「自分の売り」は「いつもの自分」の中にある:「運が良い人」はきっとこんな感じ
「自分とは何か」
比較することによって、「何か」がわかるので、何と比較するのかによって「何か」は決まります。
「比較」する対象が、比較に値しないものだった場合、「何か」も何かに値しないものになってしまします。
「どんな仕事に向いているのかわからない」
そんな悩みを持つ人は
実は、「どんな仕事でもそつなくこなすことができる人」
です。
どこに行っても、周囲に溶け込めて、少し我慢はするけれど、それでもやっていけるのは、実は、その人の最大の「売り」です。
一つのこと「特化」した人は、そこでしかいられないから、一点集中して頑張ります。
何かに「特化」した人は、エネルギーがそこに集中するので、「圧」も強いし、目立ちます。
「特化」した人は憧れの存在ですが、「比べる」対象にすることはあまりおすすめしません。
それは、せっかくの自分の「売り」を「封印」してしまうことになるからです。
薬膳理論を学びたいと思ったのは、韓国ドラマの「チャングムの誓い」にハマったからです。
その中でも、第4話「母の教え」は、心に深く刻まれています。
チャングムはハン尚宮の厳しい指導を受けていました。
ある時、ハン尚宮がチャングムに課題を出します。
「水を持って来なさい」
チャングムは、まず、そのままの水を器に入れ、ハン尚宮に渡します。
「これはだめ。」
受け取ってもらえません。
熱いお湯、冷たい水、また、木の葉を浮かべてみたり。
チャングムは頭をひねって考えますが、どれも「だめ」と言われます。
ハン尚宮は、「考えればわかるはず」と言いました。
そこでチャングムは、かつて母親が自分に水を飲ませる時、いつもチャングムの体調を聞いてくれていたことに気がつきました。
チャングムは、ハン尚宮に尋ねます。
「お腹は痛くないですか。」
「今日はお通じはありましたか。」
「喉は痛くありませんか。」
そして全ての答えにぴったりの、ハン尚宮にだけの特別の「水」を準備しました。
ハン尚宮に向けて、心を込めた言葉を添えて。
「温かいお湯に、塩をひとつまみ入れています。
一度に飲む干さずに、お茶を飲むように、ゆっくりと召し上がってください。」
ハン尚宮は、美味しそうに、嬉しそうに、チャングムの「思い」がたくさん詰まった「水」を飲みました。
一杯の「水」でも、差し出す人が、受け取る人のことを、しっかりと理解し、受け取る人にとって「必要な水」を提供する。
相手を思いやる気持ちがあるから、「水」は「特別な水」になります。
「今必要なものを食する」
薬膳理論は、「人」にとても優しい理論です。
「何をしてもそつなくこなす人」は、「感性」の豊かな人だと思います。
そして「想像力」も豊かな人です。
そんな人は「環境」からの「メッセージ」を敏感に汲み取ってしまうので、「傷つきやすい」ところもあります。
だから、いろんな「仮面」を持っていて、いつもその場にぴったりの「仮面」を取り替えることができます。
「仮面」は自分を守ってくれます。
「仮面」をかぶると、みんなも「仮面」を見て「こんな人だよね」と、勝手に理解してくれるので、いちいち説明する「手間」や「労力」が要りません。
だから、「仮面」をかぶると楽です。
いろいろな「仮面」をかぶりすぎると、本当の「自分の顔」を忘れてしまいます。
そんな時、「自分の顔」を思い出させてくれる言葉があります。
「ありがとう」
その言葉をかけられた時は嬉しくなります。
誰に言われて嬉しくなったのか
どんな風に言われて嬉しくなったのか
なぜ、その人は「ありがとう」と言ってくれたのか
少し深く「ありがとう」を感じてみてください。
「ありがとう」を言ってもらえる場所で、特に、自分の心が喜ぶ時にいる場所が、「自分の役割の場所」で、そして、「ありがとう」の理由が、「自分の売り」です。
だから、「なんでもそつなくこなす人」は、「環境」が大切です。
「ありがとう」がない「場所」では、「自分の売り」が出せないので、
自分の「居場所」ではないかもしれません。
「環境」は、自ら選ぶしかありません。