命式の「偏り」は、その人の大事な「個性」です:日柱干支「火」の場合の「偏り」パターン5種
四柱推命で用いる「命式」で、一番大事に扱うのは、生まれた日に巡っていたその日の「干支」です。
例えば「命式」を「身体」として置き換えると、生まれたその日に巡っていた干支は、その人の「頭」の部分にあたります。
一番目立つ部分でもあるし、その人の行動パターンや考えの「核」となります。
「核」はずっと変わりませんが、「核」は時の中で鍛えられて、学びながら進化をしていきます。
ただし、「核」そのものは、決して変わりません。
なので、「核」が何かによって、「あなたはこんな人ですね」と簡単に占うこともできます。
「核」は五行の気のどれかになるので、五つのタイプがあります。
「核」が「火」の人は、「頭」が太陽のように光を放ち、また、炎のように、周囲を暖めます。
暗闇の中でさえ、明るさを放つために、どうしても目立ってしまいます。
そのために、誤解を受けて傷ついてしまうこともあるかもしれませんが、目立つのが特徴です。
だから目立ち方と、目立つ場所を選んでいくと、本当に必要とされる「灯り」となっていきます。
自分の気持ちを隠してしまうのは、太陽が雲に覆われてしまったり、炎に蓋をすることです。
「頭」が「火」を持つ命式と上手く付き合っていくために、「火」が偏っている命式について、特徴と調整方法を書いてみますね。
日柱「火」の場合の、代表的な偏りのある命式は、5つのタイプがあります。
1)<強火>(きょうか)
「火」が強すぎて燃え盛っている状態。
「火」は「丙」と「丁」があります。
「丙」は「陽」で、太陽のような気です。一度空に出ると、辺り一面明るく照らします。つまり「明るみに炙り出す」のです。
とても強い干支で、他の干支の影響は、ほとんど受けないほど「強力」だと考えられています。
そのために、命式の中に一つ「丙」があると良いと言われています。
ただ、二つも三つもあるのは・・・・太陽が二つも三つもあるので、熱い、明るい、、、、。
「丁」は、炎のような気です。風に煽られて広がることもあれば、熱源となるものがなければ、火の勢いが落ちていきます。
つまり、周囲の影響を受けやすく、また、人の手でコントロール可能と考えます。
「火」が強いのは、「太陽」なのか「炎」なのかを考えて対処しなくてはいけません。
最も無難で基本となる方法としては、「金」を補って「火」を落ち着かせていきます。
熱過ぎる「熱」は、「金」を用いることで「熱」の力を「金」を溶かす方に向けるのです。そして、「金」が溶けると「水」を生むために、段階的に「火」を抑えていくと考えます。
ただし「丙」の場合は、もう一つの「荒技」があります。
「丙」と「壬」が重なり合うと、大海原に太陽の光が降り注ぎ、水面がきらきらと輝く景色になると考えます。この景色のことを、四柱推命では「水火既済」とよび、「最も美しい景色」として「大吉」と解釈をします。
しかし「丁」の場合は、燃え盛っている炎に向かって、冷たい「水」をいきなり浴びせる景色となります。なので、せっかくの「水」は水蒸気となり、熱い蒸気が飛び散ってしまいます。なので「大凶」です。この景色のことを四柱推命では「水火激冲」と呼びます。
なので、「火」が強過ぎる場合は、気を付けて調整をしていく必要があります。
2)<晦火>(かいか)
「土」が強過ぎて「火」の力が「土」に漏れ出してしまう状態です。
「火」と「土」の関係は、「火」が母親となって「土」の子供を育てていくと考えます。
つまり、「火」にとって、多過ぎる「土」は、世話のかかる子供たちに振り回されてしまって、力が漏れ出し疲れてしまいます。
なので、「土」の子供に、大人しくなってもらう必要があります。
「土」を抑えてくれる気は「木」です。
「木」は「土」の栄養分を吸い取って、地面に根を張り巡らせて、大きく育っていきます。
「木」は「甲」(陽)と「乙」(陰)がありますが、この場合は「甲」の方が有効だと考えます。
「甲」は大木なので、グングンと「土」から栄養分を吸い取って、大きな根っこを張り巡らせるからです。「乙」の場合は、蔓草なので、ちょっと力不足になります。
と言うわけで、「甲」を用いて、 その上で「火」を補っていきます。
3)<熄火>(そっか)
「金」が強過ぎて、「火」の勢いが沈められてしまい、今にも消えそうなほど力が奪われてしまった状態です。
「金」は、「火」の熱を奪って自らが溶けていき、そして「水」を生み出します。なので、多過ぎる「金」は、「火」の熱だけでなく、「水」によって「消火活動」をするのです。
まずは、消え入りそうな「火」を強めなくてはいけません。なので「木」を用います。焚き火に薪をくべるのです。
もしも、多過ぎるのが「庚」(陽)であれば、刃物で木々を切る景色も同時に生まれます。つまり、「木」を用いることで、「金・庚」は「木」に向かい力を使っていくと考えます。だから一石二鳥ですね。
それから、弱くなっている「火」を補って、強過ぎる「金」を溶かせるほど強力にしていきます。
ただし、この場合は「水」を生み出すことにもなるために、加減が大事です。
4)<滅火>(めっか)
「水」が強過ぎて、「火」が消されてしまった状態です。
もしかしたら、辛うじて「火」が残っているかもしれませんが、辺りは水浸しになっているために、「火」にとってはとても厳しい状況と言えます。
まずは、憎き「水」に、いなくなってもらわなくてはいけません。
そために、「木」を用います。「木」に「水」を吸い取ってもらうのです。「木」は豊富な「水」をもらって、大きく育っていきます。
そうすると、焚き火に薪を投入できるようになるのです。つまり、「火」の熱源となり、「火」は大きくなっていきます。
もしも、それでも「火」が不足していたら、「火」そのものを補います。
5)<熾火>(しょっか)
いくら「木」があると、「火」は強くなると言っても、多過ぎてしまうと、さすがに「火」は、「木」を上手く燃やすことができなくなります。多過ぎる「木」があると、燃えた木が炭となり、炭が貯まっていきます。そして、燻っている状態になります。
しかも、炭が堆積して、辺りの風通しが悪くなる。
運気は、サラサラと流れてこそ、新旧交代を繰り返しながら進化していきます。なので、風通しが悪い状態は、物事が滞り、運気の流れがドロドロしていきます。
余分な「木」を切り倒して、熱源となる「木」を減らしていきます。
その場合は「金」を用います。そして、「木」を切り倒していくのです。
ただし、例外もあります。
炎の気である「丁」が巡ってくると、たくさんの炭は、燃え盛ることができます。なので火力が増すために「吉」であると考えます。
日柱干支が「火」を持っている人で、「最近調子が悪い・・・・」と感じる場合は、巡って来た運気や、周囲の人の持っている気からの影響を受けて、五つの「偏り」のどれかに一時的になっているかもしれませんね。
なんとなく感じる「景色」が、どれに当てはまっているか想像して、対応策を練ってみてくださいね。
「偏り」時は、気の巡りが偏っています。
そんな時は、グイッと勢いをつけるチャンスなんですよ!
参考にしてみてくださいね。
※日柱干支「木」の場合の「偏り」についてはこちらをご覧ください
※日柱干支「土」の場合の「偏り」についてはこちらをご覧ください
※日柱干支「金」の場合の「偏り」についてはこちらをご覧ください
※日柱干支「水」の場合の「偏り」についてはこちらをご覧ください