「気」を意識することは、体調管理にも「お得」なのです。:「冬」のおすすめの過ごし方:五つの気「木・火・土・金・水」の特徴
世界最古の医学書とも言われる「黄帝内経」によると、「自然界の現象であろうとも、人体であろうとも、陽に偏り過ぎたり、陰に偏り過ぎてはいけない。陰陽のバランスの崩れが病となる。すなわち陰陽のバランスを整えることが養生である」と述べられてます。
「陽」が優勢の状態とは、やる気が出て行動的になります。
ポジティブであり、エネルギッシュ。
だから「良い感じ」に物事に取り組めて、結果に繋がりやすいです。
でも、これが行き過ぎると、攻撃的になり、ハードワーカーとなり、疲れていても、「疲れを感じない」状態となってしまうのです。
全てのものは「進化」のサイクルを辿っています。
「陽」が行きすぎると、進化のサイクルを、必要以上に速めてしまいます。これは、ハムスターが回し車を高速回転でクルクル回している感じです。
少しでも歯車が狂ってしまうと、空回り状態になって大変・・・。
一方で、「陰」が優勢になると、ゆっくりと落ち着いて行動できます。
クールであり、理性的に考えることができます。
だから、「じっくり」と計画を立て、コツコツと取り組めます。
でも、これが行き過ぎると、くよくよ悩んで、落ち込んでしまって、自信までなくなってしまいます。
「陰」が行き過ぎると、進化のサイクルを止めてしまって、固まってしまうのです。
重たい荷物を両手に抱え、おまけにリュックサックまで背負って、下を向いてとぼとぼ歩いている感じです。
辛いし、悲しい・・・。
今の自分が、どちらに傾いているのか、「ハムスター」なのか「とぼとぼ」なのかで感じてみると分かりやすいと思います。
基本的には、自分が辛いと思っていなければ、そのままで進みましょう。
何かを動かす時、何か成し遂げたいことや、変化させたい時には、「偏った」状態でいなくては、「加速」しません。
バランスをとるのは、「安定」することでもあるので、「現状維持」の場合のみおすすめです。
上手くいかない時や、辛い時、苦しい時には、たいてい「逆」または、適切でない方向に偏っています。
そんな時には「逆」を意識すると、偏りが修正されて、スムーズに「気」が流れ始めます。
例えば、落ち込んだ時には、窓を開けて、太陽の光を浴びる。気持ちが高ぶっている時には、静かで薄暗い空間で過ごしてみる。など。
少し意識をするだけでも、気持ちが楽になり、効果を感じられるはずです。
「気」には「木・火・土・金・水」の五つの種類があります。
全てのものは、この五つの特徴を、単体で、または複合的に持っています。
人の体の「パーツ」も、これら五つの「気」を宿しています。
「なんだか、少し、調子が悪いな」と感じる時は、気が「失調」している時です。
「木」の気が失調している時
イライラして、カリカリして、つい余計な一言が出てしまう。
気持ちは焦るけど、決断ができない。
こんな感じになってしまいます。
そんな時には
いつもの食事に、薬味をたっぷり添えてみる。
季節の花を楽しみながら、ゆっくり散歩をする。
会いたい人に会いに行く。
そうすると、「まあ良いか」と、穏やかな気持ちになれますよ。
「火」の気が失調している時
夜中に何度も目が覚めてしまう。
つい、人の行動が気になって、自分の思い通りになって欲しいと、口うるさくなってしまいます。
そんな時には
コーヒーの香りを楽しみながら飲む。
肩甲骨周りのストレッチをしたり、思いっきり背伸びをする。
ラーメンの汁は残す。
そうすると、「まあ良いか」と、クールダウンできます。
「土」の気が失調している時
食欲がなくて、いつもお腹が張っている感じがする。
妙に頑固になって、同じことばかり考えてしまい、気持ちが動かなくなってしまいます。
そんな時には
食物繊維いっぱいの、根菜類を食べる。
少し汗ばむ程度まで、筋トレをする。
そうすると、「まあ良いか」と気持ちが軽くなってきます。
「金」の気が失調している時
イエスなのかノーなのか、はっきりないと気が済まず、答えにこだわり過ぎてしまう。
ちょっとでもダラダラしようものなら、「ちょっと、速くしてくれませんか」と後ろから突きたくなってしまいます。
そんな時には
気分転換に一人でドライブする。
ウインドーショッピングを楽しむ。
お部屋を、好きなアロマの香りでいっぱいにしてみる。
そうすると、「まあ良いか」と気持ちがウキウキしてきます。
「水」の気が失調している時
足のむくみが気になって、下半身が重だるく感じます。
今まで頑張ってきた事を、急に投げ出したくなってしまうかもしれません。
そんな時には
心地よい音楽を聴く。
肌触りの良い天然素材の衣類を見に纏う。
いつものおかずに、黒ごまをふりかける。
そうすると、「まあ良いか」と気持ちがほっこりしてきます。
暦の季節は「冬」です。
冬は「水」の気をたっぷりと、みんなに持ってきます。
「水」の気は、これから芽吹く「新しい種」に、優しくエネルギーを与えてくれます。
冷え性対策をしっかりとして、ぬるめのお湯にゆったりと浸かって入浴をする。そして、質の良い睡眠にこだわってみる。
そんな感じで過ごしていると、「春」には、きっと、可愛らしいけどちょっとやんちゃで、でも憎めない、そんな「新しい芽」が、ひょっこりと顔を出してくれるはずです。