人と自然が共に在るために:五行論:「きしおつ」が刻まれた仏様に込めた思いを感じる
先日立ち寄った鋳銭司郷土館で、気になるポスターを見つけました。
山口市仁保に、疫病よけの呪文が刻まれた石仏があるそうなのです。
安政の時代は、地震が起こったり疫病が流行るなど、多くの人々が不安と苦しみの中生きていたそうです。
その状況を鎮めるために、仁保地区に、呪文を刻んだ石仏が祀られました。
郷土館の館長さんが、ポスターを見ながら、とても丁寧に説明をしてくださいました。
その時は時間がなかったので、残念ながら行くことができなかったのですが、今日は仁保方面に行く予定もあり、立ち寄ることにしました。
館長さんに、場所も教えてもらっていたので、迷わずに到着できましたよ。
道路に面しているので、分かりやすいですよね。
画像では分かりにくいかも知れませんが
「きしおつ」の文字が刻まれていますね。
「安政二年」から、ずっと地域を見守っておられる仏様。
有り難や有り難や。
人は自然と共に生きています。
自然は決して優しいのでなく、自然のままに振る舞うために、時には人にとって脅威になることもあります。
それでも人は智慧を使って、数々の脅威から身を守ろうとしながら、命を繋いで今に至ります。
四柱推命で扱う「五行」も、自然の脅威に立ち向かうために、生み出されたものです。
中国・夏(か)の王朝の始祖である禹(う)が、「五行」を考案したと言われています。
国を治める五つの基本原理として唱えました。
禹は、黄河の治水に成功した人物として知られています。
「五行」は、黄河の氾濫から人々を守るために、生み出された基本原理なのです。
その後、斉国の陰陽家である鄒衍(すうえん)により、五つの惑星に結びつけられ、万物に当てはめられました。
そして「五行説」は、今でも四柱推命だけでなく、東洋の占いや医学、薬膳理論の基本となる思想として受け継がれています。
自然と共に在るためには、人と自然の関係が、不自然に偏らないように整えていかなくてはいけないと、五行説は述べています。