「笑い」の中に隠された「策略」:人はなぜ「笑う」のか:日常のひとコマから感じたこと
21_21DESIGN SIGHT で、企画展「ユーモアてん。/SENSE OF HUMOR」が開催されています。
展示会ディレクターは、アートディレクターの浅葉克己さんです。
ユーモアとは何か。
①ユーモアは心を和ませる。
②ユーモアは暗い気持ちをひきたてる。
ユーモアの中身は複雑であるが、このふたつを頭の隅に置いてみて欲しい。
浅葉克己
(展示会場 パネルより抜粋)
蛇に睨まれたネズミたち。
蛇の電気の明かりは、ネズミたちを明るく照らしています。
一部の作品を除いて、展示会場は写真撮影可です。
デザイン企画展らしく、アーティスティックな出で立ちの、お客様がたくさんで、熱心に、作品にカメラを向けている姿が目立ちました。
「笑い」は人間特有の現象と言われています。
人は、笑顔が好きで、笑顔になるために「ユーモア」を欲します。
ユーモアも、自分を見失わないための魂の武器だ。ユーモアとは、知られているように、ほんの数秒間でも、周囲から距離をとり、現状に打ちひしがれないために、人間という存在にそなわっているなにかなのだ。
「夜と霧 新版」 ヴィクトール・E・フランクル著 みすず書房
オーストリアの精神科医、心理学者でもあるフランクルが、ナチス強制収容所での体験を綴った「夜と霧」には、全てを失ってでも、それでも、人は、「将来の希望」を持つことができ、「希望」は生き抜くため不可欠なものであることを、強く、激しく教えてくれます。
そして、どんなに「環境」が劣悪だったとしても、自分の中の「希望」は、誰にも邪魔されることのない、「唯一無二の自分」であることを、温かく訴えています。
たとえそれが、「今」から逃避することであったとしても。
「逃げる」ことも、立派な戦い方であり、勝つための、積極的な行為の一つです。
目に見えるものが何もなくても、戦う武器を持ち合わせていなくても、人は「笑う」ことで、果敢に立ち向かい、「自分」を守ることができる。
だから、人は「笑顔」になりたくて、「笑顔」にさせてくれる人が大好きです。
全ては陰陽のバランスで成り立っています。
いつも「笑顔」でいる人の「表の笑顔」だけでなく、「裏の笑顔」を感じると、もっとその人のことが好きになると思います。