
「陽」から「陰」へ方向転換しよう:9月「己酉」の過ごし方:陰陽論
明日9月8日から、月の暦が次に進みます。
今日までは「戊申」
そして、明日から「己酉」
「戊」と「己」は土気
「申」と「酉」は金気
どちらも同じ五行ですが、陰陽が違います。
「戊申」は「陽」で、「己酉」は「陰」です。
つまり、明日からは、陰陽がひっくり返ることになりますね。
東洋思想といえば「陰陽論」です。
四柱推命も「陰陽論」が基本となります。
四柱推命では、「陰陽」を踏まえた上で、それを「五行」でどう動かしていくとスムーズに進めるかを考えていきます。
陰陽論の歴史はとても古く、伏義(ふくぎ)が唱えたと言われています。
伏義とは古代中国神話に登場する神、または伝説上の帝王です。
蛇身人首の姿で描かれていることもあります。
この理論は、日本に入り「陰陽道」となりました。
「陰陽論」とは、天地万物は「陰」「陽」の二つの相反するものから成り立っていると考える理論で、二元論です。
主として4つの特徴があります。
1)陰陽の対立
相反する面(上と下、左と右など)はお互いに助け合って存在し、一つの
統一した世界を作っています。
2)陰陽の相根作用
陰陽は、同じ根を持ち、依存しながら存在しています。相手から離れて存
在することはできません。対立する相手があって、はじめて存在すること
ができます。
3)陰陽の消長平衡
陰陽の量的関係は、絶えず変化していて、静止することはありません。一
定の範囲の中で、“陰が増せば陽が減り、陽が増せば陰が減る”を繰り返し
ています。
4)陰陽の相互転化
対立する陰陽が、ある条件のもとで極まると、反対の性質に転化(変化)
します。
“陰が極まると陽となり、陽が極まる陰となる”
古代中国哲学では、相反する陰陽二つの気が統一されて万物が生じたと考えられています。
つまり、陰陽とは、自然界の基本法則であり、万物の規律であり、変化を生み出す原動力です。
さまざまなものを陰陽に分類してみると、以下のようになります。
自然界の陰陽 | |||||||
陽 | 天 | 太陽 | 昼 | 上 | 熱 | 動 | 明 |
陰 | 地 | 月 | 夜 | 下 | 寒 | 静 | 暗 |
人体組織の陰陽 | |||||||
陽 | 男 | 上部 | 背部 | 皮膚 | 六腑 | ||
陰 | 女 | 下部 | 腹部 | 筋骨 | 五臓 | ||
生理機能・感情・行動の陰陽 | |||||||
陽 | 興奮 | 声が大きい | テンションが高い | 火照る | 行動的 | 外向的 | |
陰 | 鎮静 | 声が小さい | テンションが低い | 冷える | 思考的 | 内向的 |
「太陽」と「月」は、わかりやすいかもしれませんね。
人間の性別では、「男性」は「陽」で、「女性」は「陰」です。なので、四柱推命では、男性が「陽」の力を顕著に持っている命式であると、「男らしい男」つまり「運に恵まれている」と解釈をし、もしもこれが女性であれば、「男みたいな女」なので「夫に逆らう・実家に戻される」と散々な言われよう・・・・。もちろん今ではそんな解釈はしませんのでご安心くださいね!
「陽」は動くことにより、その力を発揮すると考えます。なので中は「空」で外が満ちている感じです。(中空)
「陰」はその逆です。動くことではなく、蓄えて充満することで力を発揮します。
例えば、身体では、「五臓」は「陰」で、「六腑」は「陽」です。
「五臓」とは、肺・心・肝・脾・腎
それらは「精気」に満ちていているとき、役目を果たすことができます。疲れて「虚」している場合には、十分に働くことができません。
「六腑」とは、胆・胃・小腸・大腸・膀胱・三焦
三焦は馴染みがないかもしれませんね。上焦・中焦・下焦の3つに別れていて、気の経路です。実際の「形」は存在しません。
「六腑」はいつも動いているのではなくて、代謝産物が送られて通過するときに役目を果たすために動きます。例えば、ご飯を食べたら胃が消化運動を始めるみたいに。
「陰」と「陽」の違いについて、なんとなくイメージが湧いてきたかもしれませんね。
明日からは、「陰」を意識してみると、良い感じに進めると思いますよ!
「己酉」は、大地に鉱石が埋もれている景色です。
「土」は「金」に力を与える気です。
つまり、大地の中の鉱石は、土のエネルギーを吸収して、育っていく感じです。
「酉」は、樽の中で「熟成する」「発酵する」意味もあるので、味わい深い個性的な鉱石になっていきます。
このことから考えてみると
・今取り組んでいることを、より深く極めてみる
・自分の考えを、自問自答を繰り返し、練り上げてみる
・基礎練習を繰り返し行う
・旬の食材や、身体に良いものを味わって食べる
・知識を吸収し日々コツコツと努力する
ちょっと地味かな・・・と感じられるかもしれませんが・・・
「己酉」をうまく活用すると、「芳醇なワイン」になれるかも!
9月8日は「甲子」です。
「甲子」は、60個の干支の巡りの一番バッターです。
60日サイクルのスタートなんですよ。
何かが始まる予感がしますね!
ベクトルの向きを変えて、充実の「己酉月」をお過ごしください。

