「子丑空亡」がやってきた:そもそも「天中殺」「殺界」とは何か:簡単四柱推命講座
「占い師」として仕事を始めてから、幾度となく、繰り返し出てくるキーワードがあります。
それは
「天中殺」「殺界」
「殺」と言う文字を見ただけでも、ドキドキゾワゾワ怖くなってしまう・・・
今年から天中殺だから、怖くて・・・
この2年間は、何も殺界だから何もできない・・・・
旅行も控えた方が良いかも・・・・
実は、その発言が出ている時点で、「残念な年」になる可能性を、自らぐんと引き揚げてしまっているのです。
そんな時には、
そもそも天中殺とはなんぞや
なぜ殺界は大きいことを決断しない方が良いと言われているのか
その説明をして、「見えない敵」を少しでも見える形でイメージできる様にお話しさせてもらっています。
暦は二階建て構造です。
上の部分は「干支」が担当
干支には10 個のパターンがあり、それが順番に巡っています。
順番は
「甲」→「乙」→「丙」→「丁」→「戊」→「己」→「庚」→「辛」→「壬」→「癸」
「癸」まで巡ったら、また、「甲」に戻って、次のサイクルが始まります。
干支が示しているのは、「動く様」
つまり、景色として、視覚化できる「行く様・流れ」です。
下の部分は「十二支」の担当です。
十二支は、形のない「雰囲気」を示します。
十二支は12個のパターンがあって、こちらも順番に巡ります。
「子」→「丑」→「寅」→「卯」→「辰」→「巳」→「午」→「未」→「申」→「酉」→「戌」→「亥」
干支と同じ様に、「亥」まで巡ると、振り出しに戻って、「子」から次のサイクルが始まります。
十二支が示すのは、時間・季節・方角・思い、など
刻々と流れてはいるけれど、「一言で言うならばこんな感じ」とキーワードでは示しにくいもので、「なんだかこんな感じを受ける」と言った様に、「流れる雰囲気」でイメージをすると解釈しやすいと思います。
そして、順番に、二階建て構造にすると
「甲・子」→「乙・丑」→「丙・寅」→「丁・卯」→「戊・辰」→「己・巳」→「庚・午」→「辛・未」→「壬・申」→「癸・酉」
ここまで来たところで、干支が10 個巡ります。そして、十二支の「戌・亥」が残って、次のサイクルの干支に繰り越します。
スタートから10 個の干支には「戌・亥」が「不足」しているために、このグループを「戌亥空亡」(四柱推命では天中殺のことを空亡と言います)と言います。生まれた日の干支がこのグループは、平たく言うと、「戌年と亥年が殺界」の人となります。
干支と十二支の組み合わせは、60個あり、「空亡グループ」は6個できます。
日本の鑑定では、「年」だけが、「殺界」としてクローズアップされがちですが、「殺界」は、時間や方角、季節もあり、なので、「殺界の年」だから「悪い」と言い切れない「複雑な事情」があることが、お分かりいただけるかと思います。
空亡表 |
|||
日柱干支 |
年 |
月 |
方位 |
甲子 乙丑 丙寅 丁卯 戊辰 己巳 庚午 辛未 壬申 癸酉 |
戌・亥 |
10月・11月 |
北西 |
甲戌 乙亥 丙子 丁丑 戊寅 己卯 庚辰 辛巳 壬午 癸未 |
申・酉 |
8月・9月 |
西南・西 |
甲申 乙酉 丙戌 丁亥 戊子 己丑 庚寅 辛卯 壬辰 癸巳 |
午・未 |
6月・7月 |
南・南西 |
甲午 乙未 丙申 丁酉 戊戌 己亥 庚子 辛丑 壬寅 癸卯 |
辰・巳 |
4月・5月 |
東南 |
甲辰 乙巳 丙午 丁未 戊申 己酉 庚戌 辛亥 壬子 癸丑 |
寅・卯 |
2月・3月 |
東北・東 |
甲寅 乙卯 丙辰 丁巳 戊午 己未 庚申 辛酉 壬戌 癸亥 |
子・丑 |
12月・1月 |
北・北東 |
今年、子年と丑年が「殺界」となるグループは、一番下の「日干支」の人たちです。
殺界は、2年ごとに切り替わるため、表の一番上のグループは、晴れて殺界が抜けたグループ。
お疲れ様でした。もう今後10 年は殺界が来ませんよ!と、いう事になります。
なので、昨年末から、「子丑空亡」さんたちが、ソワソワ不安になって、やはり、「相談率」が高めです。
それでは、「子丑空亡」がどんな「景色」なのかと言うと
「子丑」は「北方向の世界」です。それが、「亡くなって」いるために不自然に空洞化しています。
北方向の世界は、目上の人や学問など、先人たちの世界です。
気は「安定」しようとして、動きます。
北方向が空となると、真逆の「南」が強くなって、引き寄せます。
南方向の世界は、目下の人や夢など、これからの可能性が詰まった世界です。
なので、「子丑空亡」の人たちは、良く言うと独立独歩の大器晩成型。大きな試練も物ともせずに、つい戦ってしまう人。
なので、思わず、「そんなに頑張らなくても・・・」「あなたが全部かぶらなくても・・・」と、労ってあげたくなる人。良い意味でも、悪い意味でも、楽天家です。
そんな感じの人のグループです。
十二支の気は、行動の基盤・動機となる「思い」を宿しています。
なので、「空亡」に当たると、「思い」がふわふわ定まらず、「心ここにあらず」の状態になりやすいとされています。
鑑定していて感じるのは、「不安」や「心配事」を、自ら大きく育ててしまう人が多いです。
それは、「暗いトンネルの中で暴走している」とか「お化け屋敷で恋に落ちる」みたいな感じです。
なので、「子丑空亡グループ」の人が、子・丑年には、「楽天家にもほどがある」とか、「一人で抱え込むにもほどがある」みたいな感じになりがち。
十二支は、実態のない「気」です。
なので、殺界期間に気持ちが不安定になってしまったら
「心配事」を紙に書き出して、「外」から他人目線で観察して見てくださいね。
あれ、これって、今悩む事でもないかも。。。
そんな風に、きっと、「冷静」になれるはずです。
ただし、午後11時から午前3時までは、紙に書き出さないでくださいね。
その時間は「子丑の時」
つまり、「子丑空亡の時」なのです。
ネガティブにハマりやすい時刻なので、その時間は、すやすやと夢の中でお過ごしください。
森羅万象全ては「気」の集合体です。
全ての「気」と自分の「気」が、出合って、混じり合い、化学反応を起こして、様々な「景色」を作り出します。
自分の「気」だけで「存在」しているのではなく、「自分」と「自分以外」の「気」が出合い、その人の「運気」を彩ります。
時が常に進むように、太陽が昇ったり、陽が沈むように、お天気がクルクル変わるように、織りなす「景色」は無限に変化をし続けていきます。
それは、今この瞬間も、これからもずっと、変化をします。
〇〇の運気だから、必ず〇〇になる
だから、これは、有り得ない解釈なのです。
「運気」は良し悪しで判断するものではなく
「自分だけの景色」として、まずは、じっくりと感じていただきたいなと思っています。