始まりは「無」そして「全て」に終わる:「大アルカナ」:タロットカードの私の解釈
タロットカードは、22枚の大アルカナと、56枚の小アルカナがあり、全て合わせると78枚のカードから成り立っています。
大アルカナは、「人生の旅」を示し、小アルカナは「旅の楽しみ方」を示してくれていると思っています。
カードリィーディングで、大アルカナがたくさん出るときには、「転換期」を迎え、それを乗り越えるための「覚悟」が問われている時です。
また、大アルカナのカード一枚一枚にも、「果てしない旅」の物語があり、それをどこで切り取り、どう解釈し、どう繋げていくか、鑑定士の力量が問われます。
一枚一枚のカードは、とても深く、とても厳しく、でも、とても温かいメッセージを伝えてくれるのです。
大アルカナの「人生の旅」は、二つのパートから成り立っています。
鑑定士によって、一つのパートとして捉える人、三つのパートとして捉える人、様々です。
どれも納得のできる捉え方ではありますが、私は、物事を解釈する時、「陰陽説」(全てのものは陰陽の二つのバランスで成り立つ)で捉えているので、「前半」(0番「愚者」から10番「運命の輪」)「後半」(11番「正義」から21番「世界」)として捉えています。
「人生の旅」は、「0番 愚者」から始まります。
愚者の人生の旅は、こんなストーリーです。
「思い」だけを持った「愚者」が、「思い」に突き動かされ出発をします。先のことは全く考えず、「なんとかなる!」と言い切って、旅に出るのです。
旅には出たものの、やはり「物」が必要であることに気づきます。(1番 魔術師)
そして、「物」の使い方を学びます。(2番 女教皇)
ただ「物」を使うだけではどうも上手く使いこなすことができません。二つの「心」が必要であることに気づきました。
一つは「愛 情熱」(3番 女帝)
もう一つは「理性 ルール」(4番 皇帝)
その二つを使うことは、社会の慣習にのっとり(5番 法王)、人が助けてくれるのです。(6番 恋人)
社会と助けてくれる人がいるから、自信を持って突き進めます。(7番 戦車)
自分が頑張ることで成し遂げることで、揺るぎない力を獲得することができました。(8番 力)
「欲しいものは、自分で頑張れば全て思い通りに手に入る」
そう思えば思うほど、自分の中に「何か違う」と小さな「闇」があることに気がつきました。(9番 隠者)
そして、何かが、静かに、動き始めたのです。(10番 運命の輪)
良かれと思ってやったことが、「全て」にとって良いことだろうか。
公正であることは、全ての人にとって公正なことではない(11番 正義)
そのことに気付いた時、「何のために頑張るのか」自問自答をしてみました。(12番 吊られた男)
得ることは、同時に、失うことである(13番 死神)
全てを受け入れ、勝ち負けを超えた達成がある(14番 節制)
自分だけの満足に浸っていた自分は、勝ち取ることに囚われていることに気がつきました。(15番 悪魔)
全てのことが「無意味」に思えてきました。(16番 塔)
絶望に浸っている時、ふと遠くを見ると、一筋の、とても綺麗な光が注いでいるのが見えました。(17番 星)
それはまだ遠くにあって、行けるかどうか不安だけど(18番 月)
でも、行けるはず!だって行きたいから!(19番 太陽)
出発すると決めた時、祝福のラッパが鳴り響きました。
ラッパの響きは、自分だけでなく、周囲の人たち耳にも届きました。
全てが目覚めた瞬間です。(20番 審判)
そして、「人生の旅」の全ては意味のあるもの、「存在」していることが意味のあることだと気付いた時、「陰陽」が一つとなって「愚者」を祝福したくれたのです。(21番 世界)
タロットカードリーディングは大好きです。
お客様の素晴らしい「物語」を感じることができるからです。
ただ、自分のことは、リィーディング出来ません。
それは、私の「私利私欲」が邪魔をして、「都合の良い物語」を作ろうとしてしまうからです。
大アルカナのカードに触れるたび、「まだまだ修行が足りない」と、自分を律しなければとも思いますが、
でも、欲張りな妄想を膨らませる私も、ちょっと可愛いかもと思い、クスッと笑ってしまいます。
始まりは「思い」
そして「思い」は旅をして「全て」になります。
自分の「思い」は、「自分の人生の全て」です。