「運」の調整は、植物を育てていく作業に似ています:「天干」「地支」「蔵干」
四柱推命で扱う「命式」は、たった八つの「文字」で全てを物語っています。
八つも「文字」は、二つがひと組となり、全部で4つに分けられています。
二つの「文字」は、上と下に配置され、上の部分を「天干」、下の部分を「地支」と言います。
「天干」は、表面的に捉えることができる気です。
「地支」は、内側の気の動きです。
「天干」は、10個の「干支」を当てはめていきます。
甲・乙・・・・「木」
丙・丁・・・・「火」
戊・己・・・・「土」
庚・辛・・・・「金」
壬・癸・・・・「水」
最初の文字は「陽の気」で二番目の文字は「陰の気です。そして、「」は五行です。
「地支」は、十二支が当てはまります。
「子」「丑」「寅」「卯」「辰」「巳」「午」「未」「申」「酉」「戌」「亥」の12個です。
このように、「表」と「裏」をセットにして、お互いの関係性を紐解きながら、「命式」を解釈していきます。
もっと、深く読み解く場合、「蔵干」も加えて、3階建て構造として観ていきます。
「蔵干」とは、「十二支」に含まれている「五行」のことです。
実は、「十二支」には、複数の「干支」が寄り集まって一つの「十二支」として存在すると考えられています。
つまり、「表」の気は、陰陽五行でシンプルに成り立っていますが、「裏」の気は、陰陽や五行が入り混じって存在しているのです。
なので、「十二支」の解釈においては、イメージ力というか、想像力というか、もっと言えば、占い手の妄想力にかかっているわけなのです。
「十二支」が持っている「干支」は次の通りです。
「子」・・・壬・癸
「丑」・・・癸・辛・己
「寅」・・・戊・丙・甲
「卯」・・・甲・乙
「辰」・・・乙・癸・戊
「巳」・・・戊・庚・丙
「午」・・・丙・己・丁
「未」・・・丁・乙・己
「申」・・・壬・庚
「酉」・・・庚・辛
「戌」・・・辛・丁・戊
「亥」・・・甲・壬
例えば、昨年2020年の干支の「子」の「蔵干」は「壬」「癸」なので、とてもシンプルな「水」です。
冷たい「水」が流れる景色になります。
なので、周囲からの影響を受けにくく、どんな場合でも(他の柱の気が何があったとしても)「水」として存在します。
一方で、今年の2021年の干支の「丑」の「蔵干」は「癸」「辛」「己」の3つの「五行」が寄せ集まっています。
「癸」は「水」の陰
「辛」は「金」の陰
「己」は「土」の陰
それぞれ異なる3つの五行は、周囲からの影響の受け方も複雑になります。
もしも、冷たい五行(水・金)が、周囲にたくさんある場合は、冷たさが増して、「癸」が強まります。
また、熱い五行(火)が、周囲にたくさんある場合は、「水」は蒸発していき「己」(土)が全面に押し出されてくるのです。
また、巡る気によっては、同じ気の場合は、手を繋いで、その五行が強められると考えます。
今年は「辛」が巡っているので、「丑」の中の「辛」と手を繋ぎ、「金」の五行が強くなっています。
強くなるとは、大きくなるのではなくて、芯がしっかりと強くなり、他からの影響を受けにくくなると考えます。
2009年の「丑」は、「己丑」だったので、「土」っぽい「丑」でしたが、今年は、「金」っぽい「丑」となります。
なので、同じ「丑」でも、ちょっとイメージが違うのです。
改めてまとめてみると
「天干」とは、十干支のことです。表面に現れる象意を示します。
「地支」とは、十二支のことです。水面下での象意を示します。
「蔵干」とは、十二支が宿している「五行(十干支)」です。
そして、この3つの「干」は、それぞれに独立しているのではなく、お互いに結びついて影響を与えています。その影響を与え合う様子を読み解くことで、より深く、命式の全体像を知ることができます。
一輪の花に例えると
「天干」は花
「地支」は枝葉
「蔵干」は根
木で例えると
「天干」は枝や葉や実
「地支」は幹
「蔵干」は根
根がしっかりと広がっていると安定します。
枝葉が繁すぎると、花に栄養が届きません。
運気を紐解いたり、気の調整を行う場合、「外側」だけの調整では、どうしても補い切れない時には、水面下の「蔵干」が頼もしい助っ人となってくれます。
花を綺麗に咲かせるために、「蔵干」が根ざしてくれると、「地支」が「天干」に良い影響を与えてくれるからです。
占い師は、美味しい野菜を育てたり、美しい花を咲かせるために、日々のお天気を気にかけ、水やりや肥料の量を加減し、成長を楽しみに向き合うように、「命式」と向き合っているんです。
正解もないし、これからのお天気がどんな影響を与えるかは、想像するしかありませんが、でも、占いを受けて、「気持ちが軽くなりました」と、スッキリ笑顔になられるお客様を見るたび、「すごい花が咲いた!!!」と、思わずドヤ顔をしています。
占いは、一方的に受けるのではなくて、まるで植物を育てているように、占い師と「共同作業」をしていきましょう。
なので、腑に落ちないことろは、何度でも聞いてもらいたいし、どんな「花」を咲かせたいのか、あなたのそのままの気持ちを教えてくださいね。