてみる。
自然に触れて、光を浴びて、風を感じて、地面にしっかりと両足をつけ立ってみる。
そうしていると、「全ての気」が、自分に向かってベクトルを向けてくれていて、たくさんのボールを投げてくれていることに気がつきます。
そして、「これ、これ!」と思ったボールをキャッチします。
ポイントは
コントロールしない、されない。
待つことです。
「運気が上がり過ぎている」と感じる時。
上がるというのは、勢いが増す感じです。なので、上がり過ぎると、気が偏ってきて、「視野が狭くなる」「許せないことばかりと感じる」「気持ちばかり焦って、動かずにはいられない」こんな感じになってしまいます。
これは「今の気」が「目指す気」よりも多過ぎてパンパンに膨れ上がった状態です。
こんな時には、人の言葉が、いちいち癇に障ります。いちいち反抗したくなります。そして反抗するので「摩擦」が生じます。
外の「刺激」と戦いたくなるので、ガードがどんどん固くなり、ついには「重たい扉」が目の前に現れます。そして、戦えば戦うほど、扉が重たく大きくなっていきます。
扉の実態をよく観察してみる。
何が許せなくて、どこまでだったら許せるのか考えてみる。
反対意見も聞いて、参考にしてみる。
集中して、一気に行動を起こす。
押してばかりいて開かない扉は、もしかしたら、引いたら開くかもしれません。ただし、エネルギーは、押しても引いても「一方」に集中すること。
両手いっぱいに荷物を持っていては、ノブをしっかりと握りしめることはできません。
だから、まずは「いらないもの」は手放さなくてはいけないのです。
持っていたたくさんのボールを、放り投げます。
そうすると、「全ての気」がバシッと受け取ってくれます。
ポイントは
一点集中
ひるまないことです。
「補法」は、常に使える方法です。
「瀉法」は、転換期に効果を発揮してくれます。
どちらもバシッと決まると、「私って、すごい!」って思えます。
だから、今が「元気」になりますよ。