手詰まりを感じたら、「未」になろう:十二支「未」
物事が盛りを過ぎて、下りに向かう。
これは、どちらかと言うと、「ネガティブ」なイメージではないでしょうか。
東洋思想では、陰と陽は同じ「質量」であり、片方だけでは存在しないと考えます。
これは、「占い」の解釈においても、忘れてはいけない考えです。
陰陽で考えるならば
「上り」は「陽」
「下り」は「陰」
となります。
上りから下りに向きを変えた「景色」は、十二支では「未」です。
「未」は、一言で言うならば「洗練されていく気」
「未」を命式に持っている人は、決してグイグイ主張はしないけど、「なぜか心引かれる」とても魅力的は人が多いんですよ。
それでは、今回は、そんな魅力的な「未」について書いていきたいと思います。
「未」は「味わう」
成長を喜び、成果を味わう。
万物が成熟し、滋味を感じる。
頑張ってきた事を振り返り、頑張れた事に思いを寄せる。
もしかしたら、思い通りの結果ではないかもしれません。
でも、「出来ることはやりきった」と、ある意味清々しいのです。
命式の中でも、特に月柱の地支に「未」がある人は、この傾向が強く出ます。
7月7日から8月7日(年度によっては1日ずれることもあります)に生まれた人が、これに該当します。
あれもこれもと欲張るのではなく、出来ることに対して丁寧に向き合います。
なので、時として「優柔不断」になることも。
それは、「未」が、五行では土気だからかもしれないですね。
「安定」する方向へと、意識が向かいます。
なので、急激な変化は、ちょっと苦手。
ただし、頑固とは言い切れない。
「未」の中には、「丁」「乙」「己」のいずれも「陰」の十干が宿っているので、物事を柔軟に捉えようとします。
だから、「下り」とは、柔軟に物事を受け止める「景色」なのです。
中国では、「未」すなわち「羊」は吉祥の象徴と考えられています。
勢いはないが、安定している気質だと考えられています。
それは、木々の枝葉が充分に繁っている景色です。
華やかさはないが、満たされた景色です。
十分に満たされているから、これ以上何も望まない状態と言えますね。
とても穏やかで、そして、和やかな景色です。
陰陽の分類では、「未」は「陰支」です。
「陰」は、内側を満たしていく方向に流れます。
このことからも、満たされていく気質だと考えることができますね。
だから、「下り」とは、満ちていく「景色」なのです。
「未」は「夏」の「墓支」です。
「夏」は火気の勢いが、最も強まる季節です。
「墓支」は、「夏」の終わり。これから「秋」に向かう移行期でもあります。
つまり「土用」の時期です。
夏土用です。
「土用」は、すべての季節の移行期に、それぞれありますが、「未」が持ってる火気は、土気を生じると考えます。
そのために、4つある「土用」の中で、最も強い力を持っているとされています。
なので、この時期になると、「う」がつく食べ物を食べて頑張ろうと、意識されることが多いですよね。
パワフルな時期だからこそ、それに負けない力を投入したいですよね。
このことから、「未」は、火気に熱せられた「燥土」の状態となっていると考えます。
火気の熱は、人々に影響を与えやすく、その影響は内部にまで及びます。(熱でタンパク質が固まるように)
「未」の人の魅力は、人の内部まで染み渡ります。
人々の心に響きます。
これは、火気の影響を、周りに与えるからかもしれないですね。
だから、「下り」とは、魅了する「景色」なのです。
季節を陰と陽で分類すると、「春・夏」は「陽」で、「秋・冬」は「陰」です。
なので、「未」は、「陽」から「陰」へと切り替わる「転換点」となります。
気の流れの向きが変わるのです。
それは、調整の時期であると考えることができます。
「陽」は発展し大きくなって行く方向に向かいますが、「陰」は、その反対に、排除し縮小して行く方向に向かいます。
無駄なものを排除すると、「本来の姿」へと近づいていきます。
あるべきところに、戻っていく。
「洗練される」時期でもあります。
「燥土」の中には、暑さ(熱)の名残が残っています。
なので、外からの影響により、容易に暑さ(熱)に傾きやすい状態です。
よって、側に火気があると、火としての特徴が出やすくなります。
それは、とても不安定でもあります。
不安定な状態は、「揺らぎ」が大きい状態です。
気は、「揺らぎ」が大きいほど、強い「うねり」となり、その「うねり」は、気の強さでもあります。
強さは、人を惹きつけます。
憧れの存在でもありますね。
「洗練された」人に、憧れの気持ちを抱くのは、その人が、とても強い「揺らぎ」を、自ら生み出しているからです。
だから、「下り」とは、洗練する「景色」なのです。
「未」は「三合木局」の「墓支」です。
木気は、伸びゆく「進化」の気です。
「進化」は、「亥」で兆します。
そして、「卯」で頂点となり、「未」で終わります。
どこまでも伸びていた勢いが、「未」で型が決まり、そして、勢いが止まります。
「成長」の終点とも言えます。
やれることは全てやり、全てを出し尽くした状態です。
それから、完成した型の内側を満たしていく方向に変わります。
そこまでの道程を、精一杯尽くしたなら、とても清々しい気持ちになれるかもしれません。
自分で決断して行動していれば、後悔は感じないかもしれません。
だから、「下り」とは、これ以上何もすることがない究極の「景色」なのです。
もしも、手詰りを感じていたら、それは「下り」に向かっているからかもしれませんね。
「下り」を受け入れるコツとして、「人の評判」を気にしないこと。
それは、「下り」が内側を満たしていく「陰」だからです。
外側は、外側にいる人は、関係ないのです。
最高の「未」になってみて。
きっと、最高の気が、自分の中から溢れてくるはずです。
「転換期」のスイッチが入りますよ!