上を向いて進もう:十二支「卯」の景色:運が見方をしてくれる人の特徴
十二支の中で、最も希望に満ち溢れていて、ワクワクと心が躍るのは「卯」かもしれません。
「卯」は「双葉」の象意です。
一つの方向性しか持っていなかったものが、二つに分裂していきます。
それは、「細胞分裂」のようでもあります。
分裂することにより、葛藤や摩擦が生じます。
このために、目に見える単純な進化のスピードが鈍化してしまいます。
いろいろあっても、なんとか進化しようと巡る気です。
「卯」は「寅」の次の十二支です。
「寅」は真っ直ぐに突き進もうとします。なのでターゲットを目指し、迷う事なく進もうとします。進めば進むほど、「反対勢力」と出会う確率が高くなります。さまざまな状況を目にすると、「疑問」や「違和感」も感じることになります。
それが、「葛藤」となり、自分の内在する気に影響を与え、内なる「揺らぎ」が発生します。
「寅」が極まると「卯」へと進む。
「双葉」が開いた状況が「卯」
そして、その次に「本葉」が出てきて、「本格的」な成長へと進みます。
象形文字では、開門の形とされています。
新芽が地上に出て双葉を広げた形です。木々が地面に広がって増殖していく景色です。
「卯は茂なり。万物茂るなり」(『史記』)
新緑が輝く景色が「卯」です。
ワクワク心が躍りますね。
中国では満月に浮かぶ影(黒い模様)を白兎に見立ててきました。
月(太陰)は、穏やかに人々の心に影響を与えていきます。
また、月は約30日サイクルで満ち欠けを繰り返します。
このことから、穏やかで優しさはあるが、不安定で、あてにはならない「不確実」な象意味と捉えることができます。
月は自分では輝けません。太陽の光をもらって夜空に輝きます。
太陽の輝きは勢いが強いために、昼間の月は太刀打ちできません。
太陽が沈み、暗がりの中で、やっと存在感を発揮します。
でも、雲が出ていたら、月は隠されてしまい、姿を見ることはできません。
なので、環境の影響を素直に受け取ってしまう。良いかどうかは別として。
タロットカード「月」は、定まらない不安定な状況を表しています。
そのような月に住む白兎もまた、不安定な存在だと考えることができます。
では、どうして「不安定」になってしまうのかというと
「卯」が「陰支」だからです。
「陰支」は環境からの影響を受けいれて、自分と環境との間でのバランスを取ろうとします。
環境が強すぎる、または、自分が弱すぎる場合は、自分が潰れてしまいます。
なので、ちょっと弱い感じがするかもしれませんね。
でも、全くそんなことはありません。
むしろ、「陰」を敵に回すとちょっと怖いかも。
環境が弱っていると、「陰」は環境を巻き込み飲み込んでいきます。
ブラックホールが吸い込むみたいに。
そして、自分の中に力を蓄えていきます。
周囲の力を吸い込んで、自分のお腹をいっぱいにする感じですね。
周囲は「気が付いたら、何でもかんでも言うことを聞いてあげてた・・・・」と、ある時ふっと感じるのです。でも、決して嫌ではなく、ますます言うことを聞いてあげたくなる。
野球を始めたばかりの子が、監督や先輩に手取り足取り指導してもらって、気が付いたら、「チームナンバー1」の実力者になっていた。こんな感じだから。
皆んなが応援したくなるし、応援し甲斐がありますよね。
「卯」は好奇心が旺盛な「木気」です。
成長していく姿を見て、周囲の皆んなが心ワクワクします。
「卯」は「春」の「旺支」です。
最も春が極まり、冬の名残は完全に消失しています。
「卯」は三合木局の「旺支」でもあります。
「伸びやかさ」の極みです。
上を目指して頑張る姿は「卯」そのもの。
それは
ちょっと不安定でもあり
だから不安にもなるし
ちょっと間違った方向に向き
だから効率が悪いかもしれないし
ちょっと周りの状況に振り回されるけど
だから
上手くいったら嬉しいし
想定外の出合いがあり
流れにのると楽々進める
十二支「卯」の景色は、柔らかなウサギの毛が風にふわふわ靡いている感じかもしれないですね。
ここで重要なのが「卯」は決して「自分らしく」はないと言うことです。
「卯」が出す「答え」とは、「環境」の中で最も「適切」な「場所」にいること、居続けることだからです。
なので、「環境」とは戦わない。
五行木気は「命の成長」の気。
勇気を出して踏み出したことは(「寅」の景色)
「周囲」が喜んでくれたら(「卯」の景色)
運気が応援してくれる。
ただし、何を「周囲」に設定するのかを、自分で決めなくてはいけません。