成功するには「思考」と「行動」のどちらが先が良いのか:「完成」のイメージを明確にする:タロットカード「世界」の考察
「成功できますか?」
「儲かりますか?」
「上手くいきますか?」
時々、唐突に質問されることがあります。
そんな時には、ちょっと困ってしまうのですが、とりあえず「笑顔」で「わかりません」と即答します。
ただし、それだけで会話が終わってしまっては「鑑定士」として失格です。そこから何かを導き出して、出来るだけ「ゴール」に向かって進んでいただけるように、試行錯誤しながら話を続けていきます。
「成功したい」のは、具体的には、仕事なのかプライベートなのか。
「儲かりますか」は、具体的に幾らぐらいお金が欲しいのか。
「上手くいくか」は、何がどうなったら上手くいく基準を満たすのか。
やはり、「ゴール」は具体的の方が、わかりやすいし、提示する情報にも無駄がなく、余計な回り道をしなくて済みます。
でも、唐突にご質問される方は、実は「具体的な回答」は求めていないのです。
何を求めておられるのかというと
「運が良いから大丈夫です」
その一言です。
その言葉で「安心」したいと思っておられるのです。
それは、今がとても「不安」で、やりたいけど自信がなく、周りも反対しているから。だから、自分でも本当にできるかどうか悩んでしまい、結局何も事を起こさずに、時間だけが過ぎている。
頭の中で「ネガティブサイクル」が全開で回っていて、それを何とか方向転換したくなり、「運」に頼ってみたくなった。そんな状態なのです。
気持ちはすごくわかります。
私も、ネガティブサイクルにハマる事が度々あって、その都度、タロットカードでも引いてみようかとカードに頼ってみるものの、カードのメッセージを素直に受け取る謙虚さはまるでなく、自分勝手に解釈をしてしまい、結局、何も答えを出すことができなくなってしまいます。
鑑定士は、自分の事を占うのかと、時々聞かれることがあります。
暦やホロスコープなどは、「動かしようがない」事実として、受け止め、鑑定することができます。
ただ、タロットカードなどの「その瞬間のメッセージ」は、私利私欲や、思い込みや、過度な願望が入ってしまい、客観的に見ることができません。
それでも、俯瞰してみることができる鑑定士さんは、自分でカードを引くそうですが、私は、自分ではカードと向き合うことができず、自分自身を占うことはできません。
まだまだ修行が足りないのです。
望む結果を出すためのアプローチとして、2つの方法があります。
それは
「思考」を変えることで「行動」の変化を促す
「行動」を変えることで「思考」の変化を促す
この2つのパターンです。
「思考」を先に変える方法は、「認知心理学」の考えに基づいた方法で、「行動」を先に変える方法は、「行動心理学」の考えに基づいています。
ひと昔前は、認知心理学的アプローチが主流でした。
ポジティブに物事を捉えてみる、成功した時の気持ちになってみる、など。気持ちがワクワクしてくると、人の「アンテナ」が「ワクワク」に波長が合うので、ポジティブな事をキャッチして、行動が変わるというものです。
認知心理学より遅れて、行動心理学が誕生しました。
これは、まず目の前のことに向き合って、今出来ることに取り組んでみる。そうすると、何だか楽しくなってきて、モチベーションが上がり、結果が出せるようになる、という方法です。
心理学は、科学です。
実験に基づいてデーターを出し、統計的に「これは良し」と、お墨付きをもらった理論しか認められません。
「思考」が先でも「行動」が先でも、どちらでも「これは良し」とお墨付きをもらっている理論なので、自分がしっくりくる方法で行うと間違いないと思います。
では、おすすめ方法はというと
まず、落ち込んで、ネガティブになっている時は
こんな時に「思考」を変えようとしても
「どうせ無理だし」
「私にはできそうにないし」
「前に失敗したから今度も失敗するに決まってる」
そんな気持ちのまま、ポジティブにはなれません。
だから、とりあえず何も考えず、黙々と目の前の事をこなしていき、今日できた事に向き合う。
今日は、窓をピカピカに磨いた
今日は、ストレッチを15分やった
今日は、レジュメの文章を考えた
やり遂げた事を数えてみると、「今日はよく頑張った」と自分を褒めたくなってきて、ポジティブスイッチが入ります。
ネガティブサイクル全開の時には、「まず行動」がおすすめです。
では、ポジティブサイクルの時には、どうかと言うと、ポジティブがいい感じに発動している時には、そもそも悩みません。悩む暇がありません。
ポジティブの度が過ぎて、空回りしている時、そんな時にはイライラ、カリカリしてきます。
そんな時には、修正が必要です。
さもないと、周りがモタモタしようものなら、「何やっているの」「ちょっと邪魔なんだけど」と、つい言ってしまってトラブルになることもあります。
そんな時には「思考」に向き合ってみる。
これ、本当にやりたいと思ってる?
これ、やってて楽しい?
何してる時がワクワクする?
そして、ついでに、大きく深呼吸をしてみると、冷静な思考が、冷静な行動へとつながっていきます。
ものすごく落ち込んだ時に決めたことは、ものすごく落ち込んだ自分が、ものすごく落ち込むベクトルで考えたこと。
イライラカリカリして動くことは、頭に血が上っていて、足元まで気がいきません。なので足元をすくわれて、転びます。
「今の自分はどっちかな」、そんな感じで、俯瞰してみる「もう一人」の自分を意識してみると、どちらがオススメ方法なのかが、わかります。
大アルカナ「世界」
達成・成功・完成・成就・自由
このカードは、大アルカナの中で、最も「良い」とされているカードです。やっとたどり着いた「ゴール」のイメージです。
月桂樹の輪の中に、楽しそうに踊っている裸の女性が描かれています。女性は豪華なドレスや宝石は、身につけていません。しかも裸足です。女性が手にしている2本のバトンは「自意識」と「全体意識」を示していると言われています。
全てを超越した先に、訪れる世界には、「物」ではなく「思い」に溢れています。
ただただ楽しくて、ただただ嬉しくて、心が踊るような気持ち
「ゴール」に待っているのは、こんな「景色」だと、タロットカードは教えてくれています。
それは自分で感じる「景色」です。
詩人・小説家であり、現代タロットカード解釈の世界的権威であるレイチェル・ポラックは、著書「タロットバイブル」(鏡リュウジ監訳・朝日新聞出版)の中で、「ゴール」について次のように述べています。
「タロットの旅には最終的にゴールはない、ということです。私たちは成長し、変化すればタロットも成長し、変化していきます。その過程で、カードがあなたを発見し、あなたもカードの中に自分自身を発見するでしょう。」
この言葉は、「世界」のカードのイメージにぴったりだと思います。
「カード」を「ゴール」に
「あなた」を「わたし」に
置き換えてみると
「ゴール」が「わたし」を発見し
「わたし」も「ゴール」の中に自分自身を発見する
「ゴール」は待っていてくれていて、「思考」が先でも「行動」が先でも、成長して変化していけば、いつか辿りつくことができる。
その時は、ただただ嬉しくて、ただただ楽しくて、
何を手に入れたとか、何を残したとかではなくて
キラキラ弾けるような笑顔の「わたし」がいる。
「成功」はこんな感じの「景色」だと思います。